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24.11.21
【シローの店×宮城大学】11/18伊藤研究室の学生らが制作した記念ロゴをシローの店創業50周年記念式典で発表しました
価値創造デザイン学類伊藤真市研究室は「デザイン思考の可能性」や「感覚合理性におけるデザイン評価」を探求のテーマとして、社会貢献活動や産学連携活動、地域のイベントに関わる制作物のデザインや、子どもを対象としたデザインやアートのワークショップなどを展開しています。宮城県の美容室である「シローの店(有限会社サロンド・シロー)」が創業50周年を迎えるにあたり、伊藤研究室の学生らが協働し50周年記念のロゴ制作・ブランディングの検討を行うプロジェクトを展開、11月18日にホテルメトロポリタン仙台にて行われた創業50周年式典にてこれら成果物が発表されましたのでお知らせいたします。
50周年の節目を記憶に残るものにしたい、地域のお客様に感謝とともにお知らせしたい
オリジナルロゴを尊重した50周年記念ロゴやグッズ展開を学生らが提案
「シローの店」は50年もの間、仙台に根付き、美容技術の研鑽と同時に時代に合わせた新技術やメニューの導入など地域における「生涯美容室」としてのサービスを提供し続けてきた美容室です。今回のプロジェクトは、地元に根ざす美容室が創業50年を迎え、地域の人にどのように映るのが良いのか、学生の視点で捉え、これからの展開につなげるためのプロジェクトです。
プロジェクトには、伊藤真市准教授によるディレクションのもと、卒業生の利部美由起氏(10期生)をアドバイザーとして、価値創造デザイン学類の学生3名(花見愛、菅原椎、大住有加)が参加。髙内勝志社長に何度もヒアリングを行い、お店の歴史、働くスタッフの思い、どのような顧客に愛されているのか、また今後展開していく方向性などについて調査を行いました。これらを受けて、複数のロゴ制作を行い、社内スタッフへ聞き取り・意見を募ることで、最終的には以下のコンセプトを持つロゴを制作しました。
- スタッフの育成や福利厚生を強く意識してきたことから、スタッフのオリジナルロゴへの愛着・信頼の強さを尊重し、オリジナルロゴの女性・ハサミのモチーフを活かす
- オリジナル商品として展開を予定しているシャンプー&トリートメントや、様々な美容品を示唆する要素を加える
- 個性豊かなスタッフ、若者から年配まで様々な方を大切にしてきたことを示すため、にぎやかで、かつ美容室らしいやさしい印象を与えるものであること
- 志の高い経営をするため、これら要素の中に漢字の志(「シローの店」として愛されている会長・社長の名前の文字でもある)を隠して挿入すること
- 様々なグッズにも展開でき、シールや缶バッチなどにも使いやすいものであること
今回のプロジェクトを企画した髙内勝志社長は「今回、公立大学である宮城大学と連携できたことで、学生とスタッフが一緒に考えてロゴの作成を進めることができた。宮城大学が地域の企業を大事にする姿勢を感じ、またそれに賛同することで、学生の短期間での成長が感じられ非常に良い経験だった。業務としてただデザインを発注するのではなく、互いに知り、対話をしながら物事を進めていくには、発注側としても社内ディスカッションをして意見をまとめる必要があった。そのディスカッションを通して今まで培ってきたブランドを再認識することもしばしば。変革する社会の中で、大きな発展を目指したり縮小する効率化とは違う、シローの店は『smart is cool』が適切なのだと考える。大変感謝している」とコメントしました。
また、今回のプロジェクトで中心となった花見さんは「今回のブランドロゴのデザインを通して、そこで働く様々な方々が自分の思いをお話するきっかけになったと思います。私としても、今回の経験を通して、デザインのお仕事はあくまでクライアントのためであって、その企業らしさをデザインに落とし込むためには対話を通してクライアントのことを深く知り、理解することがとても大切であると学びました。実際にお話を伺うなかで、50年という長い間続くシローの店の思いや工夫を知ることができましたし、伊藤先生のディレクションのもと、私自身の成長にもつながるとても貴重な経験をさせていただいたと感じています。宮城大学ならではの貴重な学びの機会をありがとうございました」とコメントしています。
指導教員プロフィール
・伊藤 真市:事業構想学群准教授
生活者や文化環境の視点からデザインの在り方について探求しています。色彩・形態・素材といった造形的な表現や、色と光が醸し出す空間表現のみならず、「デザイン思考の可能性」や「感覚合理性におけるデザイン評価」の探求がテーマです。社会貢献活動として、地域のイベントに関わる制作物のデザインや、子どもを対象としたデザインやアートのワークショップなども継続的におこなっています。