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22.02.07

2/2地域創生セミナー「海洋生物多様性と気候変動―海と海のまちは何をみているか―」を開催しました/地域創生学類

地域創生学類では、社会課題解決に寄与する事業創造や地域政策、それらの根拠を導く科学的分析手法を学び、社会に貢献する人材の育成を目指しています。地域創⽣学類の対象領域とするテーマに関して、最新動向や新たな知⾒を得る学習の場として、2月2日、第2回地域創生セミナー(全4回予定)を開催しました。

海が示すメッセージを見続け、データにしていくことの重要性

宮城県は全国屈指の水産県であり、金華山・三陸沖は親潮と黒潮が交わる世界有数の漁場です。今回セミナーでは、前半は南三陸町で海洋生態系の研究や保全、活用に関わる研究者である阿部 拓三氏による「ラムサール条約湿地『志津川湾』の自然環境 ~多様性と変化の現状~」としたレクチャと、同町在住で環境政策や地域振興で活動する NPO 法人の代表者太齋彰浩氏から「CO 2 排出がひきおこす海の異変」としたレクチャを実施しました。後半は、宮城県水産技術総合センター所⾧である伊藤 貴氏と本学教員を交え、ディスカッションを行いました。

レクチャでは、年間を通じた志津川湾の表層から深層までの温度変化、黒潮と親潮の北上と南下の様子、近年捕獲される魚種の変化等が具体的な図やグラフで説明され、その特徴と変化の状況を参加者が改めて理解する機会となりました。また、ディスカッションでは、会場の本学学生や教員、企業の代表、オンラインで参加の水産庁専門官等から、「まず海で起きている現象を知り、皆でその問題を共有することが大切」との指摘がありました。多様な団体や個人による「参加」の場が実現したレクチャともなりました。

講師プロフィール

阿部 拓三 氏

南三陸ネイチャーセンター研究員。仙台市出身。岩手大学非常勤講師。博士(水産科学)。大学時代は北海道で海洋生態学を学ぶ。ダンゴウオやカジカ類など北の魚の生態研究が専門。東日本大震災後、南三陸ネイチャーセンター復旧と、志津川湾のラムサール条約湿地登録に関わる。地域密着型の研究・教育活動を通し、東北の海の魅力を伝える活動に取り組む。

太齋 彰浩 氏

一社サスティナビリティセンター代表理事。民間機関の研究者を経て、フィールド密着型の教育を志し2000 年南三陸に移住、施設再生により年間数千人の交流人口を創出。東日本大震災後町職員として壊滅した水産業の復興に奔走するとともに、「循環型でレジリエントなまちづくり」を目指した南三陸町バイオマス産業都市構想実現に貢献。2018 年 4 月より現職。「森里海ひと いのちめぐるまち」の実現を目指す。

伊藤 貴 氏

宮城県水産技術総合センター所⾧。仙台市出身。仙台第三高等学校、北海道大学水産学部卒業。1988 年宮城県入庁後、宮城県水産試験場(当時)を始め気仙沼水産試験場、内水面水産試験場で 14 年間水産増養殖や魚病関係の試験研究業務に携わり、県庁や地方水産行政部署を経て 2019 年 4 月水産技術総合センター副所⾧、2021 年 4 月から現職。

地域創生セミナーとは

地域創⽣学類の対象領域とするテーマに関して、外部講師によるレクチャや学内教員とのディスカッションを行いながら、最新動向や新たな知⾒を得る学習の場として、地域創⽣学類が主催するセミナーです。学類に所属する学生の他、学類配属前の1年⽣や、学類教員、テーマによって学外の関係者も参加することが可能です。

地域創生学類について

地域創生学類

地域創生学類では、社会課題解決に寄与する事業創造や地域政策、それらの根拠を導く科学的分析手法を学び、ソーシャル・イノベーションをもたらす原動力となり、社会に貢献する人材の育成を目指しています。

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