応用微生物学研究室

菰田 俊一(フードビジネス学科/准教授)

微生物の生産する生理活性物質に関する研究

カビや食中毒など、食品にとって微生物は悪者扱いされることが多いですが、実はお酒やみそ、しょうゆ、チーズなど多くの食品が微生物の力を借りて製造さ れています。「食」と「微生物」は強いつながりをもっています。また、微生物が作る化合物の中には、食品の製造や品質維持に関連する化学物質や、ヒトの体 調に関連する有効成分もあります。そこで、菰田研究室では微生物の生産する生理活性物質について研究を進めています。特に、当研究室では脂質の酸化を触媒 する酵素(リポキシゲナーゼ)に着目し、この酵素の活性を阻害する化合物を探索しています。これまでに、微生物の培養液から、新規四環性骨格を含む4つの 化合物(テトラペタロンA,B,CおよびD)を世界で始めて発見しました。現在はこのテトラペタロン類に関する研究と、新たな活性物質の発見を目指して研究を進めています。

Structure of Tetrapetalone A

Origin of Carbon and Nitrogen Atoms In Tetrapetalone A

食と健康に関する科学的なアプローチ

食べ物は単純ではなく、様々な要因が重なり合って味や健康に大きな影響を及ぼすいわゆる”複雑系”です。食品を構成する成分も比較的サイズの小さい”スモールモレキュール”からタンパク質などの高分子成分までたくさんの健康影響成分が含まれています。当研究室では、食べ物に含まれるいろいろな成分と健康との関わりを分子のレベルで解明することを目的に研究を進めています。技術的には、遺伝子やタンパク質の解析、場合によっては化学分析をしながら「食の不思議」にチャレンジしています。

  1. エビやカニ等シーフードに含まれる生体影響タンパク質の研究
  2. 発酵調味料の開発と健康影響成分の分析
  3. 調理法と食品成分の関係に関する研究

エビ

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