事業プランニング学類
Forge Your Own Path in Business.
潜在化した課題を見通し,ビジネスを思い描き,それをどう具現化するか。
人や組織を巻き込む人間力と,科学に基づく分析力を学び
新たなビジネスモデルの構築と運営できる人材を育てる。
ビジネスプランを具現化する
「人間が想像できることは,人間が必ず実現できる」。小説家ジュール・ヴェルヌの有名な言葉です。この言葉,実はプランニングの可能性を示していると私は思っています。サービスやテクノロジーが生み出された瞬間は,その価値が何で,どんな意味があるかは,なかなか理解されません。アイデアの発案者は自分の想像力を信じ,ビジネスプランを描きます。消費者の意見や競合の動きなどを得ることで,ビジネスプランはどんどん洗練されていきます。磨かれたビジネスプランはあなたの言葉に説得力をもたせ,周囲の人間を巻き込んでいくことでしょう。プランニングとは想像を具現化することなのです。そしてこのプロセスこそ〈事業〉プランニングであると考えます。困難な道のりではありますが,我々には学問という叡智があります。どうです?ワクワクしてきませんか?さあ,一緒に学んでいきましょう。
事業プランニング学類 学類長
安藤裕准教授
授業紹介
変化の激しい時代に・新たな価値の創出を マーケティング
テクノロジーの進化と共に,消費者の価値観も大きく変化しています。これまでの常識が破壊され,新しい事業機会が次々と生まれています。変化の激しい時代に,どのようにして新しい価値を生み出し,支持される商品・サービスを創るのか。本講義では,新たな価値創出に成功した商品・サービス開発のケースを基に,商品開発/価格設定/販売チャネル/プロモーションを軸としたマーケティングの理論と手法の習得を目指します。地域企業にも焦点を当て,世界で認められた東北企業の価値創出についても学びます。
市場競争において合理的に判断する能力を養う ゲーム理論
ゲーム理論では,市場競争においてどのような戦略を選択すべきか,またどのように利益が得られるかについて分析していきます。たとえば,ある業界で店舗を経営している際に,近隣に競合店が低価格戦略で新規出店してきたと仮定します。この場合,自分自身の店舗は価格や営業時間を変更すべきかなどについて,数理的に検討します。一般に事業の計画立案に際しては,市場の状況を予想して合理的な選択を検討することは必要不可欠であり,これらの分析力は有用なツールの1つとなります。
マーケティングリサーチ
経営者はたえず意思決定をすることに迫られます。「新規事業を実施するべきか?」「ターゲットユーザーを誰にするか?」「再購入率を上げるために素材の変更をするべきか?」。日々の意思決定はビジネスの成否に直結します。本講義では,企業が意思決定をするために必要な方法として,マーケティングリサーチを学びます。顧客の心理や行動を測定,分析,考察し,実社会で活用できるスキルの習得を目指します。また科学的なアプローチを大切にし,手法の背景にある心理学や統計学も学んでいきます。
経営学概論
19 世紀末以降,企業を研究対象とする学問として発展してきた経営学は,今日では,経営という活動・行為・現象を研究対象とする学問という側面が強くなっています。つまり,「経営=組織の運営」と捉えれば,経営学は企業に限らず,行政組織,病院,大学,NPO・NGO などの組織にも適用可能です。この科目では,企業形態論,経営戦略論,経営組織論および組織行動論という経営学の主要な研究領域に沿って,基本的概念や理論の概要を具体的な事例を交えながらバランス良く学ぶことができます。
経営組織論
『組織』,それは人類の創造した最高の「叡智」です。ここでは,組織の構造,デザイン,ダイナミクス,そして組織を構成する人間の意識と行動が研究の対象です。Sony,資生堂,Google,国境なき医師団,オルフェウス管弦楽団,スタジオジブリ,NPO法人ユニークフェイス,NERV(ネルフ),調査兵団,ジオン公国など多様な組織を考察します。さらに,「アスカ」のストレス構造の抽出,「ミカサ」のモティベーション高度の測定など,いろいろな適応が可能です。組織は,我と彼の境界を越えて我々を実現します。
会計情報を活用して企業経営を読み解く
わが国の企業は,グローバル競争の激化や少子高齢化による国内市場の縮小といった厳しい環境に対応して,持続的な成長を続けなければなりません。この成長を実現する一手段として,会計情報の単独での活用ではなく,企業の経営戦略にリンクさせた会計情報の活用が求められています。この活用ができる人材の育成に向けて,幅広い会計知識の教授はもちろんのこと,事例研究およびクラスディスカッション等を通じた会計知識の活用方法の検討に至るまで多角的な講義展開を行っています。
Student Voice
夢を夢で終わらせないための知識や経験を身につける
鈴木夢夏さん
宮城県富谷高校出身
目標を着実に達成していくための知識や見識を,実務経験豊かな先生方の授業から得ることができます。私は,アルバイトを通じて興味を持った「書店」という存在を後世に残すべく,商学や経営学の視点から,書店における書籍や雑誌の効果的な販売促進の手法について研究しています。
主な学べる分野
経営財務・金融/経営学・組織論/経営戦略/法学/経済学/マーケティング/社会システム/社会調査/eビジネス/会計学
研究室紹介
髙橋修研究室
理論と実践の融合を目指して
企業に関するケーススダティや地元企業を対象としたフィールドワークなどを通して,大学で学んでいる経営理論と企業の経営実践とを結びつけて考えることを重視しています。
大嶋研究室
デジタル経営学とリーダーシップ
AI時代に必須の実践経営学を学び,産学連携プロジェクトで戦略立案やマーケティングを実行しながら,リーダーシップ能力を磨きます。観光促進活動にも力を入れています。
金子研究室
経済理論を踏まえた市場の分析
ミクロ経済学を中心に経済理論を修得しつつ,理論書とは様相の異なる現実の市場の実態も分析します。企業へのインタビュー調査などを通し,実学に基づく考察も深めていきます。
絹村研究室
戦略と会計を繋ぐ管理会計システム
基幹産業である自動車業界,変革を余儀なくされている製紙業界を対象に,管理会計の知見を中心に,経営戦略等多角的な知見をも活用しプロジェクトワークを行っています。
高山研究室
講義で学んだものを,実践へ
実践,行動,挑戦。マーケティングゼミでは理論はもちろん,それを行動に移したかどうかを重要視しています。成功したかどうかではなく,挑戦したか,最後までやりきったのか。それを楽しんでください。
徳永研究室
実社会のシステム効率化を考える
自治体バスや介護事業など,実社会における事業を対象に,利用者のニーズ分析に基づいたサービス提供方策や限られた資源制約の下での効率的運営について考え,提案します。
4年間の学び
卒業生の活躍
大学で学んだマネジメント力で現場を円滑に遂行
株式会社タダノ
佐々木大我さん(2022年3月卒業)
クレーンの国内グローバルメーカーで,生産と営業の調整役を担っています。生産から納車までスムーズに進行・調整し,営業と生産の両部門に配慮しつつ利害をマネジメントするのが仕事です。イレギュラーな事態が発生することもありますが,最適解を見つけ要望に沿えるよう調整できた時に大きなやりがいを感じます。また,企業の抜本的な改善活動にも携われるため,企業マネジメントや自社や競合他社分析といった部分で,在学中に学んだ管理会計や財務会計の知識が大きな武器となっています。今後は,経験を積んでより高い調整能力を培うことをはじめ,自社の改善活動に積極的に参加し,売上目標達成に貢献する改善提案も行っていきたいと考えています。より重要な役割を任せてもらえる存在になり,将来的には入社時から目指している海外業務へも関わることが目標です。
大学での経験を礎に会社と共に成長する
楽天グループ株式会社 広告メディア部門副部長
小林大亮さん(2007年3月卒業)
アプリメディアの事業責任者をメインに担当し,プロダクトマネージャーとして,UX デザインやセールス戦略,広告主のビジネス拡大のお手伝いなどに携わっています。急速な変化を体感しながらさまざまな仕事にチャレンジでき,会社の成長を通して,自分の想像を遥かに超える成長の機会を得ていると感じます。宮城大学では,実務経験豊富な教授陣やカリキュラムを通して,新しい価値を創造するプロセスを学びました。
この経験が,今の仕事の礎になっています。社会に出てみると,事業プランニングという領域の重要性をより強く感じます。新しい価値を構築する人材が求められる今,事業構想領域を学ぶことは希少性の高いスタンスとスキルを身につけるきっかけになると実感しています。今後は,海外向けにもサービスやソリューションを提供・展開していきたいです。
クリエイティビティーを軸に東北をもっとおもしろくする
株式会社東北博報堂
栗原渉さん(2014年3月卒業)
東北を中心とする企業の広告や商品,サービスを生み出すお手伝いをしています。いわゆるプランナーですが,テレビCMやウェブサイトを制作したり,コピーライティングをしたり,事業戦略を立てたり,クリエイティビティーを軸に何でもやっています。なじみの企業や商品のお手伝いができて,それがダイレクトに自分や周りの人たちの生活に影響を与えているのが肌で感じられる仕事です。宮城大学では,広告会社の方の講義やメーカーのマーケティング部署との協働プロジェクトなどがあり,刺激的で自分の将来にワクワクできて,大学生活を楽しくしてくれました。ビジネスとデザインやエンジニアリングが隣り合わせなのが宮城大学ならではのポイントで,それが今の仕事にも活かされています。これからも「東北って,おもしろいよね」と言ってもらえるような仕掛けをしていきたいです。
法的トラブルを未然に防ぎ,組織の成長をサポートする
一京綜合法律事務所 / 代表弁護士
石橋京士さん(2006 年 3 月卒業)
宮城大学の先生方は,教員というより会社の上司のような方が多く,良くも悪くも実社会に近い学び・経験を積むことができました。周りの学生も学外活動に積極的に取り組む人が多く,刺激が多かったです。2016年に現法律事務所を開所し,現在は法律顧問をはじめ,新規事業及び事業経営に関する法律相談から,契約書などの書面作成及びチェック,契約交渉,紛争発生時の示談交渉,訴訟代理人業務などを行っています。提供するアドバイスには,法的観点に加え事業経営の視点を伴うのが特色です。これまで扱った事業紛争案件の9割は事前に防ぐことが可能なもので,法的トラブルが相談者の事業,組織の成長スピードを遅らせる場面に何度も遭遇してきました。お金,時間,精神的負担のかかる紛争,訴訟を予防し,事業,組織の成長発展のサポートに全精力を注ぎたいと思います。
学生時代に学んだのは,全力で行動する大切さ。
楽天インサイト株式会社 執行役員
中村俊也さん(2007年3月卒業)
高校時代に経済でも経営でもない,自分で事業を立ち上げる「事業構想学」に興味をもったのが,宮城大学への受験を決めたきっかけです。大学に入学後は,座学だけではなくフィールドワークなどで実践力を身につける機会が多く,講義も刺激的でした。また先輩方が学外の活動などにも積極的で,大学で学んだ理論を学外で実践するその姿に強い影響を受け,私もイベントの企画立案などに数多く取り組みました。現在は楽天グループの調査会社にて,執行役員という立場で経営に携わっていますが,新卒で入社後すぐに活躍できたのは,学生時代に物事に全力で取り組んでいた経験が活きています。宮城大学の学生生活は,多くのことにチャレンジし,新しい自分を発見するチャンスで溢れています。そのチャンスをなるべく多く,自分のモノにしてください。