団塊の世代が75歳以上になる2025年が近づいている中、訪問看護利用者数は年々増加し、訪問看護師の需要も高まっています。病棟勤務の経験がある看護師のみならず、看護基礎教育機関を卒業してすぐに訪問看護事業所に入職する「新卒訪問看護師」の育成も提言され、育成プログラムが確立されつつある現状です。しかしながら、訪問看護師に魅力を感じつつも「いざ就職！」となるとハードルの高さを感じる看護学生や看護師が多くいます。
私は新卒訪問看護師として就職し、訪問看護のやりがい・楽しさ・難しさを経験してきました。自身の経験から整備された育成プログラムのもと、「訪問看護師になりたい」という意欲を維持して自己研鑽すれば、訪問看護師として成長できると確信しています。しかしながら、悩みや困難感を抱える新卒訪問看護師は少なくなく、今後の課題として、育成プログラムの具体化が指摘されている現状です。そのため、訪問看護に必要な力を新卒訪問看護師がどのように獲得するのかについて明らかにし、より具体化した育成プログラムを開発する研究に取り組んでいます。