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21.02.09

1/25 「みやぎの農業と食品産業の絆シンポジウム」を開催しました

1月25日月曜日,仙台国際センターにおいて「みやぎの農業と食品産業の絆シンポジウム」を開催しました。

このシンポジウムは,東日本大震災の翌年から,「震災や原発事故の風評被害により失われた宮城県の農林水産物及びその加工品の市場を取り戻すために,農業と食産業の連携を強めよう」という趣旨をもって,本学が,宮城県,宮城県食品産業協議会,食産業フォーラムとともに開催しているものです。

今回のシンポジウムは「最高の食材×最高の料理 -宮城の食材を世界に誇れる逸品に-」をテーマに,宮城の食材の課題や可能性を見つめ直し,「食材王国みやぎ」を盛り上げるためにできることを議論しました。

パネルディスカッション全景


基調講演「外から見た『食材王国みやぎ』」
楽・食・健・美 -KUROMORI- オーナーシェフ 黒森 洋司 氏

基調講演 黒森様

コックコートを着て登壇した黒森氏。東日本大震災後の5月,黒森氏の料理を食べた石巻の友人に,「こんなあったかくて美味いもの,宮城の人にも食べさせてくんねえか」と言われたことがきっかけで,「料理人としての復興支援」のため,仙台市に「楽・食・健・美 -KUROMORI-」を構えたそうです。
宮城県は,中国料理の高級食材であるフカヒレ,アワビ,ナマコが手に入る世界的に見ても珍しい“中華県”であること,生産者との交流をとおし,その食材を生かした料理を作っていること,宮城県の農畜産物に対する問題提起などのお話がありました。

事例発表1「これからも生産者と共に地域で生きる」
有限会社アトリエデリス 代表取締役,一般社団法人みのり 代表理事 佐々木 文彦 氏

事例発表1佐々木氏

1998年から蔵王町で惣菜と洋菓子,ケータリングのお店「アトリエデリス」を営む佐々木氏。生産者が手間暇かけて栽培した果実が出荷できずに埋めて踏みつけている光景を目にし,「加工施設があればこんな心が折れることをしなくて済むのではないか」という想いがあったそうです。農産物の付加価値を高めるための加工や研究が可能で,レストランも経営する「一般社団法人みのり」の立上げに携わり,代表理事も務めています。食という切り口から地域に人を残していく取組みについて紹介がありました。

事例発表2「『仙台セリ鍋』のヒ・ミ・ツ」
三浦農園 代表 三浦 隆弘 氏

事例発表2三浦氏

名取市のセリ生産者である三浦氏からは,セリの栽培の様子が撮影された動画により,動植物の生育環境を守りながらセリを栽培する取組みの紹介がありました。また,セリ鍋が「誰かが仕掛けた“ブーム”」ではなく,「SNSや口コミによって広がっていった“ムーブメント”である」こと,そして「身銭を切って食べ支えてくれた食いしん坊たちによるムーブメント」のおかげで食文化として定着されつつある経過を,生産者でありながら客観的な分析目線で紹介しました。

パネルディスカッション
テーマ:真の「食材王国みやぎ」にするために,今からできること。

〇パネリスト
 黒森 洋司 氏,佐々木 文彦 氏,三浦 隆弘 氏
〇コーディネーター
 宮城県宮城県食品産業協議会 副会長
 株式会社菓匠三全 顧問  田中 正人 氏

コーディネーターにより登壇者それぞれが講演・紹介された取組みについて掘り下げた上で,未来の「食材王国みやぎ」について,各登壇者から提言がありました。

来場者

(参加者の感想)

  • シンポジウムの名称どおり,みやぎの農業・食材を考える中でたいへん参考になる内容でした。
  • 食材の生産者と消費者それを繋ぐ料理人それぞれの思いが伝わるすばらしいシンポジウムでした。
  • 宮城の食材は素晴らしい,発信が下手なだけと思っていましたが,それだけではないと気が付きました。
  • 消費者としてこれからの宮城の農業と食品産業を応援したいと思いました。

宮城大学地域連携センター

宮城大学は地域に開かれた大学として,本学の教育や研究の成果を広く地域の 方々に還元するため,公開講座を開催 しています。講座では,本学教員が健康 づくりや,地域の歴史,食品の美味しさ・安全など身近なテーマをわかりや すく講義します。また,企業や地方自治 体との連携を深めるためのシンポジウムやセミナーを開催しています。大和キャンパス交流棟 2 階には,地域 との交流拠点として多目的に利用でき るオープンスタジオ “PLUS ULTRA- ” を設けており,研修会やワークショッ プなどを行っています。

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