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20.03.23
令和元年度卒業生・修了生の皆様へ(3月19日発信)
この度はご卒業・修了おめでとうございます。
教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
令和元年度の卒業生・修了生及び学位授与者は、看護学部100名、事業構想学部199名、食産業学部131名、看護学研究科13名、事業構想学研究科10名、食産業学研究科6名の計459名です。
贈る言葉ー令和元年度の卒業及び修了を祝してー 宮城大学長 川上 伸昭
宮城県知事 村井 嘉浩 様より御祝辞を賜りました
宮城県議会議長 石川 光次郎 様より御祝辞を賜りました
看護学部卒業生の皆様へ 看護学部長 原 玲子 よりお祝いのメッセージ
事業構想学部卒業生の皆様へ 事業構想学部長 風見 正三 よりお祝いのメッセージ
食産業学部卒業生の皆様へ 食産業学部長 西川 正純 よりお祝いのメッセージ
看護学研究科修了生及び学位を授与された皆様へ 看護学研究科長 原 玲子 よりお祝いのメッセージ
事業構想学研究科修了生の皆様へ 事業構想学研究科長 風見 正三 よりお祝いのメッセージ
食産業学研究科修了生の皆様へ 食産業学研究科長 西川 正純 よりお祝いのメッセージ
贈る言葉ー令和元年度の卒業及び修了を祝してー 宮城大学長 川上 伸昭
はじめに
この度、正規の課程を修了し宮城大学の卒業証書を授与される430名の皆様、大学院の学位記を授与される29名の皆様のこれまでの学生生活における努力に敬意を表し、本学の教職員を代表して卒業および修了を祝福します。また、これまで学生を育て、学生生活を支援していただいたご家族、関係者の皆様に御礼を申し上げるとともに、お祝いを申し上げます。
卒業証書授与式及び学位記授与式は、これまでの学修を振り返るとともに、ここに導いてくれた恩師に感謝をし、次のステップへの決意を新たにする機会であり、大学にとって極めて重要な行事です。加えて今年は本学の創立から20回目の卒業生を出す記念すべき年に当たります。この年に、式の開催を断念し、書面をもって皆様に言葉を贈ることになるのは大変残念です。
災後の経験を活かす
今年も数日前に忘れることのできない日、3月11日を迎えました。東日本大震災から早くも9年の歳月が流れたことになります。津波に襲われた沿岸部の地域では、この数年で再び大きく姿を変え、人々が戻って新たな活動の地となったところも多くあります。震災から9年の歳月を経て、復興は一歩一歩と歩みを重ねてきています。ところが、昨年は台風19号による水害が東日本各地を襲いました。宮城県でも多くの市町村が被害に遭い、犠牲となる方も出ました。次々と襲ってくる自然災害、そして今、新型コロナウイルス感染症の大流行も新たな災害と言うべき状況にあります。災害は忘れた頃にやって来るのではなく、繰り返しやってくる状況にあると言えます。
かつて人類は災害時に如何に生き延びるかを考え、続いて、災害を防ぐ術を考えました。しかし、東日本大震災では災害を防ぐという人間の知恵の無力を思い知ることになり、災害をやり過ごし、如何に平穏な生活を取り戻すかという災後の活動の重要性を知ったのです。
皆様は東日本大震災の災後に繰り広げられてきた様々な取り組みを見ながら成長してきたので、この記憶と経験は災害が常態化したこれからの社会を生き抜く糧となるものと信じます。
SDGs実現の担い手に
世界は災害に限らず様々な課題を抱えています。国連は、2015年9月に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択し、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」、いわゆるSDGsを掲げました。最近、17色に塗り分けられたリング状のロゴを見る機会が増えてきているので知っている人も多いと思います。
SDGsは、地球上のだれ一人も取り残すことなく持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するために設けられた、全ての国と地域に適用される普遍的な目標です。国連の決定を受け、わが国は、アクションプラン2018を策定し、SDGs達成に向け、3つの方向性を示して取り組みを始めていますが、そのうちの2つは、SDGsを原動力とした地方の創生や強靭で環境に優しいまちづくりと、SDGsの担い手となるよう若者と女性のエンパワーメントを図ることとされています。東北という世界の課題先進地域で学んだ若者である皆さんは、真にSDGs達成の担い手として期待されるものです。
今、SDGsへの取り組みを宣言する企業、団体が続々と現れ、SDGsを意識した活動を掲げています。皆さんは、これまで得てきた知識と経験をもとに、自信を持って、大いに力量を発揮していただきたいと思います。
Society5.0時代に求められる人材と本学の教育
昨春、日本経済団体連合会と大学が連携して作った産学協議会が、これからの社会に必要とされる人材像をまとめました。そこでは、文理の枠を超えた学びによって築かれる論理的思考力を土台に持ち、現実社会の課題解決に取り組んで得た課題解決力と、社会を構想して設計するというデザインする力を備えた人材に期待が寄せられています。宮城大学の実学を旨として実践的な教育を受けてきた皆様はこのような新たな人材像にかなったものと考えます。Society5.0が顕わすこれからの社会への移行は社会構造の大きな変化を生むことになります。すでに年功序列を伴った終身雇用という従来の日本企業の人事慣行は存続の瀬戸際にあり、今の仕事と雇用が今のまま続くとは保証されません。それまでとは異なった新しい仕事に就かなければならない時には新たな知識や技能の習得が必要とされます。したがって、大学から旅立つ今日は、生涯続く学びの入り口に立ったものとみなければなりません。生涯を通じた学びがこれからの人生を切り拓き、豊かな生活をもたらすのです。
おわりに
本年の学部卒業生のなかには、宮城県外に就職し、宮城県から居を移す人も多くいます。
仙台、宮城、そして東北地方は、人々の心の温かみを感じる場所であり、豊かな自然に囲まれ、発展への潜在力を有する地域です。将来、再び宮城県に戻り、就職をしよう、起業をしようという時に、宮城大学は皆様を歓迎し、力になります。
最後になりますが、宮城大学における学生生活を満喫し、課程を無事修了し、これから社会に向かう卒業生、修了生の皆様、宮城大学とのつながりはこれで切れるものではありません。これからも宮城大学は必要な時にできる支援をしていきたいと思います。
本日の善き日にあたり、改めてお祝いを申し上げ、人生の門出を迎えた皆様へのはなむけといたします。
令和2年3月19日
宮城大学長
川上 伸昭
祝辞 宮城県知事 村井 嘉浩 様
卒業証書・学位記を授与されます459人の皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げますとともに、これまでの努力と研さんに対しまして深く敬意を表します。また、卒業生・修了生の皆様を今日まで支え、温かく見守ってこられた御家族の皆様には、お喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝い申し上げます。
この度、卒業証書・学位記授与式がやむなく中止となり、この晴れの日を心待ちしておられた皆様におかれましては、大変心を痛められていることと存じます。
私も、卒業生・修了生の皆様の誇らしい姿を拝見し、直接お祝いを申し上げることが叶わず、残念に思っておりますが、今は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力を尽くすべき時であり、皆様と御家族の健康を守ること、感染症のまん延を防止することが、何より優先されるべきということを、皆様には御理解いただきたいと考えております。
大学の外の動きに目を向けますと、新型コロナウイルスのみならず、台風や地震など自然災害の脅威の増大など、国内外を問わず、先の見通しがつきにくい情勢が続いております。
そのような中、卒業生・修了生の皆様の多くはこれから、あるいは企業へ、あるいは医療機関などへと、一人の社会人として、県内外の各地に活躍の場を移すことと存じます。
皆様は、これまで宮城大学で蓄積した学修の成果を発揮できることに、大きな希望を抱いていることと思いますが、その一方で、これから経験することとなる一つ一つの出来事が、まぎれもなく新たな学びとなることを、心にとどめてください。
そのような日々を積み重ねていくうちには、意に反してなかなか自分の思い通りにいかなかったり、つらい思いを味わうことがあるかもしれません。
そのような時、どうか皆様には、共に学んだ友人たちとともに、看護実習で初めて患者さんと接したこと、行政や企業、地域の方々に自己の考えをプレゼンテーションしたこと、研究や作業の成果をかたちにするため、時によってはキャンパスに缶詰めになって仕上げたことなど、この大学で一生懸命取り組んだことを思い出し、初心に立ち返っていただきたいと思います。先生方の薫陶を受け、この宮城大学で鍛えた力で、皆様が幾多の困難を乗り越えていけることと、かたく信じております。
また、東日本大震災の発生から9年の歳月が経過いたしますが、宮城大学には、様々な形で震災復興に御尽力いただいており、皆様にも、被災地でのボランティア活動や地域の復興支援など、多くのお力添えをいただきました。県民を代表しまして心から感謝を申し上げます。
宮城県震災復興計画における計画期間も残すところあと1年余りとなり、復興の総仕上げに全力で取り組んでおりますが、引き続き、心のケアの充実や地域コミュニティづくりの支援など、復興期間後も見据えた取組を進めていく中で、皆様がこの宮城大学で培った力が必要となってきます。どうか、これからも息の長い被災地への支援をお願い申し上げます。
結びに、新しいスタートラインに立つ皆様の今後ますますの御活躍と、宮城大学の更なる飛躍を祈念申し上げまして、祝辞といたします。
令和2年3月19日
宮城県知事
村井 嘉浩
祝辞 宮城県議会議長 石川 光次郎 様
お祝いのことば
卒業生並びに大学院修了生の皆さん、御卒業および修了、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げますとともに、この晴れの日を迎えるまでの皆さんの弛まぬ努力に深く敬意を表します。
また、これまで学生生活を支えていただいた御家族の皆様方をはじめ、関係の皆様方にも重ねてお喜びを申し上げます。
さて、今日の日本は、高齢化や人口減少、グローバル化の進行、AIやIoTなどをはじめとする技術の飛躍的な進歩と普及により、社会が大きく変動しており、次世代を担う人材には、国際的な広い視野と柔軟な発想、より高度で多様なニーズに即応できる能力が求められております。
また、東日本大震災から9年が経過した本県では間もなく震災復興計画期間の最終年度を迎え、復興の総仕上げに向け、各種施策に取り組んでいるところですが、宮城県のさらなる発展を実現させるためには、将来を担う皆さんの力が必要であります。
中には活躍の場が県外となる方もいらっしゃるかと思いますが、どの地においても震災の記憶を風化させることなく、宮城県を想いながら、それぞれの形で社会に貢献していただくことを願っております。
これから皆さんは、新たな人生の第一歩を踏み出し、様々な出会いを経験する中で、時には悩み迷うこともあるかと思います。
しかし、いかなる状況にあっても、これまでの学生生活を通じて得た貴重な経験や、大学の建学理念であるホスピタリティ精神とアメニティ感覚を胸に、自分の進むべき道を切り拓き、各分野において御活躍されますことを心から期待しております。
結びに、これから新たに始まる皆さんの人生が健康と幸福に恵まれ、素晴らしい光に満ち溢れることを祈念いたしまして、お祝いのことばといたします。
令和2年3月吉日
宮城県議会議長
石川 光次郎
看護学部卒業生の皆様へ 看護学部長 原 玲子
陽の光の強さに、今年も春の訪れを感じる頃となりました。宮城大学において、学士(看護学)の学位を授与された皆様、ご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためとはいえ、皆様にとって一生に一度の卒業式が中止となってしまい、とても残念な思いをされているだろうと忍びないです。キャンパスの大階段を眺めると、皆さんの華やかで楽しそうな笑い声が聞こえてくるようです。
思い起こせば、入学当初、90分の授業が長くて、集中することに苦労しました。ナーシングラボでは、何度も何度も看護技術の練習をしました。臨地実習では、患者さんのその人らしさを尊重しつつ、抱える健康問題に対し、よく見て、聴いて、触れてみて、自分の中の知識をフル活動させて、不足があれば調べて、看護過程を展開しました。そして、4年間の課程を経て、看護専門職としてのスタートラインに立ちました。
今、宮城大学を卒業します。しかし、「人間の尊厳を基盤にした、ヒューマンケアを中核にした看護」という命題の探求はこれからが本番です。社会人となっても「学び続ける心」を持ち、先輩たちが築いてきた「宮城大学」のブランド力を味方につけて、たくましく前を向かって歩いていけるように応援し、お祝いのメッセージといたします。
令和2年3月19日
看護学部長
原 玲子
事業構想学部卒業生の皆様へ 事業構想学部長 風見 正三
卒業生の皆様、この度は、ご卒業おめでとうございます。
この度、宮城大学事業構想学部の全課程を修了し、卒業証書を授与される199名の皆様、本日の新たな旅立ちを祝して、学部を代表し、お祝いの言葉を贈りたいと思います。
本年度、新型コロナウイルス感染症の影響で卒業式が挙行されなくなったことは、教職員一同、大変残念に思っております。この晴れの日を共に過ごせないことは寂しいことですが、今は、この感染を最小限に食い止めることに努めながら、宮城大学での様々な思い出を振り返り、これから始まる新たな旅路への決意をしていく日としましょう。
宮城大学での学びの時間はいかがでしたか。入学した当時の講義の新鮮さ、新たな師や友との出会い、青春をかけたサークル活動、ゼミナールでの研究討論や視察、そして、卒業論文、修士論文、博士論文に取り組んだ日々、人生を語り、未来を模索した日々、そして、今、その集大成として、卒業・修了の日にたどり着きました。そのすべての思い出の上に今の自分があり、これからがあります。
ここまで、様々なご支援を頂いた、ご家族や恩師、教職員、学友、研究調査でお世話になった方々など、すべての方々に改めて感謝の意を表し、それらを礎に、自らの学びを深め、社会に貢献していく出発点としましょう。
今年は、甚大なる被害を与えた東日本大震災の発生から9年が経過します。宮城大学も震災直後から様々な自治体の震災復興を支えてきました。そして、震災復興は未だ完了しているとはいえませんが、東北は、大震災を超えて、東北の真なる豊かさを展望する時期にきています。今こそ、皆さんが学んだ「事業構想学」の視点を活かすべき時が来ています。
地域の魅力を発見し、それらを有機的に連鎖させ、地域に根付いた新たな産業を創生し、次世代の社会をデザインし、持続可能な社会を創造していくことが「事業構想学」の使命です。今日の良き日、新たな旅立ちをしていく皆様には、その学びを基盤とし、社会での様々な経験を積み重ねながら、より良い社会の実現に邁進してほしいと思います。
今、世界は大きな変革期に直面しています。皆様の旅立つ世界は必ずしも平坦な道ではないかもしれません。しかし、いつの時代も、時代の先端をいく者は、未来を予見し、そこから、時代を切り拓く構想を生み出し、社会を善なるものに導いてきました。
現在、地球規模での環境問題から地域経済の衰退、少子高齢化時代の到来やAI等の進展による産業構造の変化など、様々な課題に直面する中で、それらを解決する新たなチャレンジも進められています。地球的な視野からの事業創造、地域の魅力の再構築やコミュニティデザイン、持続可能な社会システムの創造など、事業構想学を学んだ皆様の活躍の場は広がっていくでしょう。さらに、修士・博士の学位を取得した皆様は、研究者としてのさらなる成長と発展が期待されています。皆様には、より専門的な立場から社会を変えていくプロフェッショナルへの道を進んでいってほしいと思います。
アイルランド出身の劇作家であるバーナード・ショーは、近代演劇を確立した偉人であり、1925年にノーベル文学賞を受賞し、私の母校でもある英国ロンドン大学のLondon School of Economics and Political Science(LSE)の創設に尽力し、経済学の発展に寄与しました。
彼は、人生について、このような言葉を残しています。
Life isn’t about finding yourself. Life is about creating yourself.
(George Bernard Shaw, 1856~1950)
「人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである。」
人生とは、まさに、「事業構想」であり、社会をより良いものにしていくために、自らができることを創造していくことです。皆様の人生には、様々な課題やチャンスが待っていることでしょう。それらに真っ直ぐに向かい、自分自身を生み出していくこと、それが、人生であり、そのアプローチには、「事業構想学」の精神が必ず役に立っていくでしょう。
そして、これから、人生における分岐点に立った時や道に悩んだ時、目標を成就した時や喜びに満ちた時、宮城大学を思い出し、その挑戦の道程や成果を語りにきてください。宮城大学は、いつも、皆様を応援し、支えています。
宮城大学での学びを、いつも、皆様の原点として、心に留めておいてください。
本日、「事業構想学」という独創的な学問を修め、新たな旅立ちを迎える皆様の豊かな学びの日々に賞賛を贈りつつ、ここから始まるそれぞれの世界での挑戦と栄光の日々を願って、祝辞といたします。
共に、東北から世界を変えていく原動力となっていきましょう。
令和2年3月19日
事業構想学部長
風見 正三
食産業学部卒業生の皆様へ 食産業学部長 西川 正純
食産業学部を卒業される皆さん、ご卒業おめでとうございます。本学部の教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
皆さんにとって食産業学部で過ごした大学生活はいかがでしたでしょうか。楽しかったこと、苦しかったこと、困難に直面したこと、そしてそれを乗り越えた喜びなど、さまざまな思いが蘇ってくるのではないでしょうか。その思いは、実は皆さんの成長の証でもあります。また、素晴らしい友人もたくさんできたことでしょう。その友人は一生の財産となります。これらのことを胸に社会へ羽ばたいて頂ければと思います。それに加えて、皆さんを長い間皆さんを暖かく支えてくださった、ご両親やご家族への感謝の気持ちも忘れないでください。
さて、皆さんはこれから社会人として独り立ちするわけですが、自分でお金を稼ぎそして自由に使うことのできるとても素晴らしい生活が待っています。とても楽しみですね。とは言いましても、実社会はそんなに甘くない面も多々あります。それでも、皆さんはこれまでこの食産業学部で培った経験や学びを活かして、失敗を恐れず自信を持って突き進んでください。社会の壁は必ずや乗り越えられると信じております。それでも、それでも、迷ったり、挫けたり、どうしようもなくなったりすることもあるでしょう。そんな時は、遠慮せず我々を頼ってください。この食産業学部は皆さんの故郷なのです。いつでも扉を開けて待っております。
皆さんの末永いご多幸と社会でのご活躍をお祈りしております。
もう一度、卒業おめでとうございます!
令和2年3月19日
食産業学部長
西川 正純
看護学研究科修了生及び学位を授与された皆様へ 看護学研究科長 原 玲子
今年も、桜のたよりが聞かれる季節となりました。宮城大学大学院看護学研究科において、博士(看護学)、修士(看護学)の学位を授与された皆様、おめでとうございます。心から、お祝い申し上げます。卒業式並びに修了式の中止は新型コロナウイルス感染拡大防止対策であると理解していても、直接お会いしてお話しできないことがとても残念でなりません。
さて、皆様は、仕事をしていての物足りなさ感やモヤモヤ感など、ぞれぞれのキャリアミストの中で、大学院で学ぶことを選択して、その一歩を踏み出しました。が、入学後は「覚悟はしていたけれど、こんなに大変だったのか」などと、ほんの少し後悔しながらも、前に向かって進んできました。そして、看護現場における様々な課題解決の方向性を探索し、研究計画書を作成し、導き出された成果を学位論文として仕上げました。その努力の日々は、ご自身の中に眠っていた能力を引き出し、一人一人の中に大きな糧となっています。
学位の取得は、ゴール地点ではなく、ご自身のキャリアの通過点です。本学では、「学び続ける」を学修の基盤においています。今後は、ご自身が学び続けることはもちろん、後輩の学びに対しても支援していただけたらと思います。そして、これからも共に、看護の発展に貢献したいという思いをお伝えしお祝いのメッセージといたします。
令和2年3月19日
看護学研究科長
原 玲子
事業構想学研究科修了生の皆様へ 事業構想学研究科長 風見 正三
修了生の皆様、この度は、おめでとうございます。
この度、宮城大学大学院事業構想学研究科の全課程を修了し、学位記を授与される10名の皆様、本日の新たな旅立ちを祝して、研究科を代表し、お祝いの言葉を贈りたいと思います。
本年度、新型コロナウイルス感染症の影響で卒業式が挙行されなくなったことは、教職員一同、大変残念に思っております。この晴れの日を共に過ごせないことは寂しいことですが、今は、この感染を最小限に食い止めることに努めながら、宮城大学での様々な思い出を振り返り、これから始まる新たな旅路への決意をしていく日としましょう。
宮城大学での学びの時間はいかがでしたか。入学した当時の講義の新鮮さ、新たな師や友との出会い、青春をかけたサークル活動、ゼミナールでの研究討論や視察、そして、卒業論文、修士論文、博士論文に取り組んだ日々、人生を語り、未来を模索した日々、そして、今、その集大成として、卒業・修了の日にたどり着きました。そのすべての思い出の上に今の自分があり、これからがあります。
ここまで、様々なご支援を頂いた、ご家族や恩師、教職員、学友、研究調査でお世話になった方々など、すべての方々に改めて感謝の意を表し、それらを礎に、自らの学びを深め、社会に貢献していく出発点としましょう。
今年は、甚大なる被害を与えた東日本大震災の発生から9年が経過します。宮城大学も震災直後から様々な自治体の震災復興を支えてきました。そして、震災復興は未だ完了しているとはいえませんが、東北は、大震災を超えて、東北の真なる豊かさを展望する時期にきています。今こそ、皆さんが学んだ「事業構想学」の視点を活かすべき時が来ています。
地域の魅力を発見し、それらを有機的に連鎖させ、地域に根付いた新たな産業を創生し、次世代の社会をデザインし、持続可能な社会を創造していくことが「事業構想学」の使命です。今日の良き日、新たな旅立ちをしていく皆様には、その学びを基盤とし、社会での様々な経験を積み重ねながら、より良い社会の実現に邁進してほしいと思います。
今、世界は大きな変革期に直面しています。皆様の旅立つ世界は必ずしも平坦な道ではないかもしれません。しかし、いつの時代も、時代の先端をいく者は、未来を予見し、そこから、時代を切り拓く構想を生み出し、社会を善なるものに導いてきました。
現在、地球規模での環境問題から地域経済の衰退、少子高齢化時代の到来やAI等の進展による産業構造の変化など、様々な課題に直面する中で、それらを解決する新たなチャレンジも進められています。地球的な視野からの事業創造、地域の魅力の再構築やコミュニティデザイン、持続可能な社会システムの創造など、事業構想学を学んだ皆様の活躍の場は広がっていくでしょう。さらに、修士・博士の学位を取得した皆様は、研究者としてのさらなる成長と発展が期待されています。皆様には、より専門的な立場から社会を変えていくプロフェッショナルへの道を進んでいってほしいと思います。
アイルランド出身の劇作家であるバーナード・ショーは、近代演劇を確立した偉人であり、1925年にノーベル文学賞を受賞し、私の母校でもある英国ロンドン大学のLondon School of Economics and Political Science(LSE)の創設に尽力し、経済学の発展に寄与しました。
彼は、人生について、このような言葉を残しています。
Life isn’t about finding yourself. Life is about creating yourself.
(George Bernard Shaw, 1856~1950)
「人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである。」
人生とは、まさに、「事業構想」であり、社会をより良いものにしていくために、自らができることを創造していくことです。皆様の人生には、様々な課題やチャンスが待っていることでしょう。それらに真っ直ぐに向かい、自分自身を生み出していくこと、それが、人生であり、そのアプローチには、「事業構想学」の精神が必ず役に立っていくでしょう。
そして、これから、人生における分岐点に立った時や道に悩んだ時、目標を成就した時や喜びに満ちた時、宮城大学を思い出し、その挑戦の道程や成果を語りにきてください。宮城大学は、いつも、皆様を応援し、支えています。
宮城大学での学びを、いつも、皆様の原点として、心に留めておいてください。
本日、「事業構想学」という独創的な学問を修め、新たな旅立ちを迎える皆様の豊かな学びの日々に賞賛を贈りつつ、ここから始まるそれぞれの世界での挑戦と栄光の日々を願って、祝辞といたします。
共に、東北から世界を変えていく原動力となっていきましょう。
令和2年3月19日
事業構想学研究科長
風見 正三
食産業学研究科修了生の皆様へ 食産業学研究科長 西川 正純
食産業学研究科を修了される皆さん、修了おめでとうございます。本研究科の教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
皆さんにとって食産業学研究科で過ごした大学院生活はいかがでしたでしょうか。毎日寝食を忘れて夜遅くまで研究に没頭した日々、仲間と同じ釜の飯を食べながら思い悩んだ日々、もがき苦しみながらも素晴らしい結果が出た時の喜び、はたまた、研究の進め方や結果に納得が行かず、教員と夜遅くまで熱く議論したこと、さらに、自分の研究のみならず後輩の卒論まで面倒を見ないといけなかったことなどなど、さまざまなことが思い出されてくるのではないでしょうか。それでよいのです。皆さんは研究科修了ということで、社会では指導的な立場で仕事をする場面が多くなります。この食産業学研究科での経験は、必ずや皆さんの人生にとって役立つはずです。
また、皆さんは学問の専門性を高める意義についても理解したのではないでしょうか。一つの研究を深く探求し解決していく手法を学んだのではないでしょうか。ここまでくればもう怖いものはありません。一つを極めれば他は自ずと理解できるものです。自信を持って進んでいってください。とは言っても、実社会はそんなに甘くない面も多々あります。どうしても、どうしても壁を乗り越えられないときは、遠慮せず我々を頼ってください。この食産業学研究科は皆さんの故郷なのですから。それから、社会に出るといずれは博士の学位に興味が出てくる日があるかと思います。その時は、もう一度この門を叩いてください。教員一同待っております。
皆さんの末永いご多幸と社会でのご活躍をお祈りしております。
もう一度、修了おめでとうございます!
令和2年3月19日
食産業学研究科長
西川 正純