新着情報

24.04.01

2月、宮城大学デザインスタディセンターによる展示・シンポジウム「デザインで東北から未来を創造する」を開催しました/デザインスタディセンター

宮城大学デザインスタディセンターは、宮城大学を中心として学生・地域の事業者・自治体が集い、共に学び、共にプロジェクトを展開する共創的な教育研究プラットフォームです。2024年2月4日、これまでの活動を振り返る展示・シンポジウムを開催しました。たくさんのご来場ありがとうございました。

デザインスタディセンターでは、学生と社会人が垣根なく参加できる場を目指して模索を続けています。2024年度も充実したスタジオやイベントを開講予定です。今後の活動にぜひご注目ください。

デザインで東北から未来を創造する

デザインで東北から未来を創造する/デザインスタディセンターの試み

当たり前ですが、いわゆる都(みやこ)的なところだけではなく、どんな地域にも歴史や文化は根付いていて、我々の嗜好・思考は無意識的に影響を受けているはずです。宮城大学デザインスタディセンター(DSC)ではまずは自分たちが何者なのか、どこから来てどこへ向かうのか、という自らのアイデンティティを地域の歴史や文化に求めることからデザインを探る活動を展開しています。せんだいメディアテークにて、過去3年間の多彩なゲストをお迎えして展開した活動を総括する展示会・シンポジウムを開催します。

事業構想学群教授 土岐 謙次


「デザイン」をキーワードとした体験展示・アーカイブ展示を実施

展示では、宮城大学デザインスタディセンターが発足から3年間に行ってきた「デザイン」をキーワードに未来を創造するための様々な活動 -ワークショップ、講演会、展示会、冊子の発行など-を紹介します。大人から子供まで楽しめるデジタルアート作品も展示します。

体験展示

「ROKURO」,「branch」(STUDY PROJECT ‘KOKESHI’)

「ROKURO」は、木地師(きじし)が使う木工ろくろをモチーフにした、自分で木材を切り抜いてちょっと不思議な木工工芸品を作り出す体験型映像作品です。こけしなどの工芸品を作る工程であるろくろ挽きや絵付けを遊びながら体験し、東北の伝統工芸を改めて知ることを狙いとしています。

「やまのかけら」(DSC×WOW 「いのりのかたち展」)

ビジュアルデザインスタジオ WOW による展示作品です。古くから日本では山や森に神が宿るとされていました。フィールドワークで採取した山の石を特殊なスコープで覗くと、その先にさまざまな風景が広がります。山の一部からその神性を想起するインスタレーション作品です。

アーカイブ展示(一部)

『(ロゴ)デザイン』(DSC STUDIO 2022-1)

ロゴは単なる視覚上のレイアウトと考えがちですが、実際に「(ロゴ)デザイン」を構築していくためには、クライアントの思想を内包し、社会的に果たすべき役割を示すコミュニケーションツールであることを、作り手が理解している必要があります。

『肉の未来』(DSC STUDIO 2022-2)

「肉」という身近なテーマで行われた全5回のワークショップは、社会の第一線で活躍する実務家と研究者によるレクチャ、実際に畜産を行っている牧場と宮城大学の坪沼農場へのフィールドリサーチ、その調査内容のまとめと未来洞察の作成、全体での視点共有から構成されます。

『地域文化の再構築と発信』(DSC STUDIO 2022-3)

「地域文化」の中から「行山流⽔戸辺鹿子躍」の情報発信方法を検討。舞の観賞や文化発祥の地での現地調査、踊り手等当事者へのヒアリングを通じて、フィールドに出向き体感することの重要性を実感しながら、柔軟な思考力と、多角的な視野の習得のためのトレーニングに取り組みました。

『未来とともにある「テマヒマ」の暮らし』(DSC STUDIO 2023)

テクノロジーや産業の進化、社会情勢の変化により、その役割や機能が日々変化している中で「手を動かす」という行為は、この先どこへ向かうのでしょうか?「手を動かすこと」に潜在する可能性を探索し、『ともにある暮らしの未来』のデザインに取り組みました。


シンポジウム[デザイン研究教育とオープンイノベーション]

シンポジウムでは様々なアプローチでイノベーションを展開している企業や組織をゲストに迎えて、デザインの研究教育と社会での活用方法について考えます。

シンポジウムゲスト

田村 大

Re:Public inc.

神奈川県生まれ。幼少期を福岡県・小倉で過ごす。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。新卒で博報堂に入社後、デジタル社会の研究・事業開発等を経て、株式会社リ・パブリックを設立。欧米・東アジアのクリエイティブ人脈を背景に、国内外で産官学民を横断した社会変革・市場創造のプロジェクトを推進している。2014年、福岡に移住し、九州を中心とした活動に移行。2018年より鹿児島県薩摩川内市にて、「サーキュラーシティ」の実現に向け取り組んでいる。現在、九州大学、北陸先端科学技術大学院大学にて客員教授を兼任。

水野 大二郎

国立大学法人京都工芸繊維大学未来デザイン工学機構 教授,慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特別招聘教授

1979年東京生まれ。2008年Royal College of Art ファッションデザイン博士課程後期修了、芸術博士(ファッションデザイン)。デザインと社会の関係性を批評的に考察し架橋する多様なプロジェクトの企画・運営に携わる。蘆田裕史とファッション批評誌『vanitas』の共同責任編集をはじめ、共著書に『x-DESIGN』、『Fabに何が可能か』、『インクルーシブデザイン』、『リアル・アノニマスデザイン』、『fashion design for living』、『クリティカルデザインとはなにか』、『サーキュラーデザイン』など多数。

津田 和俊

京都工芸繊維大学 講師、山口情報芸術センター[YCAM] 研究員

1981年、岡山県新庄村生まれ。2008年から大阪 大学工学 研究科特任研究員、2011年から2015年まで同助教。2010年からファブラボのネットワークに参加し、2013年、ファブラボ北加賀屋(大阪市)を共同設立。2014年から山口情報芸術センター[YCAM]のコラボレーターとなり、2016年から専門委員(研究員)としてYCAMバイオ・リサー チなどを担当。2020年から京都工芸繊維大学の講師に着任。


開催概要

イベント名

デザインスタディセンター展示・シンポジウム
「デザインで東北から未来を創造する」

開催日時

2024年2月4日(日)

①展示9:30~19:00、②シンポジウム14:30~17:40

※前日の 2月3日 17:00 より、展示をプレオープン予定です

会場 せんだいメディアテーク1Fオープンスクエア
(宮城県仙台市青葉区春日町2-1)

内容①
展示

[体験展示・アーカイブ展示]宮城大学デザインスタディセンターが発足から3年間に行ってきた「デザイン」をキーワードに未来を創造するための様々な活動 -ワークショップ、講演会、展示会、冊子の発行など- を紹介します。

内容②
シンポジウム

[デザイン研究教育とオープンイノベーション]様々なアプローチでイノベーションを展開している企業や組織を迎えて、デザインの研究教育と社会での活用方法について考えます。

参加費

申し込み

参加費無料、どなたでもご参加いただけます。※予約優先、当日受付・立見も可能です。
ご予約は下記リンクからお願いします。

宮城大学|シンポジウム参加申し込み(受付終了)

主催 宮城大学デザインスタディセンター
協力 WOW inc.
お問い合わせ 宮城大学事務局広報担当 中木 022-377-8217、kouhou@myu.ac.jp
デザイン思考WSシリーズ担当教員
  • 佐藤 宏樹:事業構想学群准教授
  • 土岐 謙次:事業構想学群教授
  • 本江 正茂:事業構想学群教授
  • 貝沼 泉実:事業構想学群特任助教
  • 小松 大知:事業構想学群特任助教

会場構成:渡邉 武海 、展示協力:中田 千彦(事業構想学群教授)、益山 詠夢(事業構想学群准教授)

宮城大学デザインスタディセンター(DSC)

DSCは、宮城大学を中心として学生・地域の事業者・自治体が集い、共に学び、共にプロジェクトを展開する共創的な教育研究プラットフォームです。多様なバックグラウンドを持つ参加者の交流を通じて、俯瞰的な視座や実践方法を獲得したり、地域資源をデザインの視点から探索してその価値を再評価・創造する活動を2021年から行なっています。主催するプログラムでは、様々な分野でイノベーションに携わるゲストを招き、講演、フィールドリサーチ、制作、プレゼンテーションなどの流れを通してその考え方や実践方法をプロジェクト形式で学んでいます。学内外の学生のみならず地域の企業やクリエイターも参加し、発展的な学修、新規事業創出、社内研修、地域文化振興、ポートフォリオの充実など、様々な目的に活用されています。


MYU NEWS #03

宮城大学デザインスタディセンターでは、2021年の開設以来、学群の枠を超えた知の接続/地域社会との継続的な共創/学外の先進的な知見の獲得を目指し、東北の新たなデザインの拠点として、さまざまな実験的なプロジェクトが展開されています。


MYU Design Study Center STUDIO REPORT 2022

宮城大学デザインスタディセンターの2022年度の活動をまとめた冊子です。2022年度は、宮城大学全体の教育方針に含まれる「デザイン思考」、大学のもつ3学群の「知の接続」、開かれた共創の場を目指した「地域社会との連携」をテーマに計画された3つのスタジオを開講しました。

  • STUDIO 1『(ロゴ)デザインのプロセス』:スタイリングと誤解されがちなグラフィックデザインの役割をとらえ直し、コミュニケーションツールとして用いるためのデザインプロセスを体験。
  • STUDIO 2『肉の未来』:肉という生活に密着したテーマがもつ現代的な問題の広がりに触れ,デザインの視点から私たちがとるべきアクションを模索しました。
  • STUDIO 3『地域文化の再構築と発信』:近年注目が高まる一方で多様な課題を抱える地域文化の情報発信を、編集の視点から考えました。いずれのスタジオでも社会の第一線で活躍する実務家をゲストに招き、レクチャーとフィールドリサーチを含む実践的なプログラムを体験することで、発展的な学びを学内外の参加者で共有することができました。

MYU Design Study Center STUDIO REPORT 2023-2024

宮城大学デザインスタディセンターの2023年度の活動をまとめた冊子です。2023年度は、DSCとアルプスアルパイン株式会社の共同研究の一環として企画・開発されたスタジオワークショップと、DSCの過去3年間の活動を総括する展示・シンポジウムを実施しました。

  • STUDIO 未来とともにある「テマヒマ」の暮らし:スタジオワークショップのテーマは「手を動かすこと」。イノベーションのトッププレーヤーのファシリテーションのもと、文化人類学(伝統)やテクノロジー・アート(現代)の専門家によるゲストトーク、地域の先進的な思想を訪ねるフィールドワークを交え、デザインの視点から未来の社会に向けてアクションを起こす姿勢を学びました。
  • EXHIBITION / SYMPOSIUM「デザインで東北から未来を想像する」:「デザイン」をキーワードとした体験展示・アーカイブ展示と、「デザイン研究教育とオープンイノベーション」をテーマとしたシンポジウムを開催。これまでのDSCの試みから導かれた、東北におけるデザインとの向き合い方におけるヒントが示されました。

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