大学案内2019学長メッセージ
宮城大学は2017年に創立20周年を迎え、新たな一歩を踏み出しました。大学の歴史とともに社会の変化を振り返ると、開学から今日まで、私たちを取り巻く環境は大きく様変わりしています。さらに20年後、それより先の未来を想像したとき、社会はどのように変化しているのでしょうか。人工知能(AI)や知能を備えたロボットが普及し、社会環境や労働環境が高度化・複雑化するこれからの社会では、生き抜いていくために求められる能力もこれまでとは異なってくるでしょう。
そのような社会で必要とされ、活躍できる人材を育成するために、宮城大学は2017年から3つの柱で大学改革を行ってまいりました。
第一に、大学での学びの土台となる基盤教育を充実させました。必修科目群「フレッシュマンコア」を設け、少人数でのセミナー形式の授業等を通じて、豊かな人間性と学び続ける力を養います。
第二に、学部・学科制から学群・学類制に移行しました。これにより、学生は自身の目標や関心に応じて専門科目を柔軟に選択し、学修を深めていくことができます。
第三に、入試改革を行い、高等学校等での偏りなく幅広く、継続した学習の成果を多面的に評価する内容としました。AO入試の導入や推薦入試・一般選抜の見直しにより、多様な学生が集い、他者とのかかわりあいの中で切磋琢磨しながら学生生活を送っています。
さらに、2018年度からは、学生が自主的に学修に取り組めるよう環境を整備してまいります。大学での学修は、講義を聴くだけではなく、自ら、又は教員や他の学生とともに主体的・能動的に学ぶ姿勢が必要です。そのような学修を後押しするため、開放的な学びの空間『ラーニング・コモンズ』を設け、講義や演習・実習にとらわれない学修の場を提供します。ラーニング・コモンズには4つの機能別空間があり、そのうち、学生の学修・交流の場としての「スチューデントコモンズ」、留学生や日本人学生が集う活気に満ちた「グローバルコモンズ」の2つは、この4月から利用を開始しています。これら以外についても順次環境を整えていきますので、十分に活用していただき、宮城大学での自由闊達な学生生活の中で、自分自身の可能性を伸ばし、豊かな人生の土壌をつくっていただきたいと思います。
(宮城大学大学案内2019、05頁寄稿分)