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24.03.19

3/19,2023年度(令和5年度)卒業証書・学位記授与式を行いました

2023年度(令和5年度)宮城大学卒業証書・学位記授与式を3月19日(火)に大和キャンパスの講堂にて行いました。
今年度は4年振りに全学群・学部及び研究科が一堂に会しての開催となりました。

今年度の卒業生・修了生は,看護学群98名,事業構想学群203名,食産業学群・食産業学部124名,看護学研究科6名,事業構想学研究科6名,食産業学研究科17名および博士(食産業学)の学位授与者1名の計455名でした。式では,各学群卒業生・大学院修了生の代表者に,佐々木学長から卒業証書・学位記がそれぞれ授与されました。

卒業生,修了生の皆様,誠におめでとうございます。

2023年度(令和5年度)3月宮城大学卒業証書・学位記授与式 学長式辞
宮城県知事 村井 嘉浩 様より御祝辞を賜りました
宮城県議会議長 髙橋伸二 様より御祝辞を賜りました

式典画像1

式典画像2

式典画像1

式典画像2


2023年度(令和5年度)3月
宮城大学卒業証書・学位記授与式 学長式辞

はじめに

本日ここに,宮城大学から晴れて学士の学位を授与された425名の皆さん,修士の学位を授与された27名の皆さん,博士の学位を授与された3名の皆さん,ご卒業,ご修了,おめでとうございます。宮城大学を代表して,心よりお祝いを申し上げます。

また,この間,皆さんがこの日を迎えることを心待ちにし,皆さんをさまざまな形で支えていただきましたご家族,そして関係者の皆様にも,お慶びを申し上げます。また御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症による影響

さて,2019年の秋,中国から始まった新型コロナウイルス感染症はあっという間にパンデミックとなり,2020年に入ってからは,わが国でも猛威を振るい始めました。皆さんの学生生活はコロナへの挑戦の日々と共にありました。

特に学群を卒業された皆さんにとっては,入学式は中止,授業開始も延期され,オンラインでの授業となりました。本学での学びの大きな特徴である地域フィールドワークの実践も叶いませんでした。幸いにも本学では,後期から対面授業を再開しましたが,昨年5月のコロナ感染症の5類移行まで,課外活動などさまざまな面で,活動が制限された学生生活となってしまいました。修士,博士の皆様も,ご苦労されたことと思います。

皆さんにとってかけがえのない月日が,このようになってしまったこと,大変申し訳なく,また心が痛みます。それでも昨年5月以降は,コロナ前とほぼ変わらぬ大学生活を送れたことは,せめてもの救いです。

新型コロナ感染症とVUCAの時代

そして今,皆さんは宮城大学を巣立ちます。さまざまな思いが胸の中に去来していることでしょう。ここで,これから皆さんが生きていく時代について考えてみます。

コロナ・パンデミックは,人類にとっての大きな試練でした。しかし,素早い治療薬やワクチンの開発,ICTを用いた感染拡大防止への取り組みなど,世界は英知を持って克服しました。また,感染拡大下で,WebやICTを駆使した社会のDXは飛躍的に進歩しました。

一方,平和維持の構図にほころびが生じ,ウクライナやパレスチナで戦争が勃発し,未だ終息への道筋も見えていません。そして,このような国際情勢の変化は,石油や食料,木材などの原材料,さらには半導体などの工業製品の供給にも影響を及ぼし,これらを輸入に頼る我が国は,特に大きな影響を受けています。地方の小さな企業も例外ではありません。

さらに地球温暖化による水害や火災などの災害が多発しています。加えて我が国は多くの地震に見舞われています。この元旦の能登半島地震でも多くの方々が犠牲となり,被災した方々は未だ苦しい生活をしています。南海トラフ地震,そして東北太平洋側での再びの地震発生も不可避です。

皆さんはこのような先行きの見えない不確実な時代,いわゆるVUCAの時代に生きています。AIを含めたDX,さらにはグリーントランスフォーメーション:GXがさらに加速し,生活や仕事,そして人々の価値観が大きく変わります。

VUCAの時代に求められるもの

VUCAの時代,誰も将来を予測できませんが,今後,社会で生きていくうえで,私どもに求められる能力は何でしょう。それは「総合知」と「実践力」だと,私は思います。

総合知は,融合知,集合知と言ってもよいかもしれません。現代では知識・技術の進歩とともに学問の専門領域の境界が不明瞭になり,文系と理系の融合も進んでいます。一方で,個別の専門性はより先鋭化,高度化しています。そのため幅広い知識を持って物事を捉え,総合的に理解すること,そして,そのうえで,求められる専門性を自ら身に付けていくことが必要となっています。

企業やいろいろな事業体,保健医療の世界など,皆さんが進まれる環境においてもこのような変革は既に始まっています。IT企業の社長やAIビジネスの方が文系出身であることは珍しくありません。自ら学修できる力は総合知には大切な要素です。また,国際的な情勢と私どもの生活,仕事が密接に関連する今,どんな課題を考える際にも,国際的な感覚,国際力が必要となります。

実践力は何らかを企画し,実行,完遂する力です。このとき,言うまでもなく課題を見極め,解決する方策を,総合知を持って立案しなければなりません。

宮城大学で得たコンピテンシー

これらは「文理融合の集合知」,「グローバルな視点」,「実学に裏付けられた実践」,「課題探求と課題解決」とも言い換えられます。皆さんにとっては,いずれも,とても慣れ親しんだ言葉ではないでしょうか。

宮城大学は,1997年の開学以来,「高度な実学に基づいた確かな実践力,グローバルな視点」を理念に,教育研究を推進してきました。コロナ禍においても,内容をチューンしながら懸命に教育をしてきました。今の時点ではあまり実感はないとは思いますが,皆さんは確実に「宮城大学での幅広い学び,実践を重視した学び」を身に付けています。皆さんの先輩方を見るたびに感じますし,先輩方の就職先の方々からも,その旨の評価をよく聞きます。

皆さんは「幅広い知識に立脚した課題探求と課題解決を実践できる」,「いろいろな専門知識を自ら学修できる」というコンピテンシーを獲得しています。また,宮城大学ならではの地域や生活に密着した課題での卒業論文あるいは卒業製作を全うしました。これは「やり遂げることができる」という最も大切なコンピテンシーです。皆さんは,時代に求められる,これらのコンピテンシーを身に付けているのです。自信を持って社会に羽ばたいてください。

宮城大学コミュニティの一員として 

そして最後になりますが,皆さんは,今までも,そしてこれからも,この宮城大学コミュニティのメンバーです。本学のさらなる発展には,同窓会を中心に本学に関わる方々の力の結集が必要です。皆さんには是非,宮城大学コミュニティの一員として,母校とともに社会の発展に向けて貢献していただければと思います。

終わりに

皆さんが,このVUCA時代に,そして将来にわたって宮城,日本,世界で大いに活躍されていることを心から期待し,私の式辞といたします。

本日は,誠におめでとうございます。

令和6年3月19日
宮城大学長
佐々木 啓一


祝辞 宮城県知事 村井 嘉浩 様

本日,令和五年度宮城大学卒業証書・学位記(がくいき)授与式が厳粛に挙行されますことを,心からお慶び申し上げます。

ただいま,卒業証書及び学位記を授与された卒業生,修了生の皆さん,誠におめでとうございます。
それぞれの志に向け旅立とうとされる皆さんを前にして,この日まで長きにわたってみなさんを支えてこられた御家族の方々や先生方の感慨もひとしおなるものがありましょう。皆さんもまた,これから始まる希望に満ちた新生活に胸の高まりを抑えきれないことと思います。

皆さんの学生生活は,新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行のため,多くの制約の中での生活を余儀なくされました。慣れない環境の中で,不安な思いをされることも数多くあったことと思いますが,困難な環境の中で,勉学に励まれ,今日の卒業式を迎えられたことに敬意を表し,心よりお祝いを申し上げます。

さて,我が国では,国内外の歴史的・構造的な変化と課題に直面しています。
世界においては,ロシアによるウクライナ侵攻など,国際情勢が一段と不安定化し,世界経済の下振れリスクへの対応や,エネルギーや食料,半導体などにおけるサプライチェーンの再構築など,世界的な課題への対応が求められております。

また,国内においては,急速に進行する少子化においても持続可能な社会を実現できるよう,若い世代が将来に希望を持ち,安心して子供を産み育てることのできる環境の整備や,一人一人がデジタル化の恩恵を受けられる社会づくり,気候変動に伴う災害に対する防災・減災など,多くの課題に直面しています。
このような中,東日本大震災の被災地にあり,「実学主義」を建学の理念に掲げるこの宮城大学で,専門的な知識と技術を身につけた皆さんに対しては,震災復興への貢献はもとより,地域における医療を支え,社会に新たな価値を創造し,産業の未来を切り拓く人材として,大きな期待が寄せられているところであります。
皆さんの御活躍は,宮城大学の評価を高め,御自身の宮城大学卒業生としての誇りをさらに確固たるものとすることでしょう。

皆さんの前途には,時に困難が立ちはだかり,思い悩むこともあるかもしれません。そんな時には是非,自らを成長させる絶好の機会と前向きにとらえ,宮城大学での学びを糧に,臆することなく,精一杯,力をしぼり,知恵をしぼり,新たな道を切り拓いていっていただきたいと思います。

結びになりますが,皆さんの今後益々の御活躍と,宮城大学の発展とさらなる飛躍,並びに本日御出席の皆様の御健勝と御多幸を心から御祈念申し上げまして,あいさつとさせていただきます。

令和6年3月19日
宮城県知事
村井 嘉浩


祝辞 宮城県議会議長 髙橋伸二 様

本日ここに,令和五年度 宮城大学 卒業証書・学位記授与式が挙行されるに当たり,県議会を代表いたしまして一言お祝いを申し上げます。

卒業生並びに大学院修了生の皆さん,御卒業誠におめでとうございます。また,今日まで熱意を持って指導に当たられました先生方をはじめ,関係の皆様に対しまして,深く敬意を表しますとともに,この晴れの日を迎えられました御家族の皆様方にも,心からお慶び申し上げます。

さて,皆さんは入学以来,三年余りに及ぶコロナ禍での行動制限等,苦しい学生生活を乗り越えながら,日々,勉学に励むとともに,多くの出会いや経験を通じて,自らの可能性を大きく広げられてきたことと思います。

昨年,新型コロナウイルス感染症は五類感染症に移行され,我が国の社会経済活動は正常化が進みつつありますが,人口減少や少子高齢化,地方の過疎化等,解決すべき様々な課題は山積しており,次世代を担う人材には,より柔軟な発想と,多様なニーズに臨機応変に対応できる能力が求められております。

こうした状況の中,この宮城大学において,高度な専門知識と実践的能力を併せて身に付けられたであろう皆さんの若い力は非常に重要であり,皆さんが,社会で即戦力として活躍し,地域社会の発展に貢献してくださることを願っております。

卒業生・修了生の皆さんはこれから,それぞれ希望に満ちた新しい世界へ,その第一歩を踏み出すこととなります。この先,時には悩み,迷うことも多々あろうかと思います。

しかし,いかなる状況にあっても,これまでの学生生活で得た知識や貴重な経験を胸に,自分の進むべき道を切り拓き,各分野において活躍されますことを心から期待しております。

結びに,宮城大学の限りない御発展と,御臨席の皆様方のますますの御健勝・御活躍を祈念いたしまして,お祝いの言葉といたします。

令和6年3月19日
宮城県議会議長
髙橋 伸二

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