Keyword

看護師、キャリア形成、キャリア・コンピテンシー、生涯学習

看護師の主体的なキャリア形成は看護実践能力を高め、チームの活性化をもたらすか

山田 薫子

看護学群

山田 薫子

Yamada Masako

助教/博士(看護学)

研究内容・実践活動

人生100年時代が到来し、働き方やキャリアが多様化する時代には、キャリアを自ら作り上げるという個人の認識が必要不可欠です。看護師においても、働く場所や領域の多様化、高度な実践のための教育が拡充し、キャリアの選択肢が広がっています。このような状況で、看護師が生涯学習に取り組み、看護実践能力の維持向上を図り、働き続けるためには、主体的に自分の思い描くキャリアを実現するスキルがますます重要となっています。しかし、主体的なキャリア形成スキルが専門職としての継続的な学びや職業継続に役立つかを調査した研究が不十分であり、科学的根拠は不明瞭なままという現状があります。

この問題を解決するため、キャリアの研究領域で注目されている、キャリア・コンピテンシー(キャリア形成に必要な知識・技術・能力)に関する研究に着手しました。その結果、キャリア・コンピテンシーには仕事に対する動機づけをより効果的に向上させる可能性があることが明らかになりました。この成果を発展させて、キャリア・コンピテンシーが看護実践能力向上とチームの活性化に役立つかという、さらなる研究に取り組んでいます。

the Japanese version of the Career Competencies Questionnaireの心理測定特性

the Japanese version of the Career Competencies Questionnaireの心理測定特性(上の画像をクリックすると、論文の内容をご確認いただけます)

the Japanese version of the Career Competencies Questionnaireの尺度の因子構造

the Japanese version of the Career Competencies Questionnaireの尺度の因子構造

看護師がキャリアを積むことで得られるアウトカムに関する総説

看護師がキャリアを積むことで得られるアウトカムに関する総説(上の画像をクリックすると、論文の内容をご確認いただけます)

産学官連携の可能性

個人の主体的なキャリア形成に注目が集まる一方で、所属する組織との相互作用も個人のキャリア形成には欠かせない要素です。これまでの研究を発展させ、キャリア・コンピテンシーが個人と組織の双方に成長と発展をもたらすか、その調和過程を包括的に解明する研究に取り組みます。研究のシーズを看護の現場で応用することができれば、個人のキャリア形成の取り組みと組織によるキャリア支援の相乗効果によって、心身ともに健康で優秀な看護師の定着が期待でき、病院や地域などあらゆる場で活躍する看護師の職業継続支援に貢献します。

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