Keyword
水圏資源植物科学、紅藻、スサビノリ、環境ストレス耐性、形態形成、遺伝育種
海藻の生き様を解明し応用することで宮城県産海苔のトップブランド化を目指します
研究内容・実践活動
日本を代表する食材である海苔の材料は紅藻スサビノリです。その大規模な養殖が多くの海域で行われており、宮城県はその北限となります。最近顕著になった海水温上昇により、国内で最も生産量の多い有明海での養殖が大きなダメージを受けており、海苔生産量が年々減少しています。宮城県は現時点では大きな影響は受けていませんが、近い将来有明海と同様の状況になることは容易に想像できるため、今から対策を講じなくてはいけません。
しかし、スサビノリの生長や環境応答の制御機構は不明です。例えば、高水温に対する応答・適応機構が解明されていないため、高温ストレス耐性を確実に付与する方法を考えることができないのが現状です。
以上を踏まえ、当研究室では、スサビノリの環境応答の仕組みを生理学的・分子生物学的に明らかとし、それらの成果を応用して高水温に耐性を持つスサビノリ品種を作出することを目的としています。現在は高温ストレス耐性の獲得機構に関する基礎生物学研究を進めていますが、この目的を達成することで、宮城県において地球温暖化に耐えうる持続可能なノリ養殖を確立し、他生産地との差別化ができる高品質の海苔生産の実現を目指します。
産学官連携の可能性
- 選抜育種等によるスサビノリの品種改良のお手伝いができます。
- 養殖種あるいは養殖品種の生物学的解析のお手伝いができます。
- 養殖スサビノリへのストレス耐性付与の手法開発のお手伝いができます。