食品機能学研究室

西川 正純 (フードビジネス学科/教授)

ω-3系高度不飽和脂肪酸の生理作用と病態との関連性の研究

ω-3系高度不飽和脂肪酸、特に魚介類に特徴的に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の生理作用について研究をしています。一例を紹介すると、ドコサヘキサエン酸(DHA)は哺乳動物の中枢神経系に多く存在し、欠乏すると空間認知障害など記銘力の低下が報告されています。このメカニズム解明について様々なアプローチがなされていますが、我々は記憶形成の有力な仮説であるシナプス伝達の長期増強(LTP)について研究し、 DHAが海馬CA1領域でLTP誘発の引き金となるグルタミン酸レセプターサブタイプのNMDAレセプターの応答を活性化することを明らかにしました。すなわち、脳内のDHAは記憶形成時NMDAレセプターの応答を強くして記憶形成の効率化に役立ち、また脳内で減少すると記憶形成力が衰えると考えられる訳です。また、エイコサペンタエン酸(EPA)はアラキドン酸と同様の代謝経路に乗って種々のプロスタグランジン(PG)やロイコトリエン(LT)に変換されますが、アラキドン酸由来のPGやLTとは生理作用に差が有ることが解って来ました。現在、病態との関連性について東北大学と共同研究を進めています。その他、埼玉医科大学や帝京大学とはω-3系高度不飽和脂肪酸の眼疾患や早産の予防効果についての共同研究を進めています。

ω-3系高度不飽和脂肪酸の生理作用と病態との関連性の研究

機能性食品素材の抽出・精製、効果・効能に関する研究

宮城県を中心とする東北地方の産業振興、地域連携を目的に、魚介類などの海洋資源から機能性食品素材の抽出・精製、並びに効果・効能に関する研究をしています。

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