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26.09.24
【受賞】宮城大学食産業学群 中村哲也教授の著書『パインアップルの産業史』が第29回日本自費出版文化賞「研究・評論部門 特別賞」を受賞
宮城大学食産業学群の中村哲也教授が執筆した『パインアップルの産業史―沖縄からたどる、果実と人の500年―』が、第29回日本自費出版文化賞の「研究・評論部門 特別賞(ホリゾン・ジャパン賞)」を受賞しました。
第29回日本自費出版文化賞には全国から824点の作品が寄せられ、研究・評論部門には100点の応募がありました。最終選考の結果、本書を含む6作品が特別賞に選出されました。
表彰式は11月7日(土)、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷において開催される予定です。
身近な果物「パインアップル」から、世界と沖縄の産業史を読み解く
本書は、私たちにとって身近な果物であるパインアップルを題材に、その伝播と栽培、流通、貿易、食文化などの歴史をたどりながら、果実と人との関わりを500年にわたって考察したものです。
パインアップルは、現在では世界各地で生産・消費されていますが、その背景には、農業技術の発展だけでなく、人々の移動、国際貿易、植民地経済、地域産業の形成など、さまざまな歴史があります。
本書では、こうした世界的なパインアップルの歴史をたどるとともに、日本における産業化、とりわけ沖縄県におけるパインアップル産業の形成と発展にも焦点を当てています。
「果物の歴史」という身近な切り口から、農業、経済、地域社会、食文化、国際関係へと視野を広げていくことが本書の特徴です。
「食」を通じて地域と世界を考える
中村教授は、これまで農業経済学・食料経済学を専門として、農産物の生産・流通・消費や、食料をめぐる社会経済的な問題について研究してきました。
2026年4月からは宮城大学食産業学群に着任し、食料経済学を担当しています。
今回の受賞を契機に、食料を単なる「商品」として捉えるのではなく、その背景にある農業、地域社会、歴史、文化、そして人々の暮らしまで含めて考える研究をさらに発展させていきます。
中村教授は「パインアップルという一つの果物を追いかけていくと、世界の農業や貿易、地域社会の歴史が見えてきます。身近な『食』を入り口として、地域と世界をつなげて考えることが、食料経済学の面白さだと考えています」と話しています。
今後は、宮城県をはじめとする地域の農業・食産業についても研究を進めながら、食料経済学の教育と大学院生の研究指導にも力を入れていく予定です。

教員プロフィール
・中村 哲也(なかむら てつや):食産業学群教授
私は食料経済学を基盤として、災害・環境リスクが人々の行動や政策評価にどのような影響を与えるのかを研究しています。具体的には、これまで、福島原発事故後の復興政策や除染政策に対する住民意識、カザフスタン核実験場周辺における食品選択行動、ドイツやカザフスタンにおけるエネルギー安全保障と市民意識、国際的食料危機と食料支援制度などを対象に、国際比較研究を行ってきました。
私の研究では、大規模アンケート調査(Web調査)、統計分析、現地フィールドワークを組み合わせ、政策と生活行動を結びつける実証的な分析を重視しています。特に、放射能リスクや風評被害、食料安全保障といった社会課題に対し、科学的根拠に基づく政策支援やリスクコミュニケーションのあり方も検討しています。また、自治体・地域団体・生産者との連携を通じ、被災地復興、農山漁村振興、地域レジリエンス向上に資する実践的研究にも取り組んでいます。
今後は宮城県の農水産業や地域再生を対象に、地域に根ざした研究と国際発信を進めていくつもりです。
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