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25.09.02
8/1宮城大学と利府町が共同研究による新商品発表会を開催/研究推進・地域未来共創センター
宮城大学は、利府町との包括連携協定に基づき、研究推進・地域未来共創センターのコーディネートにより、地域の新たな特産品開発を目指した取り組みを進めてきました。その成果として、利府町内の梨園から分離した「利府No.1」酵母を使用したクラフトビールが完成し、2025年8月1日に利府町役場にて完成発表会を行いました。
「利府No.1」酵母を活用したビールが完成
研究と開発の歩み
本取組は、地域資源を活かした特産品づくりを模索する利府町からの相談をきっかけに始まりました。当初は特産の梨を使ったワイン開発を検討しましたが、収穫量の制約から断念。その後令和6年度から、熊谷町長の発案により利府町産の酵母を使った商品開発に着手し、町職員が町内20か所の土壌や樹木から採取した酵母を分離・分析する研究に、食産業学群の金内研究室が取り組んできました。その結果、梨園の土壌からアルコール発酵能が高く芳香に優れた酵母の分離に成功し、「利府No.1」と命名しました。
金内研究室では、この酵母を活用したパン・日本酒・ビールの試作を進め、仙台市のクラフトビール醸造所「穀町ビール」との連携により、洋ナシのような香りとコクをもちながら、すっきりとした飲み口のエールビールが完成しました。
利府町役場にて完成発表会を開催
新商品の発表会には、利府町の熊谷町長、宮城大学の佐々木学長をはじめ、金内教授や金内研究室の学生、穀町ビールの今野代表らが出席しました。発表会では、商品開発の経緯や酵母の分析結果の紹介、学生によるラベルデザインの発表が行われ、大学と地域、地域企業が一体となった成果が披露されました。
完成したビールは、仙台駅をはじめ県内の酒店・飲食店等で販売が開始されています。さらに、ビール製造過程で発生する廃酵母を活用したパンの開発も進められており、産学官連携による新たな特産品開発の展開が期待されます。
利府町について
宮城県宮城郡利府町は宮城県のほぼ中央に位置し、仙台市や松島町などと隣接する交通の要衝です。町内にはJRの駅や高速道路のインターチェンジが整備され、大規模商業施設や文化複合施設が集まり、自然と都市機能が調和した住みやすい環境が整っています。古くから「十符の里」と呼ばれ文化的にも知られ、現在も特産品の利府梨が町の象徴となっています。また、表松島の海や加瀬沼公園など豊かな自然が広がり、宮城スタジアムや楽天イーグルス利府球場といったスポーツ施設も整備されています。利府町は「もっと先へチャレンジ利府!」を掲げ、市制移行を視野に入れながら発展を続けている町です。
研究推進・地域未来共創センター
企業や地方自治体・機関・団体のニーズや課題に対して、研究推進・地域未来共創センターは宮城大学の持つ多彩な人材・研究・技術・ノウハウなどを活かしながら、イノベーションや活性化の解決策を生み出していきます。そして、地域産業の発展や魅力的な地域づくりなど地域の可能性を広げるために、従来の手法や領域にとどまることなく、さまざまな分野で共創し、宮城大学のミッションの一つである地域社会への貢献を目指します。