事業構想学研究科

新たな事業を構想するプロデュース能力と起業家精神にあふれた人材を育成する専門課程

 

宮城大学事業構想学研究科では,豊かな人間性に基づき,事業構想に関する専門的な知識と技術をもち,学際的かつ国際的視点で研究や実践を主体的に行うことができる研究者や高度職業人を養成し,事業構想に必要な専門知識・技術・政策課題について,研究と社会活動を行うことを目指しています。


試行錯誤を重ね,新しい文明社会の当事者としてさらなる進展を

コロナ禍以降の世界において, 各地で戦争や紛争が続き, 不安定な状況が続いています。この日本も政治的, 経済的な問題や課題が山積する中で, これからの時代の中でいかに活性化していくか, 成熟させていくかを考えて前進することが問われています。事業構想学研究科に新たに入学された皆さん,引き続き研究に取り組んでいかれる皆さんは,精一杯この困難な状況を冷静に見据え,克服に向けた試行錯誤を重ねながら,新しい文明社会の当事者としてさらなる進展に臨んでいかなければなりません。事業構想学(Project Design)は,現在進行中の様々な問題やこれまで長らく解決が難しかった課題に対しても自覚を持って真摯に,誠実に取り組み, 多様な研究領域を横断的で新しい視座を持つことがゆるされた専門家育成の教育研究組織です。そして先人達の知見を多様な場面や状況に応用し, その蓄積や成果をさらに発展させ様々な人々が共有, 共感できるような学びの環境を用意, 展開して行くことを目指しています。

DX(デジタル・トランスフォメーション)を活用したリカレント, リスキリング教育もその一環であり, デザイン思考に基づいた探究の機会を拡充しながら, リージョナル・アントレプレナー(地域的起業活動), ソーシャル・アントレプレナー(社会的起業活動)を推し進めるためのアントレプレナーシップ教育も充実させていきます。

皆さんに与えられたこの貴重な就学の機会を生かし自らの主題として,問題提起と課題解決を反復しつつ自身の研究に精進していただきたいと思います。研究科を担当する教員全員もその道のりをともに進んで参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

事業構想学研究科長 中田千彦

博士前期課程

ビジネスデザイン領域

ビジネスデザイン領域は,ビジネス遂行上の基本要件を学ぶ分野です。ビジネスを構想するための基本的な知識である経営(マネジメント)に関する知識,その応用である経営戦略(ストラテジー)の手法や対顧客視点での経営活動であるマーケティング手法を基盤に専門性の高いビジネスマネジメントの知識・技術の修得を目指します。アカウンティングの先端的知識と最新技術の修得,事業の円滑な実施に向けての資金の調達と運用に関する知識や技術を学びます。現在の経営に欠かせないツールであるITのマネジメントやタックスプランニング,コンプライアンスを意識した税法等の科目も配置しています。

ソーシャルデザイン領域

人口減少や高齢社会の到来といった社会の課題に対応するため,これからの地域に生きる人材は既存のスキームにとらわれないグローバルな視野とローカルなアクションが重要となっています。ソーシャルデザイン領域は,地域に点在する資源や知恵の創発による地域社会の新たな価値をデザインすることを目的としています。ソーシャルデザイン領域では,地域政策,地域情報の分析,人・組織のマネジメント,環境に関する講義科目を配置し,それら専門的理論を統合する中で,科学的・技術的な根拠に基づく政策の立案,イノベーションの創出に資する科目を供給します。魅力ある地域社会の実現に向けて,地域にある様々な資源を有機的につなぎ,政策形成や地域マネジメントにおいて,新たな価値を創出するイノベーティブな人材育成を目指します。

空間デザイン領域

地球規模での環境の変化,過剰供給を誘発する消費社会の中で,サスティナブルな成長を前提とした地域開発,生活環境のデザインが求められています。空間デザイン領域では,デザイン分野における計画手法やマネジメント,設計プロセスの研究を通じて,問題解決はもとより問題提起もリサーチクエスチョンの中で取りいれ,持続可能な地域計画や施設計画,社会イノベーションを起こすものづくり,場づくりに取り組んでいます。都市や建築,プロダクトなどフィジカルでタンジブルな空間やモノのデザインを通して,その背後にあるコンセプチュアルでアンタンジブルな価値を創造できる人材育成を目指します。

情報デザイン領域

情報通信技術の急速な進歩に伴い,情報と人間との接続は大きく変容しつつあります。グローバルに接続された情報通信基盤の上で,多種多様な情報が集積した情報空間が形成され,今日の社会生活の中で,人間は情報空間と常に接点を有し,必要な情報を取得・処理し,そして新たな情報を生成させながら生活しています。情報デザイン領域では,情報空間と人間(生物)との接続機能を担う情報メディアの役割に注目し,知的かつ高度な情報技術を駆使した情報システム,それらを通じて実現される情報表現・インタラクション手法,そしてそれらに対する人間の感性に対する評価手法に関する探究を通じて,今後の新しい情報メディアのデザインを担う人材育成を目指します。

カリキュラムポリシー

(1)プロジェクトマネージャ育成のための高度職業人育成コース,専門領域における研究者育成のための学術研究コースを設けています。

(2)事業構想を構成するビジネスデザイン・ソーシャルデザイン・空間デザイン・情報デザインの各領域における高度な知識・技能を修得するための専門講義科目群を構成しています。

(3)高度職業人育成コースでは,地域社会や企業と密接に関連した実践型教育を展開します。また学術研究コースでは,グローバルな研究者育成を図るために英語科目を設けています。

(4)研究科共通科目として,事業構想学を概説する基礎講座を設けるとともに,事業構想学に関する最先端知識を修得するための特別講義を設けています。


博士後期課程

事業構想学専攻

事業構想学研究科博士後期課程では,先端的諸問題の発見と解決ができる独創的な研究能力と事業能力を有するプロジェクトマネージャ及び研究者育成のためのカリキュラムを編成しています。

(1)事業構想の高度かつ先端的な専門知識と技術を修得するため,ビジネスデザイン系,ソーシャルデザイン系,空間デザイン系,情報デザイン系の演習科目を設けています。

(2)独創的な研究能力・実践能力を培うため異なる系の演習科目の修得を必修とし,多角的な視点からの発想力と分析力を培います。

(3)研究能力の育成及び着実な論文執筆のための研究指導科目を設けています。


教育方法の特徴

(1)学卒者と社会人の両方を対象に高度な専門職の教育を行います。
(2)全領域で地域現場と密着した実践教育を行います。
(3)研究者志望の者にはとくに研究能力の養成を重視します。
(4)関係資格(税理士,一級建築士,ソフトウェア開発技術者など)の取得を支援します。


社会人への配慮・教育状況等

事業構想学研究科では,学卒者・修了者と社会人の両方を対象にした高度な専門職の教育を行っており,社会人在学生の割合が高いことが特徴です。
そのため,社会人の方への配慮として,以下のような制度が用意されているとともに,一部講義では リモート対応するなど、社会人でも学びを継続しやすい環境が整っています。

社会人特別選抜

博士前期課程の入学試験では,企業,官公庁,教育機関及びその他各種団体などに2年以上の在職経験または活動経験を有する入学希望者を対象とした社会人特別選抜を行っており,専門科目の筆記試験と面接のみの受験となります。

長期履修制度

職業を有している等の事情により,標準修業年限(博士前期課程2年,博士後期課程3年)を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修することを希望する場合は,所定の申請を行うことにより,長期履修を認める制度があります。長期履修の期間は在学年限(博士前期課程4年,博士後期課程5年)の範囲内とし,手続は原則として入学時に行います。なお,基本的には,通常のカリキュラム・授業時間割を使用し,教育・研究指導が行われます。


教育目標・教育ポリシー


教員紹介


論文


シラバス

トピックス

宮城大学大学院事業構想学研究科の情報デザイン領域では,学外からゲストを招いた特別講義を開講しています。これは専任教員と非常勤講師の専門性を重ね合わせることで生まれる知見を学ぶ機会をつくるとともに,今後の教育・研究や社会活動に接続することを目的としています。この対談の様子をダイジェストにまとめてMYU Dialogとして公開しています。
MYU Dialog #01-05 (2020-2021年)

宮城大学が2023年6月〜11月に実施した令和5 年度「Downstream から学ぶ DX」リスキリングプログラムを,事業構想学研究科の大学院生も受講しています。デジタル技術やデータを活用した事業構想に取り組み, 実践的なスキルを磨いています。

 

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