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21.08.19

バイオテクノロジーを活用してバイオマスから燃料や化学製品を生産/生物生産学類 柳澤研究室

食産業学群 柳澤 満則 准教授は、再生可能な資源である「バイオマス」からエネルギーや化学原料を生産する研究をおこなっています。陸上バイオマス、海洋バイオマス、廃棄物バイオマスなどの様々なバイオマスを原料として利用し、バイオマスの種類に応じて有用な変換プロセスの開発を試みています。

環境にやさしいプラスチックの原料にも、バイオマスの可能性を探求

環境問題の解決に向けて2020年7月1日にレジ袋の有料化がスタートしたことは記憶に新しいと思いますが、例えばバイオマス素材の配合率が25%以上のレジ袋は無料配布が可能であるなど、バイオマス素材の活用が注目されています。バイオマスとは、再生可能な生物由来の資源のことであり、現在化石燃料から生産されている様々な燃料や化学製品の代替品をバイオマスから生産することができます。例えば、バイオマスから生産された“エタノール”は、自動車用燃料やレジ袋などに使われるプラスチックであるポリエチレンの原料になります。また、同じくバイオマスから生産された“乳酸”は、生分解性プラスチックであるポリ乳酸の原料になります。

柳澤研究室では、バイオマスに酵素や微生物を作用させることにより、エタノールや乳酸などの有用物質を生産するプロセスについて研究しています。例えば、木や竹のような硬いバイオマスを使う場合、反応性を高めるために高温条件での前処理が必要になりますが、竹を微粉末化することで加熱を伴わない前処理でも同等のエタノールをつくることが可能であることがわかっています。また、宮城県で養殖が盛んなホヤの殻も有用物質を生産するためのバイオマスとして利用可能であり、ホヤの殻から乳酸をつくることができることがわかっています。これらの知見は、柳澤研究室の実験により明らかになった成果です。

柳澤准教授は、今後もバイオマスの前処理方法、酵素や微生物の種類を最適化し、遺伝子組換え技術も応用することで、低コスト、低エネルギー、低環境負荷で有用物質を生産可能なプロセスの開発を目指し研究に取り組みます。

研究者プロフィール


食産業学群に《生物生産学類》令和 4 年 4 月誕生​​​​​​​ 

今、食を支える農業は変革の時。
農畜水産物生産のイノベーションで食の未来を創造する人材が必要です。
生物生産の確かな知識や技術、そして豊かな知性を身に付けるために、
新生 “生物生産学類” で、バイオサイエンス、植物・動物・水圏生物の生産科学、
環境情報や生産ビジネスなどの多様な分野を幅広く、深く学んでみませんか。

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