Keyword

都市計画,地域計画,まちづくり,コミュニティデザイン,コミュニティビジネス

新たな東北の創造に向けた持続可能なコミュニティデザインの実践

風見 正三

事業構想学群

風見 正三

Kazami Shozo

教授/博士(工学)/理学修士(都市地域計画学)/経営学修士

研究内容・実践活動

大震災から10年が経過する今日,東北は大震災を超えて,新たな価値を創造していく必要があります。東北には,豊かな自然と歴史が育まれ,これらの地域資源の再発見と再構築によって,持続可能な地域創造を実現することが可能となります。そして,その鍵は,地域主体の計画立案(コミュニティデザイン)と地域主体の産業創造(コミュニティビジネス)にあります。
「森の学校プロジェクト」は,宮城県東松島市の被災した小学校を「森と共生する学校」「地域と共生する学校」として再建した震災復興事業です。本プロジェクトでは,宮城大学風見正三研究室が基本構想・基本計画の策定に取り組み,地域の様々なステークホルダーの意見を集約し,地域の豊かな自然環境と共生する小学校を地域と共に創造することができました。そして,本取り組みは,2017年度のグッドデザイン賞,2020年度の日本不動産学会長賞を含む5部門での受賞を果たしました。
21世紀は,SDGsの達成に向けて,持続可能な地域創造を地域主体で実践していく時代といえます。現在,こうした実績を踏まえて,全国で,森の学校の展開,田園都市の創造,サステイナブルコミュニティデザインの実践に取り組んでいます。

森と共生する施設配置計画

森と共生する施設配置計画

森の学校 コンセプトスケッチ(風見正三 作画)

森の学校 コンセプトスケッチ
(風見正三 作画)

森と一体化した木造校舎

森と一体化した木造校舎

産学官連携の可能性

持続可能なまちづくりの実現には,「地域資源」「地域自治」「地域経営」の3つの視点からの戦略的な政策立案が重要となります。森の学校プロジェクトでは,復興政策,学校教育,産業創造,地域協働等の複合的なプラットフォームを構築し,ビジョンの構築からデザインまでをトータルプロデュースすることができました。これからの東北再生に向けては,こうした成功例をモデルとして,地域資源を発見し,地域の産業や教育を創造し,それらを持続的に経営するためのコミュニティビジネスやコミュニティデザインのスキームを構築することが重要となります。今後も,このような背景を踏まえて,未来への投資の視点から,産官学民の PPPを推進していきたいと思います。

TOP