新着情報
21.03.15
3/8-21「ながしずの漢(おとこ)たち」展を大和キャンパスデザイン研究棟で開催しています/現地WSの様子を動画で公開中/価値創造デザイン学類中田研究室
宮城大学は「プロジェクト・デザイン・クリエイティブ」活動の拠点として 2020 年夏に「デザイン研究棟」を立ち上げました。2月8日には、震災から 10 年を迎えようとする南三陸町で、文化芸術活動の一環として、デザイン学生による彫刻オブジェ制作ワークショップを開催しました。これらの作品に加えて複数の彫刻作品や写真作品を、大和キャンパスデザイン研究棟1Fオープンスタディにて展示していますので、ぜひご参加ください。
開催概要
展示 | 「ながしずの漢(おとこ)たち」展 |
会期 | 2021年3月8日(月)から3月21日(日) ※3月12日と13日は宮城大学の入学試験実施の為休館いたします。 |
時間 | 11:00〜18:00 ※3月19日(金)は9:00~開場いたします。 |
場所 | 宮城大学大和キャンパスデザイン研究棟1階オープンスタディ (981-3298 宮城県黒川郡大和町学苑1番地) |
主催 | ながしずの漢たち実行委員会(代表、中田千彦) |
一般に公開していますので、近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。 ご来場の際には感染予防対策にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。 なお3月11日、3月19日も開館しています。 |
長清水集落に生きる5人の住民をモチーフにした立体彫刻作品を展示
震災からの長い時間が経とうとしています。
宮城大学中田千彦研究室が南三陸町長清水地域の人々の生活の復活や再生を目指して取り組んだ多様なプロジェクトを振り返る中で、懸命に生きてきた彼ら彼女らの凛々しい姿を何かの形で顕在化させ,その勇姿をたたえ、敬意を示すことこそ、ここに長らく関わりを持ちながら共に考え、色々と語り合った私たちにとって、今だからこそできることではないかと思うに至りました。「ながしずの漢たち」は美しい樹々と海に囲まれた環境の中で、彼ら彼女らがこれまでのこと、これからのことを語る言葉と姿の記録を残すことを目的としたアーカイブの制作、そしてその勇姿を讃える造形作品を制作・展示するプロジェクトです。
会場内に展示されている造形作品は、長清水集落に生きる5人の住民をモチーフにした立体彫刻作品です。被災直後に民間の一次避難所として避難してきた住民を受け入れた民宿の女将さん、地域で長らく祭礼を司り、地域の復活の象徴となった二渡神社の宮司さん、長清水の契約講の講長を務める二渡神社の禰宜で宮司さんのご子息、発災時は沖合に漁に出ていて生き残り,その後地域の養殖漁業の再開に奮闘した漁師さん、この漁師さんの妻で地域の海産物を宅配でどこにでも届ける新しいビジネスを立ち上げた起業家の女性の5人がモチーフになっています。彼ら彼女らにインタビューを行い、その資料を読み込むことで感じ取ることのできる人柄を宮城大学の卒業生の写真家に現地で撮影してもらった写真作品をもとに造形化しています。
2021年2月8日、二渡神社にて春の祭礼が執り行われました。正月からこの日まで、地域では年始以来の神事が終わり、この日を機に生業に勤しむことを祀った神に伝える意味がこの祭礼にはあると言われています。新たな生業の日々が始まるよき日に、宮城大学の学生たちと共に制作した彫刻作品を長清水湾に展示してお披露目することができました。集落の方も多数集まり、共に生きてきた身内の勇姿を眺め、この10年を振り返る様々な話題で会場は盛り上がっていました。
<参考>地域再生復興プロジェクト [A Book for Our Future,311](2012年度グッドデザイン賞受賞)
教員プロフィール
・中田 千彦:事業構想学群 教授
住宅設計やインテリアデザイン、地域産業のための施設、アートのための空間デザインなどを行いつつ、出版や編集のメディアデザイン、さらには学生との共同作業によって東日本大震災以降の地域デザインについて考え、新しい時代の地域づくり、空間設計をどのように考えるのか、地域社会にふさわしい環境デザインは何かを研究、実践しています。
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