宮城大学デザインスタディセンター(センター長、土岐謙次)は、大学を地域に開き、学生・企業・クリエイター・自治体職員等が集い、デザインを共に考える教育研究プラットフォームです。デザインの視点から東北の地域資源を探索し、その価値を再評価・創造することが大きなテーマのひとつです。これまで様々な分野のゲストや、多様なバックグラウンドを持つ参加者との交流を通して“デザインについて考える・デザイン思考を理解する”学びを幅広い層に提供してきました。このたび「宮城大学デザインスタディセンター」3年間の活動が評価され、2024年度グッドデザイン賞を受賞しましたのでお知らせいたします。
地域の共創的な教育研究プラットフォーム 宮城大学デザインスタディセンター (2024 GOOD DESIGN AWARD 公式サイト)カテゴリ:教育・推進・支援手法、受賞番号:24G191555 デザイナー:事業構想学群 准教授 佐藤 宏樹、教授 土岐 謙次、本江 正茂、特任准教授 貝沼 泉実、特任助教 小松 大知、事務局企画・入試課 中木 亨 |
デザインは広く社会と向き合う仕事であり、社会の様々な場面で抱える本質的な課題は、世代や立場を越えた普遍性を帯びています。デザインスタディセンターの活動は広く一般の人々を対象としており、特定の職能や社会的地位に関わらず誰にとっても普遍的なテーマに対し、レクチャー・フィールドリサーチ・制作・プレゼンテーションなどを通して体験としてテーマについて理解を深める工夫をしています。
例えば、誰もがよく知る「肉」や「藁」といった身近なものに潜在する課題を深く考え、ディスカッションを行い、我々は「何を知らないのか?」ということにあらためて気付きを得たり、「鹿踊」といった地域芸能の体験・調査を通して、文化の成り立ちを深く理解するといったことを題材にしてきました。多彩なゲスト講師がユニークな組み合わせで参加したり、企業・クリエイター・自治体職員等などの多様なまなざしが集まってみなが共に探索することで、創造的思考を刺激する取り組みを行うことができました。
2024 GOOD DESIGN AWARD「教育・推進・支援手法」審査評産学官の軽やかな連携によって大学の枠組みを拡張し、新しい学びの場を創出している。一次産業に近いフィールドを対象とし、地域資源と密接に紐づいた活動を継続的に行っている。さらにそれらを外部の人に伝わるメディアとして継続的にアウトプットしている。これらの点から、「東北のデザイン教育研究拠点の形成」という初期の目的は十分達成されている。今後も専門領域に縛られず、フィールドリサーチやワークショップといった地域に根差したアクションを通じて、地域の未来に向けた活動を広げていってほしい。 |
宮城大学は、デザインを通して新たな事業の構想が社会に実装されることで、より豊かな価値が創造されることを目指し、「デザイン」を社会経済活動の重要な役割の一部として位置づけています。また、本学には食を扱う食産業学群、生命に寄り添う看護学群があり、包括的に現代の社会課題を捉える上で様々な文化、歴史、地域資源に非常に恵まれた教育研究環境にあります。大学と地域の多様性、その本質的な価値をデザインの文脈で活かしていく「東北に新しいデザインの拠点をつくる」宮城大学デザインスタディセンターの今後の取り組みにご注目ください。
本リリースに関するお問い合わせ先 宮城大学事務局企画・入試課、広報担当:中木/電話:022-377-8217、メール:kouhou@myu.ac.jp |
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。これまで受賞件数50,000件以上にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」は、よいデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
DSCは、宮城大学を中心として学生・地域の事業者・自治体職員等が集い、共に学び、共にプロジェクトを展開する共創的な教育研究プラットフォームです。多様なバックグラウンドを持つ参加者の交流を通じて、俯瞰的な視座や実践方法を獲得したり、地域資源をデザインの視点から探索してその価値を再評価・創造する活動を2021年から行なっています。主催するプログラムでは、様々な分野でイノベーションに携わるゲストを招き、講演、フィールドリサーチ、制作、プレゼンテーションなどの流れを通してその考え方や実践方法をプロジェクト形式で学んでいます。学内外の学生のみならず地域の企業やクリエイターも参加し、発展的な学修、新規事業創出、社内研修、地域文化振興、ポートフォリオの充実など、様々な目的に活用されています。
宮城大学デザインスタディセンターでは、2021年の開設以来、学群の枠を超えた知の接続/地域社会との継続的な共創/学外の先進的な知見の獲得を目指し、東北の新たなデザインの拠点として、さまざまな実験的なプロジェクトが展開されています。
宮城大学デザインスタディセンターの2022年度の活動をまとめた冊子です。2022年度は、宮城大学全体の教育方針に含まれる「デザイン思考」、大学のもつ3学群の「知の接続」、開かれた共創の場を目指した「地域社会との連携」をテーマに計画された3つのスタジオを開講しました。
宮城大学デザインスタディセンターの2023年度の活動をまとめた冊子です。2023年度は、DSCとアルプスアルパイン株式会社の共同研究の一環として企画・開発されたスタジオワークショップと、DSCの過去3年間の活動を総括する展示・シンポジウムを実施しました。
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