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都市計画論文集,No.27, pp.313-318, 1992.

地方中核都市における軌道系交通機関整備方策の検討

徳永幸之・稲村 肇・須田 熈


概要

 公共交通機関に対する需要が十分でない地方中核都市においては, 地下鉄など巨額の投資を必要とする軌道系交通機関の整備は採算性の面から困難である. しかし,バスのみによる対応も困難であることから, 地方中核都市における軌道系交通機関整備の必要性について論じた. 次に,日本の11地域に導入された新交通システムを建設費と収益性の観点から評価し, 採算性を確保する目安として事業者負担建設費1億円当たり200人/日という値を示した. 最後に,仙台市を対象に比較的整備費が安く済む3種類の交通システムの整備策を検討した. すなわち,既存貨物線の旅客化,ガイドウェイバス,都市型索道である. これら採算性はいずれも比較的良好であり, 地方中核都市における軌道系交通機関整備の可能性を示すことができた.

Keywords:新交通システム,ガイドウェイバス,都市型索道,財務評価

目次

  1. 背景と目的
  2. 軌道系交通機関の必要性
  3. 新交通システムの現状
    • 新交通システムの経営状況
    • ガイドウェイバスと都市型索道
  4. ケーススタディ
    • 既存鉄道の活用
    • ガイドウェイバスの導入
    • 都市型索道の導入
  5. 軌道系交通機関整備方策
  6. おわりに

参考文献

  1. 石井(1975):新交通システム;鹿島出版会,pp.11-17
  2. 阿部(1983):都市における中量輸送システムとその必要性,都市計画, No.126, pp.54-59
  3. 黒川(1984):地方都市への新交通システム導入計画の問題点と推進方策,都市計画, No.130, pp.44-49
  4. 黒川・鈴木(1982):経営収支からみた地方都市への新交通システム導入に関する基礎的考察,都市計画論文集, No.17, pp.373-378
  5. 今野・徳永・須田(1988):仙台市地下鉄の開業による交通行動の変化,土木学会年次学術講演会講演概要集, No.43, pp.38-39
  6. 兵藤・徳永・須田(1990):仙台都心部の鉄道環状線計画の採算性の検討,土木学会東北支部技術研究発表会講演概要, pp.386-387
  7. 早坂・徳永・須田(1991):仙台北部中核都市へのガイドウェイバスの段階的整備の検討,土木学会東北支部技術研究発表会講演概要, pp.434-435
  8. 粟野・徳永・谷口(1990):都市内における索道の特性と採算性,土木学会年次学術講演会講演概要集, No.45, pp.318-319

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toku@plan.civil.tohoku.ac.jp