新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
今日は「令和」の時代になって初めての元旦を迎えました。皆様も新たな時代の息吹を感じる新年となったことと思います。
過ぎ去った「平成」の時代30年間を一言で表すことは適切ではありませんが、平成の始まりとともに発表されるようになったIMD(国際経営開発研究所)の「世界競争力年鑑」による日本の競争力順位が1位から2019年には30位まで低下したとしていることに代表されるように、世界における日本の地位低下は明らかでした。
今年は、東京オリンピック・パラリンピック2020が開催されます。「昭和」の時代、56年前に開かれた東京オリンピックは高度成長に弾みをつける結果を生んだと云えますが、今度のオリンピック・パラリンピックは何を残すことになるのでしょう。現在の社会経済環境からみて、前回と同じレガシーを求めるものではありません。世界に先駆けた超高齢社会を迎える国として、社会の持続性に資するしなやかで思いやりに満ちた日本型市民社会を発信し、東日本大震災からの復興の姿を示すことで、世界に対してこれからのレジリエントな社会の有り様を顕わすことができればよいと考えます。
さて、宮城大学は、2017年度から開始した新たなカリキュラムが今年4年目を迎えます。新カリキュラムで教育を受けてきた学生が社会に飛立つための巣離れの時期を迎えることになります。学生たちがこれまで学んできたことを振り返り、蓄積した知識と経験を整理して社会に臨むことに期待しています。
宮城大学は、実学を重視し、実践的な活動に取り組んできました。このため社会と多様な関わりをもってきていますが、いまだその広さ、深さの両面で十分であるとは言えません。今年も社会との接点を一層拡大し、地域社会に寄り添う大学としての機能向上に努めて参ります。
本年もよろしくお願い申し上げます。
令和二年元旦
宮城大学理事長兼学長
川上 伸昭