新着情報
22.05.10
2022年3月「MYU Double Diamond Workshop 2021」展をデザイン研究棟で開催しました/デザインスタディセンター
デザインスタディセンターは、学群を超えた知の接続/地域社会との継続的な共創/学外の先進的な知見の獲得を目指して、企業との共同プロジェクトや、デザイン教育・研究を展開しています。大和キャンパスで行われている「MYU Double Diamond Workshop 2021」について、これまでの活動をまとめた企画展示がデザイン研究棟で開催、ワークショップの様子を体感できる実験的な展示となりました。
Discover/Define/Develop/Deliver
デザインを見つける技術を身につけるための連続ワークショップの記録を展示
デザインは、単にモノの見栄えを整えることではなく、モノの意味を変え、価値を創造する行為そのものです。社会が不確定に見えれば尚のこと、デザインの意義は大きくなっていきます。いわゆるデザイナーだけがデザインをするわけではありませんが、それでもデザインをするには基本的な技術が必要です。宮城大学で行われた連続ワークショップでは、Double Diamond のデザインプロセスの四つの段階それぞれに必要なデザイン技術の習得を目指しました。
Double Diamondとは、イギリスのデザインカウンシルが提唱するデザインプロセスのダイアグラムです。ふたつのダイアモンド(菱形)は、問題をより広くまたは深く探求し(発散的思考)、その後、焦点を絞った行動をとる(収束的思考)というプロセスが、二度繰り返されることを表しています。ひとつめのダイアモンドは、(1) そもそも何が問題なのかを広く探索して見つけ出し(Discover)、(2) 焦点を絞るべき真の問題を定義しなおします(Define)。続く、ふたつめのダイアモンドは、(3) 明確に定義された問題に対して、どんな解決の可能性があるのかを様々な観点から幅広く展開した上で(Develop)、(4) 効果のある具体的な解決策を生み出していきます(Deliver)。 |
異なる8回のワークショップを通して、さまざまな角度からデザインの基本技術を学ぶ
過去8回のワークショップでは、既存の商品パッケージを取り上げ、商品の価値を生み出すために何がどのように表現されているのかを分析し、デザイナーになりきってプレゼンする「なりきりパッケージ」、いつも何気なく使用している人工物を、細部まで詳しく観察・分解したりしながら、詳しくスケッチを描いてみる「観察スケッチ」などさまざまな角度からデザインの技術を学ぶワークショップを実施しました。
動画で紹介している「アイデアスケッチ」は、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)で開発された視覚的なブレインストーミング手法です。言葉だけが飛び交うブレインストーミングではなく、フォーマットを持ったA4用紙にスケッチによってアイデアを可視化することで、より焦点のはっきりしたアイデアを広げていくことができます。
「2020年10月から事業構想学群に着任した本江正茂です。クロスアポイントメント、すなわち東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻との兼務という形になります。東北大学では専攻の他、工学研究科でフィールドデザインセンターを主宰しています。宮城大学と東北大学はコンソーシアムを組み、文部科学省次世代アントレプレナー育成事業EDGE NEXTプログラムを連携実施しました。ここで展示する一連のワークショップは、その成果の一つです。各回90分単発の短いワークショップですが、異なる内容のものを8回のシリーズで実施することで、さまざまな角度からデザインに必要な基本技術の習得をめざしました。実際のデザインプロジェクトが試合なら、これらは素振りや筋トレにあたるもの。普段から繰り返しやってみて、デザインの技を身体化しておきましょう。各回のワークショップの「レシピ」も公開しているので、ぜひ自分達でも試してみてください。」
デザインスキルワークショップ
開催概要
展示名 | MYU Double Diamond Workshop 2021 |
展示期間 | 2022年3月1日(火)~3月31日(木) ※学内限定公開 |
会場 | 宮城大学大和キャンパスデザイン研究棟1Fオープンスタディ |
担当教員 | 本江正茂、友渕貴之 |
主催 | 宮城大学デザインスタディセンター |
共同実施 | 東北大学フィールドデザインセンター、EDGENEXTプログラム |
映像内写真 | 長澤桃子 |
展示デザイン | 貝沼泉実、小松大知 |
担当教員プロフィール
・本江 正茂:事業構想学群 教授
都市・建築デザイン、コミュニケーションデザイン、デザインファシリテーションを専門分野として、情報技術が拓く都市と建築の新しい使い方をデザインし、人々が持てる力を存分に発揮しあえる環境をつくりだすべく研究を進めています。
東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンター
東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンターは、東北大学大学院工学研究科の優れた研究成果及び研究資産を活用し、産業界、国及び地方公共団体と連携し、簡単に正解を出すことのできない問題=「意地悪な問題 (wicked problem)」を抱えた現代社会のリアルな「フィールド」において、様々な領域の技術を統合してモノやシステムに新たな意味を与えて社会に接続していく方法である「デザイン」を通じて、高度な専門性と柔軟な協働性を発揮して問題解決にチャレンジする人材を養成する、多規範適応型コラボレーションによるプロジェクト駆動型デザイン研究・教育プログラムを実践する「センター」です。
「MYU Double Diamond Workshop 2021」は、デザインスタディセンターが主催となり、 東北大学フィールドデザインセンター「デザインスキルワークショップ」シリーズの一環としてEDGENEXTプログラムと共同で実施されたものです。
宮城大学デザインスタディセンター
デザインを通して、新しい価値をどう生み出していくか。日々変化する社会環境を観察し、多様な課題を解決へと導く論理的思考力と表現力、“デザイン思考” は、宮城大学で学ぶ全ての学生に必要とされる考え方です。ビジネスにおける事業のデザイン、社会のデザイン、生活に関わるデザインなど 3学群を挙げてこれらを担う人材を育成するため、その象徴として 2020 年にデザイン研究棟が完成、学群を超えた知の接続/地域社会との継続的な共創/学外の先進的な知見の獲得を目指して、企業との共同プロジェクトや、デザイン教育・研究を展開する「デザインスタディセンター」として、宮城大学は東北の新たなデザインの拠点をつくります。
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