1998.5.26 コンピュータ基礎1資料
 

表計算ソフトの基礎(2)

 

 (補足)先週の演習課題の手順

 以下は,あるパソコンショップにおけるパソコンの価格表である.それぞれの品目に対する数量を入力すれば,その品目に対する金額の合計が計算されるような表を作成しなさい.
 
 
B
C
D
E
F
1
メーカー
機種
数量
単価
金額
2 富士通 FMVNU516D1
229800
3 シャープ MN-370-X20
298000
4 ソニー PCG-505EX/64
298000
5 東芝 Satellite315 
248000
6 IBM ThinkPad 600
388000
 
 
 手順1
1)F2のセルに =D2*E2 という値を入れる.
2)F2のセルを選択し,コピー(ctrl+C)
3)F3からF6のセルを選択し,貼り付け(ctrl+V)
で完了である.

注意)ひとつひとつのセルに数式を打たずにコピーを活用すること

1.合計値を求める

例えばB3からB8のセルの合計をB9に出力したい.

 B9のセルに = B3+B4+B5+B6+B7+B8 と入力するという手段はある.  >>非効率

エクセルには関数というものがある.
関数の意味は,高校のときに学んだ y=f(x) と同じである.
ただし,ここでは =関数名(セルあるいはセルの範囲)と入力する.
 
セルの範囲は 開始セル:終了セル として表わす.(例えば B2:B8など)

 合計を求める場合には,SUM関数を使う.

例えば
  =SUM(B2:B8)  など

これは,「B2からD8の範囲の合計をセルに出力しなさい」という意味である.
 
 
演習 
 前回の総合演習で作成した表について,表の最後の行に金額の合計を示すようにしなさい. 
 また計算した合計金額をもとに,消費税(5%)を計算し,それを加えた総合計を計算するようにしなさい.
 

 エクセルはたくさんの関数をもっている.その一覧と入力は,挿入>>関数で可能である.
 

 2.矢印キーを利用した操作方法

 これまでは数式,関数に用いるセルをすべてキーボードにより打ち込んできたが,矢印キーやマウスの操作によってセルの番号を入力することが可能である.
 ここでは矢印キーによる操作方法を説明する.

1)矢印キーを利用した方法の例
 B3とB4のセルの和をB5に求めようとする場合
  B5で = を入力 >> ←キーでB3に移動>> + を入力 >>←キーでB4に移動しEnter
 
 範囲指定の場合には,=を入力した後,関数(を入力(例えば=SUM( )(範囲の末端のセルに移動し,
 Shiftキーを押しながら矢印キーで操作する.範囲が指定できたら,Enter

 同様の方法をマウスでも可能..セルの指定はクリック,範囲指定はドラッグで行う.
 

3.セルの移動

 数値や数式を入れたセルをそのまま移動したい場合の操作方法

 動かしたいセルまたはセルの範囲をマウスまたはキーボードで選択する.

 a)マウスによる操作: そのセル(範囲)上でマウスをクリックし,移動先へドラッグする.
 b)キーボードによる操作: ctrl+C(切り取り)を押し,移動先でctrl+V(貼り付け)
 
 この場合,コピーした場合とは異なり,数式の内容は変わらない..
  (=B7+B8の場合には,どこに移動しても =B7+B8)
 

4.番号を入れる.

例えば,下の表のように機種毎に番号を振りたいという場合がある. 

1) 1番目に1,2番目に2を入力する.(上の例では富士通とシャープの左の欄に1,2と入力する)
2)1,2を入力した範囲をドラッグにより選択する.(マウスのボタンを一度離す)
3)選択範囲の右下にマウスを移動すると,+マークになるので,
 そのまま番号を入れたい範囲までドラッグする.

以上で完了..自動的に番号がふられる.
(2,4と入力した場合には,自動的に6,8,10,12...と等差数列になる)

日付の場合はもっと簡単である.
 5/26 (これでエクセルは日付であると勝手に認識する)
   年を入れる場合には, 98/5/26等
 あとはセルの右下にマウスを移動し,+になったらドラッグすれば,
 自動的に連続的な日付が作成される.
 

5.表の整形

1)数値の表示形式の変更
 金額などの数値は3桁区切りでカンマを入れるのが普通.例えば228,000など

 表示形式を3桁区切りに変更する方法
  1)表示形式を変えたい範囲を選択する(列,あるいは全体の選択も可能)
  2)書式>>セル>>表示形式で通貨を選択し,記号で「なし」を選択
  3)OKボタンを押す.
 
 表示形式にはさまざまな形式が定義されているが,
 それに対して自分で定義することも可能である.
  どういう形式があるかを確認しておくこと.
  小数第何位まで表示するかなどの設定もある
 

2)文字の配置の変更

 例えばメーカー名をセルの中央に配置したい.
 設定する列を選択し,書式>>セル>>配置で選択位置を選ぶ.
 
 (あるいはのボタンを押すと設置できる)
   
 
 複数のセルにまたがる文字の配置
  例えば「合計」という文字を複数のセルの中央に配置したい場合 
   →セルを結合して中央揃えのボタンを押す
 

3)罫線

 とりあえず格子状の罫線を引くとする.
 
 範囲を選択したら,罫線ボタン横の▼を押し,ドラッグして罫線の種類を選び,ボタンを離す.
 あとは試行錯誤的に罫線を設定していく.
 
 

6.行の挿入と削除

1)行の挿入

 作成した表にもう一機種追加したい..という場合に行を挿入する必要がある.
 挿入したい行の次の行をアクティブセルにして,挿入>>行を選択する.

 複数行を挿入したい場合,アクティブな範囲を挿入したい行数だけに拡大した後,
 挿入>>行を選択する.

注意)
合計欄の前の行に行を挿入した場合,その行に打ち込んだ数値は
合計されません.
そこで,表の中間部分に行を挿入した後,コピー&貼り付けを使って,
表の内容を ずらしてください.これにより,SUM関数の修正をしなくて
済みます.
計算ミスの原因になりやすいので,十分に注意が必要です.
(SUM関数の範囲に注意しておくこと)

(列の挿入も同様)
 

2)行の削除

 削除したい行にアクティブセルを置き,編集>>削除>>行全体を削除を選択する.
 (列の挿入も同様)
 
 
演習  
 作成した表の4番目に下記の機種を追加しなさい. 
   
メーカー Panasonic 
機種 Let's note AL-N2T520J5 
価格 258,000円 
 
 
 

7.並べ替え(Sort)

 作成した表を価格の高い順に並び替えたい.
 この場合に,以下のような手法を用いる. 
1)並べ替えを行う範囲を指定する.
2)データ>>並べ替え>>最優先されるキーに並べ替えを行ないたい項目の入っている列を
 設定する.

 降順と昇順
  降順:大きい方から小さい方へ並び替えられる.
  昇順:小さい方から大きい方へ並びかえられる.

3)OKボタンを押す..

 並べ替え終了..
 
 
演習  
 作成した表を単価の高い順に並び替えなさい. 
 

ここまでの最終イメージ

 
 
総合演習 
これまでの演習では,ある1軒のパソコンショップでの価格をもとにしてきたが,  
ここでいくつかのパソコンショップにおけるパソコン価格の比較表を改めて作成する.  

まず価格調査を行う.  
 これまでの演習における価格は  
      http://www.twotop.co.jp/  
 から入手したものであるが,  
 他にもいくつかのネットワーク上で通信販売の価格が公開されている.  
 たとえば,以下のURLがある.  

http://vtzone.ado.co.jp  
http://direct.laox.co.jp/laoxdirect/default.asp  
http://www2.marinet.or.jp/~pal/index.html  
http://www.sofmap.co.jp/  他多数..(http://www.yahoo.co.jpで検索可能)  
 
ネットワーク上でのパソコンの販売価格を7つ以上の機種(自分の機種を含めること)で調査し,  
下記のような比較表をこれまで作成した表の下方に作成するとともに,それについて表の整形 
を行いなさい. 
  
メーカー
機種
A店
B店
C店
平均
最高値
最安値
IBM ThinkPad535X 298,000 248,000 258,000 268,000 298,000 248,000
... ... ... ... ... ... ... ...
 

ここでは以下の関数を利用すること.

      平均を求める関数は.. =AVERAGE()  (例えばB2からB5の平均は =Average(B2:B5) )  
      最大を求める関数は.. =MAX()  
      最小を求める関数は.. =MIN()
    調査により不明である場合には,空白のままにしておくか,あるいは「不明」と入力しておくこと.  
     (絶対に0を入れないように;平均などの計算値に影響します)