新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって社会は混乱し、新たな日常という名の非日常が継続しています。そのような中で2021年を迎えました。新型コロナ感染症と人類との戦いは容易に終わるものではないものの、これまでの間に人類の対処能力は確実に向上し、ワクチンの接種、治療法の進歩、生活行動の変化などを通して、本年は着実に事態の改善が図られていくものと期待をしています。

新型コロナウイルス感染症の蔓延は、社会の課題をあぶりだし、変革の促進をもたらすとされています。例えば、感染症は都市のリスクを顕在化させたことで地方への人口の移動を引き起こし、行政のデジタル化の遅延を顕在化させたことでDX推進の旗を掲げさせ、菅政権による2050年までの温室効果ガスの排出量実質ゼロにするという表明を引き出すことになりました。

これらの変革は都市と地域の関係にも大きな変革を迫ります。特に、デジタル技術はこれまでもGAFAを産んだように寡占化、集約化を引き起こし、事業や富の都市への集中を産まないとも限りません。自然エネルギー資源や温暖化ガスの吸収能力は地域に分があり、ここに新たな都市/地域関係が構築されることが考えられるものです。

宮城大学は、これまでも宮城県全体をフィールドと考え、地域と一体となって活動してきましたが、このような加速する変化に対して、地域とともに考え、そこで活躍する人材を生み出すべく、今年も活動をしていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

令和三年元旦
宮城大学理事長兼学長
川上 伸昭

TOP