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20.01.30
令和元年度「産学連携講座Ⅱ(トヨタ講座)」を開講しました
昨年度に続き、令和元年度もトヨタ自動車株式会社、トヨタ自動車東日本株式会社と連携し「産学連携講座Ⅱ(トヨタ講座)」を開講しました。
産学連携講座は、主に宮城県や東北で活躍する企業・団体等との連携により、講師派遣をいただき講義を行います。現代の日本、地域社会を支える産業の歴史、現状、今後の展開、諸課題とその解決に向けての取組を理解することにより、地域や産業に関心を抱き、卒業後に社会で活躍するための知識や創造力を養うことを目的に開講している講座です。
1日目プログラム:令和元年11月4日(月・祝)
講座初日は、グローバル企業であるトヨタの国内第3の拠点として東北に本社を構えるトヨタ自動車東日本株式会社(TMEJ)が、大学の近隣にあるという地の利を生かし、実際に本社・宮城大衡工場(黒川郡大衡村中央平1番地)に出向き、トヨタの真骨頂である「現地現物」とは何かを学びました。
工場では、学生自身の目で工場の管理や機能、また実際に現場で働く人々の声を改善に結びつけるしくみの説明をいただきました。現場一人ひとりの知恵と経験に裏付けられた高度な技能を製造技術として確立するために、開発~生産準備~生産が三位一体で取り組み、いかに上手く・早く・高品質なクルマをつくることができるのか、現場の知恵と工夫を活かした改善や、様々な業務が企業の中にはあることを学びました。
2日目プログラム:令和元年11月6日(水)
第2日目は、宮城大学大和キャンパスの講堂において、トヨタ自動車東日本株式会社 代表取締役会長 白根 武史氏から『ものづくりは人づくり』と題して、トヨタ自動車東日本の設立の背景と使命、東日本大震災からの復興への志を紹介いただきました。「東北を基盤に世界No.1の魅力あるコンパクト車をつくる」その目標の実現に向けた三つの柱「ものづくり」「地域連携」「人づくり」のうち「地域連携」として、機械製造業・造船業・農業・水産加工業などと相互研鑽活動を実施した中から、マグロ延縄漁業の実例を紹介いただきました。
一人ひとりが自分の知見を披露して、更に皆で議論してBESTWAYを見出していくかという学びの大切さ、地元企業「異業種との相互研鑽活動」を通じて「教え、教えられる風土」を醸成し、ものづくりの底上げを図り、生産性向上の輪を広げてゆくという、日本のものづくりの強さを世界に発信してゆく想いを講義いただきました。
3日目プログラム:令和元年11月27日(水)
第3日目の講義では、トヨタ自動車およびトヨタ自動車東日本が行っている地元企業との相互研鑽活動の取り組みとして、東北地方で手作りのランドセルを企画、生産、販売をしている株式会社 羅羅屋の常務 北 良明氏から、1時限目にランドセルの歴史、子供の目線に立った商品開発についての講義をいただきました。実際の製品を肩にかけ、改良後の形を確認することで、あらためて製品・モノが、単なる物質ではなく作り手の創意工夫が込められているということも学びました。加えて「ひとづくり」「会社環境づくり」の一環として、社員の生活環境の大切さについても講義いただきました。
同日2時限目には、トヨタ自動車東日本株式会社 プロジェクトリーダー 早川 準人氏から、自動車を取り巻く環境「100年に一度の大変革期」について開発者の視点から講義いただきました。100年前のクルマの始まりから、トヨタ自動車の歴史、またこれから近未来のモビリティ社会について学びました。
4日目プログラム:令和元年12月18日(水)
第4日目の講義では、1時限目に仙台トヨペット株式会社 代表取締役社長 佐藤 秀之氏から、パートナー企業としての立場からみたトヨタの強みを講義いただき、現地・現物・現実というトヨタの「三現主義」という徹底した企業文化が根幹にある「改善」について学びました。「かんばん方式」のすぐれたビジネス構造を、わかりやすい事例と小物を用いたプレゼンテーション形式で実演頂きました。
総括の2時限目は、トヨタ自動車株式会社 国内営業部 東北営業部長 小林 剛氏から、『トヨタ』を題材に「企業」の存在意義、「仕事」の大切さを考える講義をいただき、創業者豊田喜一郎氏の考え方から『トヨタ』のものづくりの原点を学びました。トヨタ自動車の「人本主義」についても講義をいただき、お客様・従業員・地域の人々という「人のため」「社会のため」に企業の存在意義があることも学びました。受講者全員とのディスカッション形式による参加型講義で、「自らの未来を考えるキッカケづくり」のトヨタ講座を締めくくられました。
令和元年度も「産学連携講座Ⅱ(トヨタ講座)」の開講にあたり、トヨタ自動車株式会社様、トヨタ自動車東日本株式会社様、仙台トヨペット株式会社様、株式会社羅羅屋様には、本学の産学連携に御協力、御尽力いただきありがとうございました。本学一同、心より感謝申し上げます。