Keyword

土地改良、地域計画、水田農業、灌漑排水、災害復旧

地域の農業を元気にする農地のデザイン

千葉 克己

事業構想学群

千葉 克己

Chiba Katsumi

教授/博士(農学)

研究内容・実践活動

農地のデザイン法を研究しています。水田は水を貯めて稲を栽培する農地なので畑作物の栽培には適しませんが、土中に暗渠と呼ばれる排水路を上手に整備すれば土の性質が変化し、畑作物の栽培が可能になります。東日本大震災による津波で海水が浸水した農地は塩分濃度が高くなり、作物が育たなくなりました。土壌の塩類は水田にいったん水を張り、それを暗渠から排水させるという方法で除塩がなされました。暗渠が整備された水田は塩害から早期な復旧ができました。暗渠を利用して地下から灌漑する農業も行われています。県内のある農家さんはこれを利用して畑作物の品質と収量の向上、労働力の縮減などを実現し、6次産業化を進めています。このように生産性の高い農地のデザインができれば、地域の農業を元気にすることができます。国内のさまざまな生産現場をまわりながら作物生育や地域環境に適した農地のデザイン法を考えています。

水田における暗渠の整備(幅15cm、深さ70cmほどの溝を掘って地下に排水路を設けます)

水田における暗渠の整備(幅15cm、深さ70cmほどの溝を掘って地下に排水路を設けます)

暗渠排水を利用した効果的な除塩法

暗渠排水を利用した効果的な除塩法

発芽率の向上を図るために地下から灌漑しています(水が浸みているところが黒くなっています)

発芽率の向上を図るために地下から灌漑しています(水が浸みているところが黒くなっています)

産学官連携の可能性

暗渠が効かない、田畑の排水が悪い、地下灌漑のやり方がわからないなどで悩んでいる自治体や農業生産法人などがあれば改善のお手伝いができます。ともに地域の農業を盛りあげていきましょう。

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