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26.10.20

9/18宮城大学大和キャンパスにて「クローバー・パプリカウニの試食会」を開催しました

宮城大学では、特認研究(学内研究費)「サスティナブルシーフードプロジェクト」において、ウニの陸上養殖の事業化を目指した研究を進めています。このたび、その成果の一部として養殖したウニの試食会を開催しました。

本プロジェクトでは、伊吹准教授を中心に、養殖水槽内の糞を効率的に除去するシステムを開発し、特許を出願しています。今年度は、この糞除去システムを活用しながら、片山准教授が開発したウニ用飼料(クローバーおよびパプリカの廃棄葉)による養殖試験を実施しました。

養殖は5月末から開始し、南三陸町の株式会社ケーエスフーズ「恵みの海」の施設をお借りして約3か月間実施しました。その後も品質の維持状況について検証を行った結果、8月には身入り(可食部の割合)が15%を超え、9月12日時点でも16.4%を維持するなど、高品質なウニの生産に成功しました。

試食会は大和キャンパスで開催し、教職員や学生など多くの参加者にクローバー・パプリカウニを試食いただき、そのおいしさを体験していただきました。また、会場では西川特任教授を中心に開発したウニの自動殻剝き機の実演も行い、参加者には実際に操作を体験していただきました。

ウニの糞除去システムの取り組み

陸上養殖では水よりも比重の重い糞や餌の食べ残しが水底に沈殿し、水質を悪化させるため、頻繁な掃除の手間がかかることが課題でした。養殖の事業化を念頭に、少ない人手での規模拡大の実現には、掃除作業の自動化が欠かせません。一方で、海の中のように綺麗な海水を大量に循環させながら、濾過させることは難しく、ウニにとっては強い流れに晒されることもストレスになるため、水槽の中の流れを検討し、強い流れは水底付近でだけ発生させ、残渣を吸い上げる機構を開発しました。特許出願後も飼育環境下での動作試験を継続し、見えてきた新たな課題に取り組みながら、実用に向けてシステムの信頼性を高めています。

クローバー・パプリカウニの取り組み

宮城大学ではこれまで、マメ科植物であるクローバーを餌としてウニを肥育する技術開発に取り組んできました。また、令和3年度及び令和4年度には、石巻市と連携して実施した「エネルギー構造高度化・転換理解促進事業(再生可能エネルギーなどエネルギー構造高度化等に資する調査・研究事業)」において、石巻市で年間を通じて栽培されているパプリカの葉に着目し、株式会社デ・リーフデ北上の協力のもと、通常は廃棄されるパプリカの葉を活用したウニの肥育に成功しました。

今回の養殖試験では、これらの研究成果を活用し、クローバーとパプリカの廃棄葉を餌としてウニを飼育しました。なお、クローバーは南三陸町の星農場から、パプリカの廃棄葉は株式会社デ・リーフデ北上からご提供いただきました。

本プロジェクトでは、海藻類に代わる新たな飼料の活用により、低コストで採算性を確保した持続可能な陸上養殖の実現を目指しています。今後も、地域資源や未利用資源を活用したウニ養殖技術のさらなる高度化と事業化に向けて取り組んでいきます。

ウニの自動殻剥き機の取り組み

東日本大震災以降、宮城県や岩手県の沿岸地域では、水産業を支える労働力不足が深刻化しています。ウニの殻剝き作業を担う「剥き子」と呼ばれる従事者についても、高齢化などを背景に、その担い手が減少しています。

このような課題の解決に向けて、本学では農林水産省の先端プロジェクトによる支援を受け、地元企業である株式会社石巻アパラタスと共同で、ウニの殻を自動で剝くロボットの開発に取り組んできました。

この装置は一人でも操作が可能であることから、小規模な漁港や加工施設での活用が期待されています。

試食会では、参加者に実際にウニ殻剝きロボットを体験していただき、その仕組みや可能性について理解を深めていただきました。

今後は、さらなる小型化と低コスト化を進め、より多くの現場で導入しやすいウニ殻剝きロボットの実現を目指していきます。

研究者プロフィール

西川教授がDHAに関する研究で日本脂質栄養学会のランズ賞を受賞

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