新着情報

20.12.08

11/18コロナ禍における看護教育の先進事例として,文部科学省による視察がありました/老年看護学実習

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,全国的に看護実習が困難となる事態が数多く生じています。文部科学省では,これらの実態と,代替実習を把握するために,全国の先進事例を収集しており,11月18日,本学の「老年看護学実習」がそのひとつとして,文部科学省医学教育局看護教育専門官である高橋良幸氏をはじめ3名の視察を受けました。

創意工夫で代替実習を実施,特別養護老人ホームの環境を学内で想定

老年看護学実習とは,看護学類の学生を対象とした3年次後期開講3単位の必修科目です。この実習は,老性変化や健康障害に伴う生活機能の低下・障害により,様々な健康課題を有し,医療施設や介護保険施設で療養生活している高齢者と,その家族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目的として,基礎的・基本的な看護実践能力を養う実習です。例年の場合,学生たちは病院や介護老人保健施設,特別養護老人ホームなどでの現地実習を含めた3週間の実習を通じて,以下の能力を養います。

  1. 高齢者とその家族の特性及び高齢者が療養している場の特性が理解できる。
  2. 高齢者とその家族に対し,適切な看護過程の展開ができる。
  3. 老年看護に携わる看護職の役割・機能を理解し,自己の高齢者観・老年看護観を振り返ることができる。
  4. 主体的に実習の取り組み,自己の老年看護実践上の課題が検討できる。

しかしながら今年度は,特別養護老人ホーム(以下,特養)での実習ができない状況が続いています。本学では「INTO特養」という,人生ゲームを模して,特養に入居する高齢者の身体的・社会的・心理的プロセスの体験ができる新しい学内実習を開発,本来の実習目標の到達レベルを下げることなく,想像力や創造力を養いつつ看護の学修を工夫しています。

老年看護学領域

看護学群のカリキュラムにある「老年看護学」の教育・研究・社会貢献を担う領域です。老年看護学は,老年期を生きる高齢者が,人生の最後までその人らしく豊かな暮らしができる看護を探求しており,これからの超高齢社会に不可欠な,新しい看護を創出している学問分野です。私たち老年看護学領域の教員は,高齢者とその家族の健康的で豊かな暮らしをめざし,老年看護学の研究・教育・実践をしています。

看護学群について

看護学群は,生命の尊厳を基盤とする豊かな人間力を備えて,科学的思考とマネジメント能力を持ち,ヒューマンケアを中核とした創造的な看護を展開し,地域の人々,多分野・異文化の人々と協働して学際的に活躍できる人材育成を目指しています。看護学の基盤となる知識・技術を身につける「専門基礎科目」と,看護学の専門性を深め,拡げる「専門科目」を学年進行に沿って体系的に配置しています。卒業時に取得できる資格・免許は,「看護師国家試験受験資格」が全員,保健師教育課程を選択した学生は「保健師国家試験受験資格」,養護教諭教育課程を選択した学生は「養護教諭一種免許状」を取得できます。

TOP