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23.06.05
食産業学群 須田教授が坪沼農場で筑波大学附属駒場中学校へ「総合的な学習」の指導を実施
2023年5月18日(木)に宮城大学太白キャンパス坪沼農場で、食産業学群の須田 義人教授が筑波大学附属駒場中学校3年生へ「総合的な学習」の指導を行いました。
坪沼農場で牛舎等を見学、実際に牛に触れて学ぶ、体験学習
生徒は「宮城の畜産には伝統・技術によりどのような工夫がされているのだろうか」をテーマに「総合的な学習の時間」で研究を進めており、動物遺伝育種学等を専門とする宮城大学食産業学群の須田教授を取材するために来学しました。
当日は、まずは実際に牛を目で見て、手で触れながら学んでもらうために、坪沼農場の牛舎や豚舎を案内し見学してもらいました。生徒は、牛が食べる牧草やサイレージの香りをかいだり、牛に触れて、豚も見学しながら、宮城の畜産ではどのようにして美味しい食肉を作っているのか、牛と豚で研究や開発手法の違いはあるのか等について説明を受けました。
模擬講義でレクチャー後、食味を体験
牛舎や豚舎の見学後には、約30分程の模擬講義を受講しました。
世界の牛肉、肉牛の種類や、黒毛和牛の育て方と霜降りの関係性、肉の美味しさに影響する成分等について、大学で講義されている専門的な水準で学びました。
生徒から積極的な質問を受け、特に畜産業の環境に対する負荷と対策、そして我が国の畜産業の未来について等を須田教授が分かりやすく丁寧に答えたことで、より一層研究するテーマへの理解を深めることが出来ました。
模擬講義の最後に、実際に仙台牛とアメリカ産アンガス牛の食味などの違いを消費者型官能検査法で比較しました。
その結果、仙台牛がジューシーさや柔らかさ等の多くの項目でアメリカ産牛より優れているという結果で、仙台牛の美味しさを改めて実感できました。
また、この結果は仙台牛の生産に関わる方々の科学的理論に裏打ちされた長年の努力によるものであることを学びました。
今回の取組みは「総合的な学習(探究)の時間」への指導支援の一例にはなりますが、宮城大学高大連携推進室では「このようなイベントで大学教員の力を借りたい」「生徒の進路実現のために大学での学びをイメージさせたい」など、学校のニーズに合わせた相談を受け付けています。
また、宮城大学食産業学群では「食」のさまざまな事柄について、坪沼農場をはじめ、充実した設備のなかで深く学ぶことができます。
引き続き宮城大学の高大連携及び食産業学群の取り組みについて、よろしくお願いいたします。
宮城大学食産業学群について
食産業学群では、食につながる生物生産とその供給から食品製造・流通・消費に至るまでのフードシステムについて幅広い専門的知識と技術を持ち、食産業全体を理解し、地域から世界まであらゆるレベルで食の未来を開拓できる意欲と能力を有する人材の育成を目指しています。
食産業学群のある宮城大学太白キャンパスは太白山山麓の住宅街に位置し、学内農場である旗立農場を擁する自然豊かなキャンパスです。近隣の附属坪沼農場を含めた個性豊かな教育施設群の中で、様々な視点から「食」を学ぶことができます。
研究者プロフィール
・須田 義人(すだ よしひと):食産業学群教授
複数の研究機関や大学と共同で、動物の能力(免疫、抗病性、成長、肉質など)を人にとって望ましい方向に遺伝的に改良する研究や健康性を維持向上させる機能性乳酸菌の開発を行っています。
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高大連携推進室について
宮城大学は大学の目的で掲げるように「地域社会及び世界の大学、研究機関との自由かつ緊密な交流及び連携のもと、豊かな人間性と高度な専門性、確かな実践力を備えた人材を育成することをもって地域の産業及び社会の発展に寄与する」ことを目指しています。
地域に根ざした公立大学として、初等中等教育と高等教育の教育上の連携を図り、相互の教育の質を高めていくために、高大連携推進室を平成 31 年4 月に設置しました。