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20.08.04

【動画で公開中】せっけん作りを通じて国際的な看護の視点を学ぶ「国際比較看護論」

私たちにとって安価に容易く手に取ることができる”せっけん”も、アフリカ諸国をはじめとする開発途上国の人々にとっては半日分のお給料に相当します。また、衛生知識や衛生用品がなく、せっけんで手を洗うことができないまま、感染症などで命を落としてしまう子供たちが、全世界で200万人いるといわれています。せっけんを1から作る体験を通して、学生たちがこういった状況を知ることや、感染症から人々を守るために必要な国際的な取り組みについて考えるきっかけとすることがこの授業の目的です。

「せっけんづくりは、コミュニティにどのような変化を起こすのか」について、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の観点からも考える授業です

学生たちは、たとえば、以下のようなことについて考察を進めます。

  • ある地域での感染症対策として、せっけんなどの衛生用品を作ることが出来たら、その地域の人々の健康と福祉にどのように役に立つだろうか。
  • せっけんを作る方法をある地域の人々が獲得した場合に、その地域の貧困問題、経済効果、その地域の人々の働きがいに、どのような影響があるだろうか。
  • もしある地域の女性が、せっけんを作ることや、作ったせっけんを販売することが出来たならば、ジェンダー格差の解消やジェンダーの平等に、どのように貢献するだろうか。
  • もしある地域の人々と共にせっけんづくりのトレーニングを計画したり、手洗いの重要性について一緒に学んだり、子どもたちの学校にせっけんを配布する活動を共同で行うことができたなら、その地域の人々にどのような変化をもたらすだろうか。
  • 感染予防対策としてのせっけん作りのアクションは、同時に地球環境を守ることにもつながるだろうか。

少しでも世界の健康格差を解消するために、必要なアクションを考える”きっかけ”が大切ではないか、そのような考えに基づいてこの授業は行われています。

国際比較看護論について

この授業は、看護学類4年次前期の科目で、多様な風土や異文化の価値観を理解し、国際保健における現状や課題を学修し、文化に配慮したケアの在り方や国際保健で取り組むべき持続可能な対策についての考察を行います。レポートを含む、全16回で構成されており、今回のせっけん作りは第12回にあたります。

看護学群について

看護学群は、生命の尊厳を基盤とする豊かな人間力を備えて、科学的思考とマネジメント能力を持ち、ヒューマンケアを中核とした創造的な看護を展開し、地域の人々、多分野・異文化の人々と協働して学際的に活躍できる人材育成を目指しています。看護学の基盤となる知識・技術を身につける「専門基礎科目」と、看護学の専門性を深め、拡げる「専門科目」を学年進行に沿って体系的に配置しています。卒業時に取得できる資格・免許は、「看護師国家試験受験資格」が全員、保健師教育課程を選択した学生は「保健師国家試験受験資格」、養護教諭教育課程を選択した学生は「養護教諭一種免許状」を取得できます。

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