大学案内2024学長メッセージ
地方創生、そして地域からの発信を先導する実学人材育成拠点として
宮城大学は、1997年の開学以来、実学を尊重し、実践的な教育を行うことを信条として、社会で即戦力として通用し、社会環境の変化に迅速に対応できる人材の育成に取り組んでいる大学です。なかでも本学の理念の一つである「グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材」の育成は、地方創生が日本再生のキーとなっている現代社会において、ますます重要なミッションとなっています。
その背景としては、地球温暖化や新型感染症によるパンデミックなど地球規模での課題に直面する今日、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブなどをはじめとするSDGsの推進、これらを効率的に進める上で欠かせないデジタルトランスフォーメーション(DX)による持続可能でレジリエントな社会の構築が、喫緊の課題となっていることがあげられます。そして、これら課題の解決は、国レベルのみで成し遂げられるわけではなく、地域での取り組みが重要となることです。すなわち世界各地で展開されているスマートシティに見られるように、限られた地域内での成功事例を次第に広げていく過程に、世界は今、あります。地方創生、そして地域からの発信であり、それを担える人材が今まさに求められているのです。
宮城大学は、地域社会の発展と社会イノベーションにとって重要な3つの専門領域、すなわち事業や地域社会、さらにものづくり・ことづくりをデザインし構築する事業構想学群、食材の生産から加工、さらに供給に至る食システム全体を考えて食の未来を開拓する食産業学群、さらに地域でのヒューマンケアに関わる看護学群を擁しています。これら領域での社会的な課題と密接に関連した研究や社会との共創、そしてこれら実学に基づく人材育成を行っています。
大学での学びの土台となる基盤教育は、社会からの要請の変化を捉えて、AI やデータサイエンスへの対応力を高め、また、地域に根づいた人材育成を強化するカリキュラムを導入しています。食産業学群では食資源開発学類を生物生産学類に改組し、第一次産業を再び基幹産業として飛躍させる人材となるよう、スマート化、食農ビジネス、ゲノム育種など学際的で柔軟な学びができる新しいプログラムを導入しています。事業構想学群では、新たな仕事、事業をデザインし開拓していくアントレプレナーシップ教育に力を入れています。看護学群では、地域特性に根差す看護を展開できる人材育成のために、DX教材である360°コンテンツを活用した仮想地域「MYU-TOWN」を開発、教育に展開しています。また、都市集中型の超高齢社会で必要とされるテレナーシングに関するリカレント教育も行っています。
宮城大学は、地域課題を解決する研究と社会連携を推進し、これらに基づいた教育により地方創生とその発信を先導しうる人材を育成します。
宮城大学長
佐々木 啓一