第3期中期目標期間の開始にあたって
宮城大学は本年4月から開学25年目の年に入りました。これと同時に法人化から13年目となり、第3期中期目標期間が開始となりました。開学から早いものでおおよそ4半世紀の齢を重ねたこととなり、これまで本学を支え、ご指導ご鞭撻をいただきました皆様に御礼を申し上げます。
世界は新型コロナ感染症の蔓延に見舞われていますが、それによって社会の課題が顕在化され、社会の変革が加速されると言われています。このことはこれからの社会の変化がますます加速されていくことを予期させるもので、社会の変化に沿って進める大学の変革の見通しも困難にさせるものとなります。そのような中で6年先を見通して策定する中期計画は時間の経過とともに時代にそぐわないものとなる覚悟をもって策定し、常に再検討する、すなわちPDCAサイクルを確実に回していくことがまず重要です。
しかし、その中でもブレずに実現して行かなければならないこともあります。そのひとつが、大学の教育研究環境の維持であり、開学から4半世紀を経た今、施設・設備の老朽化、陳腐化対策がより重要になっています。これには6年間で15億円を投じて計画的に実施していくことにしています。
また、本学は、地域に根差した大学として、地域をよく理解し、情熱をもって地域で活動する人材を育てていくという役割は不変です。このため、地域の課題を理解し、それを解決する実践的な教育の強化を図っていきます。これと同時に、地域の国際化が確実に進展することから、国際的な素養の涵養も重要なことです。そこで、語学、国際理解教育を充実していくこととし、両者を合わせて、グローカルな素養を持った人材の育成を目指していきます。なお、これらについてはその進展を測定するために、達成指標を置いています。例えば、本学が関わる形での学生の海外派遣を年間200人まで拡大することを目指すこととしました。これは、概ね、半数の学生が在学期間中に海外に行く規模となります。
デジタル化の進展も確実に起こっていくことです。このため、数理・情報教育の充実が求められています。現在、文部科学省は全大学生に対する教育充実を求めていますが、本学も着実にこれを実施していくことにしています。
第2期中期目標の期間中には、学び続ける力の涵養に焦点を当てて基盤教育の充実に取り組みました。これからさらに大きく変革する社会を生き抜いていく人材となるためには、課題を発見し、それを解決する力、そして学び続ける力を持つことが不可欠の要素です。このため、整備した基盤教育の更なる充実を図ることにしています。加えて、自発的に学ぶ環境の充実を図るとともに、答えのない課題の解決に挑戦する力をつけることを目指して、アントレプレナー教育を導入します。
宮城大学は、常に、時代を見据え、柔軟に姿を変えて、新たなことに取り組み、時代を見通した人材を輩出するとともに、社会に役立つ知識を生み出し、社会にこれを還元し、地域社会とともに地域の未来を切り開くことに力を尽くしていきたいと考えています。
これからも変わりないご支援ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
令和3年4月1日
宮城大学理事長兼学長
川上 伸昭
中期目標・中期計画に関する情報
第3期中期目標及び中期計画はこちらからご確認いただけます。