カリキュラム・ポリシー(学群・令和5年度)*

宮城大学

各学群で定める教育目標を実現するため、ディプロマ・ポリシーに掲げた5つの構成要素に基づき、以下の方針によりカリキュラムを体系的に編成・実施する。

・豊かな人間性とともに基礎となる学力の形成を図る基盤教育科目と、専門的な知識と技能を修得する専門教育による体系的なカリキュラムを編成する。

・授業は、知識を体系的に獲得する講義、その知識を実践的に修得する演習・実験・実習により実施する。また学生の主体的な学びを促進するための教育プログラムを各学群で実施する。

・基盤教育科目は、将来にわたって明日の姿を見通すための力を身につける技法知・学問知・実践知を修得するための宮城大学共通の教育基盤として、以下の方針により編成する。また、基盤教育科目の中核として、将来の社会に求められる基礎力の養成と地域社会や情報技術の理解のためのフレッシュマンコア科目を置く。

知識・技術

幅広い知識と技術を修得するため、社会科学、自然科学、芸術・人文学、人間科学、情報統計の諸種の学問領域における広範な知識・技術を修得するための科目群を置く。

思考力・判断力

科学的根拠に基づく論理的な思考・判断力を養成するために能動的な学修機会を積極的に設けるとともに、フィールドワーク等を通じて実践的な課題に取り組む学修機会を設定する。

表現力

自己表現の技術と他者とのコミュニケーション力を育成するために、発表や議論の場を積極的に設ける。またグローバルコミュニケーション科目を通じて国際的なコミュニケーション力の育成を図る。

主体性

主体的に学び続ける力を養成するために、導入科目において自らの将来を踏まえ主体的に学ぶことの意義を理解するための教育を実施する。

協働性

他者との協働性を養成するために、導入科目を中心として協働的な活動を取り入れた教育を展開する。

 


看護学群

看護学群看護学類では、看護学の基盤となる知識・技術を身につける専門基礎科目と看護学の専門性を深め、拡げる専門科目を学年進行に沿って体系的に配置する。看護専門職としての共通基盤を形成する看護師教育課程と共に、看護学の専門性を拡げる保健師教育課程ならびに養護教諭教育課程を置く。

知識・技術

看護学の関連科目や、看護の各専門分野における知識と技術を身につける科目を配置し、実習室での演習や見学実習等を取り入れた実践的な教育を行う。

専門基礎科目として、看護の対象者である人の心身の発達過程や人体の構造・機能について学ぶ科目、人々の健康を守る上で必要となるさまざまな病気の成り立ちや症状・病変の特徴と治療や回復過程および、疾病の予防と健康の維持・増進について学ぶ科目を置く。

専門科目として、看護学の基礎となる知識と概念、看護が行われる場や看護を提供するシステム、看護に有用なICTの活用等について学ぶ科目や、対象者のニーズを充足する上で必要となる基本的な援助技術を身につける科目、さらにさまざまな発達段階や健康レベルにある対象者のニーズを把握し、科学的思考に基づく判断と根拠に基づいた援助技術を身につける科目を置く。

思考力・判断力

講義科目と演習科目ならびに実習科目を連動させ、人々の健康に関わる課題を、科学的思考過程を経て明確化し、適切な臨床判断に基づいた課題解決につなげる教育を行う。

専門基礎科目として、医療における情報の収集や分析、伝達等に関する基本的な性質や特徴を理解し、問題解決手法の基礎等について学ぶ科目を置く。

専門科目として、さまざまな発達段階や健康レベルにある対象者のニーズを把握し、科学的思考による判断と根拠に基づいた技術を通して、ニーズに即したケアを展開する基礎的能力を身につける科目を置く。

表現力

グループ学習を取り入れ、ディスカッションや実習室での演習、実演、実習等を通して人との関係づくりについて体験的に学び合う教育を行う。

専門基礎科目として、看護の対象となる人と良好な関係性を築きながら看護を実践する上で必要な倫理観や洞察力、コミュニケーション能力等を養う科目を置く。

専門科目として、個人や家族、集団と関わり、援助を実践する過程において必要となる基本的なアプローチの方法や、振り返りを通して自らの援助技術を高める方法等について学ぶ科目を置く。

主体性

看護専門職を目指す上で基盤となる科目とともに、幅広い視野から看護を学ぶ科目を配置する。学修過程を振り返る機会を通して、看護専門職として目指す方向性の選択を支援する教育を行う。最終年次においては、個々の学生が関心を持った看護専門領域や課題を選択して実習や研究に取り組み、  看護専門職として主体的に学び続けるための基本的態度を養う教育を行う。

専門科目として、人や地域社会が抱える健康課題の解決に向けた看護を主体的に展開する総合的実践力を身につけるための科目や、看護現象を科学的に分析し、看護実践の向上を目指す研究的態度を身につけるための科目を置く。

協働性

講義により基礎的な知識や態度を身につけ、演習や実習での多様な人々とのコミュニケーションや関わりを通して、看護専門職として、人や地域社会が抱える健康課題を解決するための基本的な態度を養う教育を行う。

専門科目として、地域のケアシステム、関係職種による連携・協働、社会資源の活用を通して、地域療養を支援する実践能力を身につける科目や、質の高い看護を組織的に提供するためのマネジメントやチーム医療における看護専門職の役割、医療者間の協働とコミュニケーションについて学ぶ科目を置く。

 


事業構想学群 事業プランニング学類

現実の社会で顕在化している諸問題を分析し、新たなビジネスモデルの構築と運営できる能力(事業プランニング力)を育成することを目的にカリキュラムを構成する。
事業プランニングにおける専門力を高めるため、事業プランニングを、戦略的な事業モデル構築を対象とした「事業戦略」、企業・事業の運営管理を対象とした「事業管理」に分類し、各系の専門科目を置く。

知識・技術 事業構想学の学びに共通して基礎となる概念や理論、分析手法を教授するとともに、事業プランニング学の基礎となる経済学や数理分析に関する基本的な理論を教授するための専門基礎科目を置きます。それを基盤に履修コースに応じた専門科目を展開します。
事業戦略コースの専門科目では、戦略的な事業構築に必要とされる経済学や経営学に関する理論および調査・立案手法を教授します。
事業管理コースの専門科目では、企業・事業の運営管理に必要とされる経営資源の管理に関する理論およびデータ分析手法を教授します。
自らの履修コース以外の専門科目を関連科目とし、専門に応じて必要な知識を補完します。
思考力・判断力 事業プランニングに必要とされる定量的かつ論理的な思考力とリスクを含めた判断力を育成するために、各コースの専門科目と協調した演習科目を置きます。
表現 表現力を育成するために、演習や卒業研究に関する自らの発表機会を積極的に設けるとともに、講義科目においても学生の表現力育成を考慮した教育方法を採用します。
主体性 専門演習科目において、学生が主体的に創造する能力を育成するための課題設定を行います。
最終年次においては、学生がそれまでに身につけた知識・技術と思考力・判断力・表現力を総合的に生かして、自らが観察・分析により発見した事業プランニングの課題に取り組む「卒業研究」を設けます。
キャリア教育では、事業構想の諸分野を知り、その中で自分の将来像をデザインできるようにするためのプログラムを取り入れます。
協働性 学生の協働性を育むために、学生がチームでプロジェクトに取り組む演習を配置します。また講義科目においても学生の協働性を生かした教育方法を採用します。
実社会における協働能力を養うために、学外でのインターンシップを取り入れたキャリア教育を実施します。

 


事業構想学群 地域創生学類

現実の社会で顕在化している諸問題を分析し、地域資源を活用することで新たな地域を創生する能力を育成することを目的にカリキュラムを構成する。地域創生における専門力を高めるため、地域行政・政策・まちづくり・地域産業・企業・農業・NPOと言った多様な対象や、地域における社会、経済、環境、文化等の諸現象の科学的分析手法を幅広くかつ掘り下げて学ぶことが可能なカリキュラムを編成する。

知識・技術

事業構想学の学びに共通して基礎となる概念や理論、分析手法を教授するとともに、地域創生学の基礎となり、基本的な理論の概要を教授する地域創生学概論および地域学を必修の専門科目として設ける。

専門科目では、地域課題を見出し、その課題解決に求められる理論や方法、さらには、地域・社会構造に関する理論や定量分析手法を教授する。

地域創生学類以外の専門科目を関連科目とし、自らの専門に応じて必要な知識を補完する。

思考力・判断力

地域創生に必要とされる地域・社会への洞察力と客観的な思考力および論理的な判断力を育成するために、専門科目,  関連科目と連携した演習科目を置く。

表現力 表現力を育成するために、演習や卒業研究に関する自らの発表機会を積極的に設けるとともに、講義科目においても学生の表現力育成を考慮した教育方法を採用する。
主体性

専門演習科目において、学生が主体的に創造する能力を育成するための課題設定を行う。

最終年次においては、学生がそれまでに身につけた知識・技術と思考力・判断力・表現力を総合的に生かして、自らが観察・分析により発見した地域創生の課題に取り組む「卒業研究」を設ける。

キャリア教育では、事業構想の諸分野を知り、その中で自分の将来像をデザインできるようにするためのプログラムを取り入れる。
協働性

学生の協働性を育むために、学生がチームでプロジェクトに取り組む演習科目を置く。また講義科目においても学生の協働性を生かした教育方法を採用する。

実社会における協働能力を養うために、学外でのインターンシップを取り入れたキャリア教育を実施する。

 

事業構想学群 価値創造デザイン学類

人間の感性や地域の資源に応じた新しい価値を創造できるサービス・生活環境・製品(ものづくり)を探求創造する能力(価値創造デザイン力)を育成することを目的にカリキュラムを構成する。
価値創造デザインにおける専門力を高めるため、メディア創造を対象とした「感性情報デザイン」、空間創造を対象とした「生活環境デザイン」に分類し、それぞれを履修コースとして定める。

知識・技術

事業構想学の学びに共通して基礎となる概念や理論、分析手法を教授するとともに、価値創造デザイン学の基礎となる人間の感性や認知に関する基本的な理論を教授するための専門基礎科目を置く。それを基盤に履修コースに応じた専門科目を展開する。

感性情報デザインコースの専門科目では、メディア開発のために必要とされる情報メディアに関する理論やプログラミング技術を教授する。

生活環境デザインコースの専門科目では、生活環境創造に必要とされる空間構成や構造に関する理論・技術を教授する。

両コースに共通した関連科目として、ものづくりを対象とした科目群を設け、製品デザインの基礎理論や地域風土に適応したデザインについて教授する。

思考力・判断力

価値創造デザインに求められる分析力・発想力・設計力を育成するとともに、実務に必要なプロセスを理解するために、各コースの専門科目と協調した演習科目を置く。

表現力

表現力を育成するために、演習や卒業研究に関する自らの発表機会を積極的に設けるとともに、講義科目においても学生の表現力育成を考慮した教育方法を採用する。

主体性

学期毎に設ける専門演習科目では、学生が主体的に創造する能力を育成するための課題設定を行う。

最終年次においては、学生がそれまでに身につけた分析力・発想力・設計力を総合的に生かして新たな価値を創造できるデザインを行う「卒業研究」を設ける。

キャリア教育では、事業構想の諸分野を知り、その中で自分の将来像をデザインできるようにするためのプログラムを取り入れる。

協働性

学生の協働性を育むために、学生がチームでプロジェクトに取り組む演習科目を置く。また講義科目においても学生の協働性を生かした教育方法を採用する。

実社会における協働能力を養うために、学外でのインターンシップを取り入れたキャリア教育を実施する。

 

食産業学群 生物生産学類/フードマネジメント学類

食産業の課題について自ら進んで取り組み、地域資源を活用しつつ、科学的知見と国際的視点から解決し、未来を開拓できる能力を養う体系的カリキュラムを設ける。
担当教員とコミュニケーションを取りつつ、これまで学修した知識や技術、表現力を駆使し、思考力・判断力を用いて主体的に取り組む卒業研究を置く。
地域の生物資源の高付加価値化や生産方法に関する知識・技術を修得するため、「生物生産学類」を設置する。
適切なフードシステムの構築に必要なサイエンスとビジネスの両面の知識・技術を修得するため、「フードマネジメント学類」を設置する。

知識・技術

基盤教育の知識や技術をベースに、食産業に関する多様な分野における実践的な知識と技術の修得ができるよう、自然科学分野および社会科学分野の両面について、基礎から応用に至る体系的な教育を行う。また、自然科学分野と社会科学分野の双方を並行して学ぶことが望ましいことから、いずれの分野についても学修することとし、カリキュラム上もその機会を設ける。

生物生産学類では、陸圏および水圏の生物生産とその供給、生産環境技術、経済・経営等の食産業に関わる幅広い視点から、生物学の基礎的知識、食料生産の技術と経営の基礎的理論を学修する講義、これらの理論を実践できる実験・実習・演習を専門基礎科目として置く。さらに専門科目では、動・植物や微生物の資源開発や付加価値生産、また持続的な生産と供給に寄与する制御技術や生産環境、経営に活用できる先端的知識を学修する講義、これらの知識を実践できる実験・実習・演習を置く。

フードマネジメント学類では、経済、経営、マーケティング、食産業関連政策等、フードビジネスの各分野を学修する講義、食品科学の基礎を学修する講義、これらの実践的な学修機会としての実験・実習・演習を専門基礎科目として配置する。専門科目では、フードシステムの一体性の観点をふまえ、戦略的な経営を実践するための知識、食の歴史や文化、食を扱う企業の行動倫理、多様なニーズに対応する新規食品の開発技術、食品の衛生・管理技術を学修する講義、これらの知識を実践できる実験・実習・演習を置く。

思考力・判断力

生物生産やフードシステムの各分野で必要な統計的な解析法やエビデンスベースの分析理論等を学修できる専門基礎科目を置く。

専門科目では、専門基礎科目で学修した分析手法を実際に活用し、食産業における課題の設定、解決法の立案、結果の考察、次の課題の抽出、といった一連のスキームを取り入れた実験・実習・演習を実施する。
表現

生物生産やフードシステムの各分野に関する論理的分析や考察について、文章や口頭で的確に表現する機会を積極的に取り入れた専門基礎科目を置く。

専門科目では、食産業の現状を正確に説明し、持続的発展に寄与できる分析や考察を提示する能力を養うために、ディスカッションやプレゼンテーション、論文作成等を取り入れた成果発表型のプログラムを実施する。

主体性

食産業の幅広い視野を持てるよう多様な科目を配置するとともに、学生の自発的な学修を実践するため、自らの将来目標に従って履修科目を選択できるようにする。

実験・実習・演習の専門科目では、自らの知識と取組により課題発見と課題解決ができるよう探求的プログラムを実施する。

キャリア教育では、食産業の現場において、自分の将来像をデザインできるようにするためのプログラムを取り入れる。

協働性

互いにコミュニケーションをとり、話し合い、協力する能力を養うため、グループで取り組む活動を実験・実習・演習等の専門基礎科目や専門科目に置く。また講義科目でも協働性を培える機会には、こうした教育的実践を行う。

 

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