新着情報
22.09.20
7月~8月「(ロゴ)デザイン」を題材としたデザイン思考WSシリーズを実施/デザインスタディセンター
“デザイン思考” は、宮城大学で学ぶ全ての学生に必要とされる考え方です。ビジネスにおける事業のデザイン、社会のデザイン、生活に関わるデザインなど、宮城大学では 3学群を挙げてこれらを担う人材を育成するべく、新たにデザインスタディセンターを構想し、デザイン教育・研究を展開する実験的な取り組みを行っています。7月~8月にかけて、本学学生(学群問わず)を対象に、「(ロゴ)デザイン」を題材とした全5回のプログラムを実施しました。
「(ロゴ)デザイン」は単なる視覚上のレイアウトではなく、
思想を内包し社会的に果たすべき役割をもったコミュニケーションツール
このプログラムは、設定されたテーマに対して“デザインとは何か”という問いを投げかけ、問題提起と活動に取り組むプロセスを通して、学生・教職員含め“デザインについて考える・デザイン思考を理解する”ことを目的としたものです。今回のテーマは「(ロゴ)デザイン」。ロゴは単なる視覚上のレイアウトと考えがちですが、実際に「(ロゴ)デザイン」を構築していくためには、クライアントの思想を内包し、社会的に果たすべき役割を示すコミュニケーションツールであることを、作り手が理解している必要があります。
全5回の構成は、社会の第一線で活躍する実務家による講義を行った上で、「(ロゴ)デザイン」について実務家にアドバイスを受けながら課題解決を模索するワークショップ、またそれらに対する講評(フィードバック)で構成されており、今シーズンは事業構想学群から43名、看護学群から2名、食産業学群から2名の合計47名の学生が参加しました。
#01:DSCオープンレクチャ「コンセプトと(ロゴ)デザイン」
初回はゲストに&Formの丸山 新 氏、広告代理店でグラフィックデザイナーとして活躍されている高橋 恵佑 氏を迎えレクチャを実施。ロゴデザインの視点でプロジェクトとコンセプト、ブランディング等について実例を踏まえてそのプロセスを紹介しました。丸山氏は実務の事例を通して、クライアントのアイデンティティの本質をとらえて最適な表現を選択するプロセスが美しく効果的なデザインにつながることを紹介、高橋氏は、自身のデザインワークの紹介を通じてコンセプトを多角的にグラフィックに落とし込む手法に加え、本学の卒業生として学生時代の自己研鑽を紹介しました。
#02-04:ワークショップ「(ロゴ)デザイン」
参加学生は、4つのグループに分かれてデザインスタディセンターのロゴデザインを進めていきました。毎回高橋氏のデザインプロセスに関するレクチャーを受け、関係者へのヒアリングを通したアイデンティティの発見や、要件からモチーフを発展させる方法など、グラフィックデザインの背後にある様々なプロセスを学びながら制作を進めていきました。
#05:講評
最終回には丸山 新 氏、高橋 恵佑 氏を迎え、各チームが提案するロゴの発表と講評を行いました。プレゼンテーションでは、各チームの作成したグラフィックとそのコンセプトに加え、名刺やレターセットへの応用など実際のコンペティションと同様に様々な利用シーンが合わせて提案され、講評されました。
デザインスタディセンター担当教員である佐藤宏樹准教授は「今回のプログラムは、ブランドアイデンティティのリサーチやモチーフの発見、アイデアのブラッシュアップとその展開など、プロセスそのものとしての“デザイン”を、世界の第一線で活躍するデザイナーに直接学ぶ大変貴重な機会となりました。参加学生には、ここで得た貴重な経験を日々の研究やデザインワークに積極的に活かして欲しいと思います。」とコメントしています。
ゲスト紹介
丸山新 氏:第1回レクチャ、第5回講評会
1978年宮城県生まれ。2001年、イタリアBenetton社主催によるFabrica研究生を経て、2002年渡英。Central Saint Martins美術大学グラフィックコミュニケーションデザイン学科にてタイポグラファーPhil Bainesの元で学び、文学士号を取得。2006年、スイス、キアッソ市立m.a.x.美術館のアートディレクターに就任、5年間の在籍中にスイス国内外にて数々のキュレーション、展示デザイン、告知物等を手掛ける。南スイス州立大学SUPSIのデザイン·コラボレーターを経て2012年に帰国し、&Form LLCを設立。NYタイポディレクターズクラブ「タイポグラフィック優秀賞」(アメリカ)、Premio Mobius「第一等」(スイス)、ラハティポスタービエンナーレ「ファイナリスト」(フィンランド)等をはじめ国内外のデザイン賞を多数受賞。
髙橋恵佑 氏:第1回レクチャ、第2~4回アドバイザー、第5回講評会
DESIGNER, DIRECTOR、1991年 仙台市生まれ、2014年 宮城大学デザイン情報学科 卒業、印刷会社を経て広告代理店勤務、GRAPHIC DESIGN / advertising / poster / logo / art work of music
デザイン思考ワークショップシリーズ(2022春)
今シーズンのWSは下記日程で開催しました。場所はすべて大和キャンパスデザイン研究棟
7月9日 | #01:DSCオープンレクチャ |
7月15日 | #02:ワークショップ「(ロゴ)デザイン」① |
7月22日 | #03:ワークショップ「(ロゴ)デザイン」② |
7月29日 | #04:ワークショップ「(ロゴ)デザイン」③ |
8月4日 | #05:講評 |
宮城大学デザインスタディセンター
デザインを通して、新しい価値をどう生み出していくか。日々変化する社会環境を観察し、多様な課題を解決へと導く論理的思考力と表現力、“デザイン思考” は、宮城大学で学ぶ全ての学生に必要とされる考え方です。ビジネスにおける事業のデザイン、社会のデザイン、生活に関わるデザインなど 3学群を挙げてこれらを担う人材を育成するため、その象徴として 2020 年にデザイン研究棟が完成、学群を超えた知の接続/地域社会との継続的な共創/学外の先進的な知見の獲得を目指して、企業との共同プロジェクトや、デザイン教育・研究を展開する「デザインスタディセンター」として、宮城大学は東北の新たなデザインの拠点をつくります。
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