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19.06.21

食産業学群の北辻政文教授らが、土木学会東北支部技術開発賞を受賞

リサイクル材の利活用研究に取り組む北辻政文教授(食産業学群)らによる、「ペーパースラッジ灰(PS灰)の地盤改良材としての利用に関する研究」成果が、このたび土木技術の発展に貢献するものとして評価され、2018年度土木学会東北支部の技術開発賞を受賞しました。

PS灰は、古紙の再生利用時に排出される廃棄物(汚泥)を焼却したもので、大量に残る灰であり、CaO(酸化カルシウム)含有率が40~55%と高いため、地盤改良材としての利用が期待されています。しかしそこに含まれるフッ素の溶出量が、土壌環境基準を超えるケースもあるため、溶出を防止する対策が求められていました。北辻教授らの研究では、PS灰に石膏等を添加することにより、エトリンガイトを生成してイオン交換機能により、フッ素が不溶化されることを実証しました。これにより、PS灰が産業廃棄物を活用した経済性に優れる地盤改良材となりうる可能性が示唆され、この研究の将来性が高く評価されました。
本研究は、西松建設株式会社との共同研究によるものであり、今後は軟弱な地盤改良や、地下ダムの施工におけるフィールド試験へと展開し、PS灰の製造・販売等の事業化を目指す予定です。

公益社団法人土木学会、技術開発賞について

公益社団法人土木学会は、現在、学生会員を含め約39,000人の個人会員が入会しており、社会に寄与する技術、学術、文化、人が融合すべく活動を行う学会です。このたび授与された技術開発賞は、計画、設計、施工、または維持管理等において、創意工夫に富むと認められる技術(情報技術、マネージメント技術を含む)を開発、実用化し、土木技術の発展を通じた社会への貢献が認められる者に毎年授与されるものです。

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