新着情報
23.09.08
(開催終了)9/14令和5年度宮城大学研究・共創フォーラムを開催します
宮城大学では,教員の有する研究シーズや地域との連携事業等の成果を広く地域に発信することにより,様々なステークホルダーとの共創の可能性を広げ,更なる地域貢献の機会を創出することを目的として,9月14日(木)対面(大和キャンパス交流棟2階PLUS ULTRA-)とオンライン(ZOOMウェビナー)でのハイフレックス形式にて研究・共創フォーラムを開催します。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※新型コロナウイルス感染症の感染状況等によっては,オンライン開催のみとなる場合もあります。
開催概要
名称 | 令和5年度宮城大学研究・共創フォーラム |
開催日程 | 2023年9月14日(木)13:30~16:30 |
開催形式 | ハイフレックス形式(大和キャンパス交流棟2階PLUS ULTRA-での対面とZOOMウェビナーでのオンラインによる開催) |
募集人数 | 対面:50名 オンライン:200 名 ※対面,オンライン共に申込先着順で定員に達し次第締め切らせていただきます。 |
対象 | 地域の自治体,企業・団体,医療機関等 |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 申し込みフォームよりお申し込みください。 |
プログラム |
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問合せ先 | 宮城大学研究推進・地域未来共創センター 萩野,庄子 TEL:022-377-8319 E-mail:renkei-kouza(a)myu.ac.jp ※メールの際は(a)を@に変えてご利用ください。 |
基調講演講師紹介
SDGsと地域活性化~統合と転換のコーディネイト
・白井 信雄(しらい のぶお)氏
武蔵野大学工学部 サステナビリティ学科/環境システム学科 教授・学科長
1961年生まれ。静岡県浜松市三ヶ日町育ち。大阪大学大学院環境工学専攻。同大学にて博士(工学)。民間シンクタンク勤務,法政大学の教授 (サステイナビリティ研究所),山陽学園大学地域マネジメント学部同学科の教授を経て,2022年度より武蔵野大学工学部環境システム学科教授に着任。2023年度より武蔵野大学工学部サステナビリティ学科教授(学科長)。シンクタンク時代の環境省,国土交通省,林野庁等の委託調査の経験を活かし,環境分野での実践を具体的に支援する研究・教育活動を展開中。専門分野は環境政策,持続可能な地域づくり,環境学(サステナビリティ学)。
発表者関連記事・著書等紹介(学内教員)
情報提供
共創の場の取組について
・風見 正三(かざみ しょうぞう):理事兼副学長,研究推進・地域未来共創センター長,事業構想学群 教授
東北から日本の未来を発信するための持続可能な地域づくりの研究や実践を進めています。地域の真の豊かさを追求していくコミュニティビジネスの視点から持続可能な地域産業やライフスタイルの在り方を考察し,コモンズ社会の創造に取り組んでいます。21世紀は,地域の人々が主体となり,個人も地域も共に豊かになるシナリオを実現する時代です。こうした目標に向けて,コモンズの視点やコミュニティビジネスの手法から様々な地域で持続可能な地域創造プロジェクトを提案・実践し,地域主体のまちづくりによるサステイナブルコミュニティの実現を目指していきます。
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・風見正三教授が委員長を務める大崎市中心市街地復興まちづくり事業が完成,5/7大崎市役所新庁舎開庁記念式典,震災から12年の成果
・風見正三理事・副学長と若生裕俊富谷市長による新春対談「田園都市構想で 未来のまちづくりを描く」が広報とみや令和5年1月号に掲載されています
・富谷宿観光交流ステーション「とみやど」内に「宮城大学×富谷市・共創ラボ」オープン
・新たな東北の創造に向けた持続可能なコミュニティデザインの実践(シーズ集)
研究・共創事例の発表①
みやぎテレナ―スの取組による地域看護人材の育成
・金子 さゆり(かねこ さゆり):看護学群 教授
安全で質の高いケアを提供していくためには看護人的資源の量的確保はもちろんのこと質的向上が必須であり,そのためには看護管理者のマネジメント能力の向上が欠かせません。昨今,看護管理者のマネジメント能力を示すキーワードとして「コンピテンシー」が注目されています。コンピテンシーとは,一般的に「職務において高い業績をあげるために必要な知識・スキル・能力・行動」とされています。看護管理者のコンピテンシーは数多く報告されていますが,すべてのコンピテンシーを獲得していくことは時間的制約もあり現実的ではないと考えます。
そこで,看護管理者が役割を効果的に遂行するために鍵となるコンピテンシー,すなわち「キーコンピテンシー」に着目して,看護管理者のキーコンピテンシーの構造化とキーコンピテンシー測定尺度の開発を行ってきました。看護管理者のキーコンピテンシーは,状況認識,意思決定,メタ認知,キャリア支援,自己管理の5要素からなります。これらキーコンピテンシーを高めるための研修を2018年より実施しており,開発した尺度を用いて研修の効果を検証しているところであります。
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・看護師や看護管理者の人材育成を支援します(シーズ集)
研究・共創事例の発表②
環境負荷低減化のための食行動に関する大学生の意識-宮城大学生を対象にしたアンケート調査-
・谷津 裕子(やつ ひろこ):看護学群 教授
これまで,看護学の関心の対象である人々の健康と次世代育成の観点から看護のアート,質的研究方法論の開発,医療におけるジェンダー問題,患者安全,アフォーダンス,動物福祉学など幅広い関心を持ち,学際的な研究に取り組んできました。原点となっているのは助産師としての臨床実践です。女性とその家族が医療の場でどのような体験をしているか,どのような医療・看護が求められているかを質的なアプローチで研究するうちに,質的研究方法の奥深さに魅せられて質的研究方法論の開発にも取り組むようになりました。また,女性たちが家庭や職場,医療の場で声を上げにくい実態とその背景にある社会構造にも疑問を抱き,医療者と共にジェンダーギャップの是正に向けた勉強会などを行ってきました。さらに,人間を含む動物全体が環境とどのように調和を保って生きるべきかを考える中でSDGsや動物倫理,Veganismに関心を寄せ,論文や著書の執筆,アウトリーチなどの啓発活動に取り組んできました。現在の関心は,環境の健康の観点からSDGsの担い手である次世代と女性をエンパワーメントすることです。今後は宮城県に暮らす皆さんとの共同研究に取り組みたいです。
知の生態学の冒険 J.J.ギブソンの継承5
『動物:ひと・環境との倫理的共生』
本シリーズは,ジェームズ・ジェローム・ギブソン( James Jerome Gibson, 1904-1979)によって創始された生態心理学・生態学的アプロー チにおける重要なアイデアや概念――アフォーダンス,生態学的情報,情報に基づく直接知覚説,知覚システム,視覚性運動制御,知覚行為循環,探索的活動と遂行的活動,生態学的実在論,環境の改変と構造化,促進行為場,協調など――を受け継いだ,さまざまな分野の日本の研究者が,自分の分野の最先端の研究を一種の「エコロジー」として捉え直し,それを「知の生態学」というスローガンのもとで世に問おうとするものである,全9巻。5巻「動物」は,動物の権利をめぐる歴史と現況を紹介し,動物利用問題をアフォーダンス理論を用いて整理する。動物が自由をもって生きる権利を正当に認め,同時に人も生存可能となるような人と動物の倫理的共生のあり方を考察する。
〇発行元:東京大学出版会
〇発行年月日:2022年6月7日
〇ISBN978-4130151856
〇著者:谷津裕子(看護学群教授)
〇河野哲也・三嶋博之・田中彰吾[シリーズ・編]
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・環境の健康を創造する次世代・女性のエンパワーメント(シーズ集)
研究・共創事例の発表③
災害レジリエンス研究を基盤とした南三陸町での震災復興漁村の空間構成
・平岡 善浩(ひらおか よしひろ):事業構想学群 教授
① 『震災復興まちづくり』 東日本大震災の復興過程で,すまいの高台移転や浸水低地の利用など,まちの姿が大きく変わる中,住民の方々や行政と協力しながら計画策定やコミュニティ支援等の実践・研究を行っています。
②『人口減少・高齢化時代における都市・農山漁村の持続可能性』 其々の地域の課題をどのようにとらえて持続可能な仕組みや空間をデザインすればよいのか研究しています。中山間地域の廃校問題や,中心市街地の空店舗問題,郊外住宅地や中山間地域のコミュニティ維持について取り組んでいます。
③『地域資源を活かしたまちづくり』 東北各地は,歴史文化,環境や人財など魅力的な地域資源が豊富です。それらをどのように評価し,活用しながら地域を元気にしていけるのか研究しています。山林資源の活用や農産品の6次産業化,住民主体の地域おこしイベントへの協力などを行っています。
④『建築・家具・インスタレーションの設計』 地場産木材を用いた家具のデザイン/農業用施設や食品加工施設の設計/アートイベントのインスタレーション/復興商店街や商工施設の基本設計,デザイン/戸建て住宅の設計やマンションのリノベーションなどを行っています。
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・11/18 自治体向けセミナー「総合計画策定のあり方を考える研究会」を開催しました/研究推進・地域未来共創センター
・3/1-3/31【宮城大学×S-PAL】ショーウィンドウ作品「Bloom now」をエスパル仙台本館1階で展示しています/価値創造デザイン学類 平岡 善浩 研究室
・地域の特色を活かして「建築やまち」と「私たち」の『より良い関係』をデザインします(シーズ集)
研究・共創事例の発表④
水田からの温室効果ガスの排出削減に向けた現地試験
・千葉 克己(ちば かつみ):事業構想学群 教授
農地のデザイン法を研究しています。水田は水を貯めて稲を栽培する農地なので畑作物の栽培には適しませんが,土中に暗渠と呼ばれる排水路を上手に整備すれば土の性質が変化し,畑作物の栽培が可能になります。東日本大震災による津波で海水が浸水した農地は塩分濃度が高くなり,作物が育たなくなりました。土壌の塩類は水田にいったん水を張り,それを暗渠から排水させるという方法で除塩がなされました。暗渠が整備された水田は塩害から早期な復旧ができました。暗渠を利用して地下から灌漑する農業も行われています。県内のある農家さんはこれを利用して畑作物の品質と収量の向上,労働力の縮減などを実現し,6次産業化を進めています。このように生産性の高い農地のデザインができれば,地域の農業を元気にすることができます。国内のさまざまな生産現場をまわりながら作物生育や地域環境に適した農地のデザイン法を考えています。
研究・共創事例の発表⑤
閖上赤貝のブランド再生による持続可能な漁業への貢献
・西川 正純(にしかわ まさずみ):食産業学群 教授
宮城県は水産王国と言われるほど魚介類が豊富ですが,いまだ未利用の魚介類がたくさん眠っているのではないでしょうか。当研究室は,地域に眠る魚介類のブランド化を科学的な視点から支援しています。例えば,水揚げ量が少なくても地元の漁師さんが美味しいと思っている魚介類が有るはずです。それらを発掘するとともに,その美味しさの秘密を科学的に解き明かしていきます。また,最近ブランド力が低下してきている魚介類については,港に水揚げしてから築地(豊洲)や仙台市場に至るまでの品質管理の方法や流通システムについて,マーケット調査を通じて検証・適正化を図る,すなわちPDCAサイクルを回しながらブランドの再生を支援していきます。これまでに,閖上のアカガイやシラス・小女子,気仙沼のモウカザメやアカザラガイ,志津川のマダコ,歌津のウニなどのブランド化に取り組んできました。
また,本来専門分野の栄養機能についても取り組んでいます。農水産物から機能性成分を抽出・精製し,細胞や動物を用いて栄養・機能性を評価していきます。
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・クローバーなどマメ科植物を餌としてウニを肥育する技術を開発,特許出願
・西川教授がDHAに関する研究で日本脂質栄養学会のランズ賞を受賞
・魚は世界を救う!~地域水産物のブランド化と魚の栄養を探求する!(シーズ集)
研究・共創事例の発表⑥
栄養塩等を継続的に供給可能な藻場ブロックによるブルーカーボン生態系の構築
・北辻 政文(きたつじ まさふみ):食産業学群 教授
本研究室では,リサイクル材を大量に使用可能な建設材料としての利活用するための研究を行っています。
これまでの研究では,ごみ溶融スラグ,鉄鋼スラグ,非鉄スラグ,石炭灰,コンクリートがら,鋳物砂,ペーパースラッジなどを用いた建設資材を開発しています。
以下に代表的な研究テーマを示します。
①各種スラグの建設材料としての評価・実践
②6価クロム対策としてのスラグの利用(特許取得)
③再生コンクリートの利用技術
④ペーパースラッジを用いた不分離モルタルの開発
⑤多種リサイクル材を用いたコンクリートの開発
⑥各種スラグを用いた漁礁ブロックの開発(特許出願)
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・北辻政文教授に,2022年度日本農業工学会フェローの称号が授与されました/食産業学群
・食産業学群北辻教授が,日本コンクリート工学会東北支部功労賞を受賞しました
・食産業学群の北辻政文教授らが,土木学会東北支部技術開発賞を受賞
・各産業から排出される無機系廃棄物を改質・改良して,建設材料として活用します(シーズ集)
研究推進・地域未来共創センター
企業や地方自治体・機関・団体のニーズや課題に対して,研究推進・地域未来共創センターは宮城大学の持つ多彩な人材・研究・技術・ノウハウなどを活かしながら,イノベーションや活性化の解決策を生み出していきます。
そして,地域産業の発展や魅力的な地域づくりなど地域の可能性を広げるために,従来の手法や領域にとどまることなく,さまざまな分野で共創し,宮城大学のミッションの一つである地域社会への貢献を目指します。