大学案内2020学長メッセージ

時代とともに、変革し続ける学び場を。

今、世界は大きな変化の予兆に戸惑いを隠せずにいます。米中関係をはじめとした国際関係の変化や人工知能技術などが引き起こすイノベーションによる社会経済の変化などです。これらを見通すことは難しく、このメッセージを書いている今の私の認識が、このメッセージを読む時点の人々の認識と一致すると自信を持つことにすら困難を覚えます。大学はこういった変革の時代を生き抜くことのできる人材を育てていかなければなりません。
宮城大学は、開学以来、実学を尊重し、実践的な教育を行うことを信条としてきました。その結果、社会で役立つ多くの人材を輩出し、社会の発展に貢献をしてきました。しかし、このような社会の大きな変革を前にこれまでの教育のまま立ち止まっていては時代に取り残されることになります。
このため、2017年度から本学は大学の学びの土台となる基盤教育の充実に取り組んできています。必修科目群「フレッシュマンコア」を設け、少人数によるセミナー形式の授業等を通じて、豊かな人間性と学び続ける力を養います。このような土台の上に実践に基づく知識を身につけることで、社会で即戦力として通用し、かつ、将来にわたって環境変化に対応できる人材となる高い能力を持つことができます。
また、2018年度から、学生の自主的な学びを促進する新たな取り組みを開始しました。大学での学修は、教員が主導する課程に留まらず、自ら、または教員や他の学生とともに主体的・能動的に学ぶ姿勢が不可欠です。そのような学修を後押しするため、『ラーニング・コモンズ』をはじめとして、講義や演習・実習といった課程にとらわれない学修の場の提供を開始しました。まず、大和キャンパスにおいて4種類のラーニング・コモンズを整備し、引き続き、太白キャンパスにも拡げて、順次整備を行っていくことにしています。
さらに、2019年度内完成を目指して、大和キャンパスでは開学以来はじめてとなる新棟の建設を開始しました。過去、日本はものづくりの力によって発展をしてきましたが、様々な意味合いのデザイン力が競争力を左右する時代になり、日本経済の勢いがそがれています。こうしたことを踏まえ、新棟は、デザイン分野の教育研究環境を整えるものとしますが、キャンパス施設の床面積の拡大は、ことデザインに留まらず、太白キャンパスを含めた全学の教育研究環境の充実につながるものになります。
これらに留まらず、宮城大学は時代に沿った変革に果敢に取り組んでいきます。

(宮城大学大学案内2020、12頁寄稿分)

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