大学案内2022学長メッセージ

新たな視点を開拓する、実学の拠点として

社会は新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延に見舞われ、大変な困難に直面しました。2020年4月の緊急事態宣言発令により大学も閉鎖を余儀なくされ、本学では遠隔授業による年度開始となりました。他学では遠隔授業の受講環境が整わないところもありましたが、本学では全学生が学修用のPCを所持しているためにスムーズに開始することができました。これと同時に、アフターコロナも見据えて、ウイズコロナにおける安全な学修環境を整えるべく環境整備に着手し、後期は科目の特性に応じて遠隔と対面を組み合わせたハイブリッド方式による授業を行いました。
新型コロナウイルス感染症は多くの社会課題を顕在化させ、それに伴って社会変革が加速すると言われています。中でも地方への人口移動と社会のデジタル化の加速が新たな潮流として現れ始めています。
農業などの第一次産業もこの動きとは無縁ではありません。農山漁村の高齢化、食糧生産能力の減退への対応は待ったなしで、持続可能な第一次産業への変革が急務です。このような状況に対応して、食産業学群では2022年度から食資源開発学類を生物生産学類に改組します。ここでは、第一次産業を再び基幹産業として飛躍させる人材となるよう、スマート化、食農ビジネス、ゲノム育種など新しい視点を取り入れた学際的で柔軟な学びができる新しいプログラムを導入します。さらに、2017年度から全学において充実を図ってきた大学での学びの土台となる基盤教育について、2022年度からは、社会からの要請の変化を捉えて、AIやデータサイエンスへの対応力を高め、また、地域に根づいた人材育成を強化するカリキュラムを導入します。
2020年6月には、大和キャンパスとしては開学後初めて建設した建物である「デザイン研究棟」が竣工しました。これから急激な変革が余儀なくされている社会では、今日の事業を漫然と継続していくだけでは企業の存続は困難であり、新たな仕事をデザインし開拓していく精神を持った人材が求められます。デザイン研究棟は、全ての学生にデザイン思考を身につけてもらいたいと願い、その中核となることを企図して運営をしていくことにしています。
宮城大学は、開学以来、実学を尊重し、実践的な教育を行うことを信条として、これからの社会で即戦力として通用し、社会環境の変化に対応できる能力を持った挑戦意欲旺盛な人材の育成に取り組む大学です。

理事長兼学長 川上伸昭

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