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CareBots プロジェクトとは

〈ロボットを人間らしくすること〉と〈人間をより深く理解すること〉は,じつは密接につながっています.CareBots プロジェクトでは,コミュニケーションという人間を特徴づける営みとそれを支える能力を解明するために,ロボット工学と人間科学を有機的につなげる研究を展開しています.

写真:ロボットKeeponがぬいぐるみを見ている様子 写真:ロボットInfanoidが指さしをしている様子

私たちのコミュニケーションは,赤ちゃんと養育者(たとえば母親)のあいだの触れあい・見つめあいといった身体的コミュニケーションから始まります.この研究プロジェクトでは,その発達メカニズムを解明することをとおして,人間のコミュニケーションの本質(コア)を明らかにします.そして,将来の情報通信システムに必要となる〈状況共有インタフェース〉のための新しい設計原理を探求します.

赤ちゃんと養育者は,アイコンタクト(見つめあい)や身体接触・声・表情による情動のやりとりに始まり,やがて指さしや共同注意(同じ対象を見ること)による注意のやりとりへと,コミュニケーションを深めていきます.このような情動と注意のやりとりのなかで,赤ちゃんと養育者は,まわりの世界を同じように知覚し,表情や声をとおして心の状態──この世界をどのように感じとっているか──を参照しあうことで,たがいの存在や世界との関わりを共同化していきます.こうして赤ちゃんは周囲の世界を意味づけ・価値づけしていき,やがて言語や文化を担ったひとりの人間になっていくのでしょう.

このようなコミュニケーション発達を工学的にモデル化するための,またモデルを検証・精緻化するための研究プラットフォームとして,人間と注意や情動をやりとりできる〈子ども型ロボット Infanoid〉と〈ぬいぐるみロボット Keepon〉を開発しました.現在,これらロボットに赤ちゃんや子どものコミュニケーション能力を実装すること,そしてこれらロボットを使って赤ちゃんや子どものコミュニケーション発達を分析することを進めています.また,ここで得られた知見を,子どもたち──発達障害をもつ子どもたちも含む──のコミュニケーション発達をサポートするために活用する試みや,このような学際的研究の交流の場として〈国際ワークショップ Epigenetic Robotics〉を主催することなど,さまざまな社会貢献も進めています.

本研究プロジェクトは,1997年4月から2006年3月までは,(独) 情報通信研究機構のもとで「Infanoid プロジェクト」として推進されました.2006年4月から2008年9月までは,(独) 日本学術振興会の科学研究費補助金の支援により,情報通信研究機構において推進されました.2008年10月からは,(独) 日本学術振興会の科学研究費補助金(基盤研究(B) 課題番号 18330144 および 21330154)の支援により,宮城大学において「CareBots プロジェクト」として推進されています.

なお,CareBots プロジェクトのウェブページに掲載された情報は,とくに指定のないかぎり,Creative Commons表示-非営利ライセンスのもとでご利用いただけます.