水資源利用学研究室
郷古 雅春(環境システム学科/教授)
水資源の最大のユーザーは農業用水で、日本だけでなく諸外国においても水資源利用の6~7割を占めています.今世紀は水の世紀とも言われますが、農業用水を抜きにして水の問題を語ることはできません.
私はこれまで、地方行政で農業水利をはじめ農地整備、ダム、水環境整備など農業土木技術全般に関わってきました.また、水資源有効利用の観点からの農業用水の節水技術や、農業用水の管理組織、農業水利技術者育成をテーマとした国際技術協力にも携わってきました.
研究室では、農業用水を中心とした水資源の利用、特に技術協力の中で日本の貢献が期待されている農業用水の管理や管理組織の分野を研究します.
また、農業用水を活用した小水力発電や、東日本大震災からの農業・農村の復興に関わる様々な課題についても研究します.
持続的な農業に向けた農業用水の利用の現在と今後
土地改良区を中心とした日本の農業水利管理(灌漑管理)は、参加型灌漑管理(Particitpatory Irrigation Management : PIM )の模範として、世界の援助機関から評価されています。
しかし、土地改良区、ムラ等による重層的管理構造の実相は、意外と知られていません。
参加型灌漑管理(PIM)の模範とされる「土地改良区を中心とした日本の灌漑管理」がこれからも模範であり続けられるために、まず、その実相を明らかにすることから始めます。さらに、重層的な管理構造を踏まえた、PIMに関する実効ある途上国協力について研究します。