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<卒業生の活躍>卒業研究の成果をまとめた学術論文が国際学術ジャーナルに掲載

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年7月4日更新

 ファームビジネス学科(動物遺伝育種学研究室/須田教授)の卒業生、中村圭吾さん(2014年3月卒業、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程に進学)が、宮城大学食産業学部での卒業研究課題として東京大学と共に取り組んだ成果を、学術論文として国際学術ジャーナル「PLOS ONE」(2016年)に投稿し、掲載されました。また、学外の多くの研究者からもとても高く評価され、2015年度第121回日本畜産学会においてこの関連成果が優秀発表賞を受賞しています。これらの成果は、家畜の生産性を向上させることのみならず、人の不妊治療に貢献する可能性があります。マウスなどでのモデル実験ではなく、実際に反芻動物を使っての成果報告であり、国際的にインパクトのある成果として畜産・獣医学および医学分野の多くの研究者に参考にされています。インターネット上で公開されており自由に閲覧できます。

Induction of IFNT-Stimulated Genes by Conceptus-Derived Exosomes during the Attachment Period

胚と子宮の相互作用 

研究内容の要約

表題 Induction of IFNT-Stimulated Genes by Conceptus-Derived Exosomes during the Attachment Period (訳 胚接着期の受胎誘導エクソームによるINFτ刺激遺伝子群の発現誘導)

肉用牛や乳用牛の受胎率は年々減少し続けていますが、その原因は未だ不明です。本研究は、その問題の解決を目指した根本的研究と言え、受精後から着床に至るまでの間に死滅する“早期胚死滅”に焦点を当てたものです。反芻動物の着床過程において、胚盤胞が透明帯から孵化後すぐに、インターフェロンτ(IFNτ)と呼ばれる妊娠認識物質が栄養膜細胞から分泌され(今川ら、1987年Nature)、子宮内膜に作用して黄体退行を抑制し、妊娠が維持されると考えられています。そこで、反芻動物の胚接着時および着床成立に伴う新規妊娠認識物質、胚接着関連・促進因子をプロテオミクスによって探索し、それらについて構造解析および機能推定しました。この結果、子宮灌流液の中から計417種の時期特異的なタンパク質が同定されました。その内の159種は胚由来、22種は子宮内膜由来、そして11種は胚と子宮内膜両方での発現であることが明らかになりました。これらの結果から、子宮灌流液含有タンパク質群のうち、約8割は胚側由来のタンパク質群であり、細胞学的プロセスでは代謝に関与するタンパク質群が多かったこと、分子機能ではタンパク質結合の機能を持つタンパク質が多かったこと、そして細胞の構成要素では細胞外に存在するタンパク質群が12種類あったことが新規で明らかとなりました。