Keyword
新学習指導要領、教育と社会、実践記録、生活指導、教育とケアの社会史
学校教育は子どもたちの生活といかに向き合っていくべきかーその可能性と限界
研究内容・実践活動
学習指導要領の改訂をうけて、2020年度から新しい教育課程がスタートしました。ここでは「主体的、対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)をはじめとするコンセプトを通じて、予測不能な未来社会を見据えた学校教育の在り方を追究していくことが求められています。その一方で日本社会の現実に目を向けてみると、経済格差や貧困をはじめとする社会問題が、子どもの日々の暮らしに影を落とし続けています。
未来社会へ向けた改革の動きと日本社会の現実とのあいだで、学校教育はいかに子どもの生活と向き合っていくべきなのでしょうか。このとき、日本の教師たちが残してきた教育の記録(実践記録)は、多くの示唆を与えてくれます。なかでも、「生活指導」と呼ばれてきた取り組みに関する記録群からは、看護や養護の実践と通底するケア(care)の心性にもとづく子ども理解、学校・学級づくりをはじめとした働きかけの工夫が見えてきます。それらの試みを集約・共有化することを通して、これからの学校教育の考え方、在り方を展望していくものです。
産学官連携の可能性
- 東日本大震災後の学校・地域社会での取り組みを振り返るにあたって、専門とする教育学・教育史研究の成果をもとに話題提供・論点の整理を行うことができます。
- 新教育課程における特別活動、道徳教育の研修にあたって、改訂のポイントの説明、およびその理解に資する昨今の研究成果について紹介することができます。