発酵化学研究室

金内 誠(フードビジネス学科/教授)

ビール醸造において、麦芽は欠くことが出来ない原料のひとつです。なぜならばアルコール発酵の出発点となる麦芽糖は、麦芽中のデンプンから生成され、さらにデンプンを加水分解する酵素も麦芽に由来します。しかし、麦芽には細胞壁由来の β-glucanとよばれる物質も含まれており、それが製造過程における粘度の上昇やフィルターの目詰まりなどを起こし、製品の白濁の原因になります。そこで、我々はこれら β-glucanを分解する酵素の麦芽製造時の動向について検討しています。

ビール用大麦・麦芽中のexo-β-glucanaseのビール製造への影響に関する研究

ビール製造に関する研究

酵母はアルコール発酵にとって欠かすことができない微生物です。我々は、おいしいビールを造るために、様々な研究を行っています。現在までに、ビール中の硫黄化合物の生成経路について、新しい知見が得られました。また、ビール発酵中に生成する嫌な香りであるダイアセチルという物質を生成する酵素の酵母間の違いなども報告しました。現在、嫌な香り(ダイアセチル)が生成しないような酵母の研究を行っています。さらに、大麦や酵母だけでなく、ビール製品中についても検討を行っています。例えば、ビールの泡の正体であるホルデインタンパクについてもその性質などを調べ、泡持ちのよいおいしいビールを造るための研究を行っています。

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