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24.11.05
10/23「カレーからみるフードマイレージ ~食材はどこから来たのか、食材は何者か、食材はどこへ行くのか~」を実施/太白ディスカバリーコモンズ
宮城大学では、対話的かつ主体的な深い学び(アクティブ・ラーニング)に授業以外の時間を利用して取り組む空間として4つのラーニング・コモンズが整備されています。そのうち、太白の図書館に隣接するディスカバリーコモンズでは、学生アシスタント(SA)によるいくつかのイベントが開催されています。2024年10月23日、農林水産省東北農政局とのコラボ企画として「カレーからみるフードマイレージ~食材はどこから来たのか、食材は何者か、食材はどこへ行くのか~」を開催しました。
「フードマイレージ」とは何か? オリジナルゲームを通してその概念を学び理解する
農林水産省では「ニッポンフードシフト」の取り組みとして、Z世代と言われる25歳以下の若者をターゲットに「食」に関する情報発信・共有を行っています。イベント当日は、食産業学群の学生18名、東北農政局25歳以下の職員5名が参加、学生アシスタント(SA)が考案したオリジナルゲームと、学生と東北農政局職員とのディスカッションを通じて、フードマイレージの知見を深めました。
フードマイレージとは、食品の重量×輸送距離の値で、単位は「トン・キロメートル」で表します。さらに、輸送手段ごとの CO2 排出係数をかけることで、地球温暖化の原因の一つとされている CO2 の 排出量が計算できます。東北農政局の平田彩乃氏による、フードマイレージについての講話では、日本のフードマイレージが突出して高いこと、同じ輸入物でもアメリカからと中国からでは排出されるCO2の量が大きく異なることなどが紹介されました。これは、日本の食料自給率の低さに起因しています。
次に、予算2,000円内で、食材カードを6枚集め、グループごとにオリジナルカレーを作るゲームを実施。世界地図上で、各カードに記載されている生産国と宮城県を紐で繋ぎ、輸送距離の合計(ひもの長さ)が短いグループが勝利となり、ひもの長さが短いグループから、好きな味のカレーを選ぶことができるゲームです(※本来、フードマイレージは食材の重さと輸送距離の掛け算で表しますが、このゲームでは簡略化して距離のみにフォーカスしています)。参加者は楽しみながら、フードマイレージとは何か、またフードマイレージという視点で見たときに日本が抱える課題について実感として知ることができるプログラムとなりました。
参加学生-小西咲綺さんのコメント
グループの人と食材の価格と距離どちらを取れば良いか、他のグループはどのような戦略をとってくるかなど話し合うことがとても楽しかったです。価格が安いからといって外国産のものを選ぶと輸送距離が長くなってしまい、環境負荷が大きくなってしまうため、今回のイベントで、国内でどれだけ効率的に農業を行えるかが課題であると実感させられました。素敵なイベントありがとうございました。
学生アシスタント-北本美月さん、田原凜さん、中居優香さんからのコメント
今回の企画では、食について楽しみながら学んでほしいという思いから、カードゲームを立案しました。ゲームの内容は私たちがゼロから考えましたが、特にフードマイレージという視点を取り入れながら、より理解しやすいルールでゲームを作成することがとても大変でした。本番では参加者の皆様に楽しんでいただけただけでなく、活発にディスカッションを行っている様子を見ることができてとても嬉しかったです。また、東北農政局の方々と意見交換を行って企画を作り上げたことも貴重な経験となりました。今年は、東北農政局とのコラボ企画の中で最多の参加者を集めることができ、とても良い企画にできたと思います。来年も学生が主体となって素敵な企画を立案してくれることを期待しています。
東北農政局-平田彩乃さんのコメント
最初は緊張した面持ちで席に着いた皆さんが、ゲームを通じて打ち解け、時には笑い声も出るなど、楽しんでもらえたのがとにかく良かったです。また、ディスカッションでは他者の意見を受け入れつつ疑問を持ち深く考える姿勢や、短い時間で意見をまとめ上げる能力も素晴らしかったです。皆さんが楽しみつつ真剣に取り組む姿勢が印象的でした。短い時間でしたが、自分たちが普段何気なく食べているものについて真剣に深く考える機会となり、今後の食材選びや消費行動において、少しの意識と変化が重要であることを感じていただければ幸いです。
ディスカバリーコモンズとは
宮城大学では「キャンパスにもっと学生の居場所を」をモットーに、学習の機会を提供する場として大和・太白キャンパスに4つのコモンズが設けられました。そのうち、 ディスカバリーコモンズは、隣接する図書館を活用しつつ、発表や交流のイベントなどいろいろな主題について学生同士意見を交わしたりディスカッションをしたりすることで、なにか新しい発見を行うことを目的に、ミーティングスペースとフリースペースを備えた、誰でもアクセスのできる場所です。
大和キャンパス
太白キャンパス