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新着情報

22.03.07

小澤知夏さんらが開発したサービス『Chermo(チャーモ)』がDA-TE APPs!2022 ITコンテストで最優秀賞を受賞しました/事業構想学群

事業構想学群に所属する小澤知夏さんは,サイエンス・テクノロジー・アート・デザインをはじめとして,社会における情報の仕組みや流れ,情報そのもののありようなどを多角的に扱う「学際情報学」に興味を持っています。メディアアートが感性と理性が出会う場所であるように,芸術と情報の親和性も高いものであると考え,現実に少し情報をプラスすることで,世界の見え方を変えたり広げたりするようなデザインに取り組んでいます。今回,小澤知夏さんらによるチーム「local hackers」の作成した新しいWEBサービス『Chermo(チャーモ)』が,GLOBAL Lab SENDAIが運営するDA-TE APPS! 2022ITコンテストで最優秀賞を受賞しました。

自分だけの特別な紙の本をつくる『Chermo(チャーモ)』

小澤さんらが提案したサービス『Chermo(チャーモ)』は,自身が執筆したnote(ユーザーが文章やマンガ,写真,音声を投稿することができるサービス)の記事を製本化するサービスです。ユーザが無料公開しているnoteの記事から,本にしたい記事のリンクを入力,必要な項目を入力すると『Chermo(チャーモ)』がデザインしたシンプルな装丁を纏ったA6版の文庫本が届けられます。記事は,和文の文庫本のように縦書きに,文章に集中できるように写真やイラストなどの挿絵は使用せず「自分が書いた本」を手に取り読んだ時の感動を楽しむことができます。

Chermo (C)LocalHackers

このサービスはZ世代をターゲットとしています。Z世代は,SNSを駆使して自分の価値観を発信できる世代であり,インスタントカメラのブーム再燃などに見るように”平成のエモさ”に憧れを持っており,富士フィルムによるチェキ(instax)購入層の調査では,ユーザーのほとんどがZ世代であり「リアルの写真が,新鮮な価値あるものとして感じられた」という声が寄せられています。小澤さんらはこれを「デジタルをフル活用してアナログを楽しむ姿,モノに触れることに価値を感じているのではないか」と捉え,デジタルをフル活用してモノに触れる,そのプラットフォームとして「本」を発行する文化に着目しました。「SNSでも楽しめる紙媒体」それが『Chermo(チャーモ)』です。

製本イメージ (C)LocalHackers

Chermo(チャーモ)』は,2022年2月にすでに公式版がリリースされています。4ステップで注文でき,最短4日で納品される気軽に利用できるサービスです。サービスのリリース後「過去を見直すきっかけにもなる,noteの執筆意欲が上がる」として,Z世代以外のユーザにも注目されていることがわかり,今後の展開が期待されています。

DATEAPPSは,仙台市とGLSが展開する東北最大級のビジネス&ゲームコンテストとして,2014年から毎年開催しています。そのうち「ITコンテスト」は,東北の学生が,IT企業やベンチャーキャピタルの指導のもと,身近な課題を解決するためのITサービスの企画・設計・開発を半年間かけて学び,プレゼンテーションを行い,総合的な審査のうえ最優秀賞を決定するものです。課題を明確化したうえでの企画設計の難しさ,技術的難しさを要するアプリ開発・ビジネスプランの作成を経て開発されたサービスは,プレゼンの時点ですでに市場にリリースされており,いずれも非常に完成度が高いものばかりでした。小澤さんらの『Chermo(チャーモ)』はその中でもトップバッターでプレゼンテーションを行い,最優秀賞を勝ち取りました。

東北の伝統文化や感性が関わるライフスタイルに注目し研究に取り組んでいきたい

小澤さんはこの他にも多数のコンテストで,ファイナリストとしての出場や,受賞を果たしています。

  • 2020 全国DATA/AI IDEATHON 優秀賞(2年連続)
  • 2020 AI/SUM&TRANS/SUM 全国大学ビジコン 出場(2年連続)
  • 2020 ICTビジネスコンテスト東北大会 女性起業家賞
  • 2021 ICTビジネスコンテスト全国大会 ナイスビジネス賞
  • 2021 DA-TE APPs!2021 IT部門 ファイナリスト
  • 2021 仙台IDEATHON+2021 ファーストステップ大賞
  • 2022 多賀城市ビジネスプランコンテスト ビジネスプラン部門 入賞
  • 2022 DA-TE APPs! 2022 IT部門 最優秀賞
  • 2022 ICTビジネスコンテスト北海道東北大会 キャンパス準グランプリ

2021年度には,宮城大学デザインスタディセンター×WOW「いのりのかたち展」-『うつし』の映像作品にも参加・出演するなど,幅広く活発に活動しています。「いのりのかたち展」は,ビジュアルデザインスタジオである WOWと連携し,東北地方の“信仰や祈り”をテーマとした先進メディア表現による企画展示です。

小澤さんは次のようなコメントを寄せています。「今後も『Chermo(チャーモ)』のサービス運用を継続して行う予定です。スタートアップのように指数関数的な成長ができるように,運営方法の見直しやサービスの充実をしていきます。私は言われるまで気づかなかったのですが,ユーザーからお金を得て利益を出している時点で既に起業らしいんですね。ずっと憧れていたパラレルキャリアを実現できたことがとても嬉しかったので,リリースまで取り組んで本当に良かったと思っています。将来〇〇になりたい!とまだ一つに絞れません。研究者・先生・起業家・デザイナーになる目標を全部叶えたパラレルキャリアを歩んでいければと思っています。そのために進学し,博士号をとって教員を目指そうと考えています。実際に,周りの先生たちは先生をしながら会社を持ったりデザインしたり,他の人たちよりも忙しそうだけど好きなことをしてとても楽しそうです。宮城大学に来てから,そういう楽しそうな先生たちをみて私も教員になろうという夢ができたので,デザイン科にいてもビジネスを誰よりも追求できたし,もちろんデザインにも取り組むことが出来ました。」

現在は筑波大学落合研究室の共同研究学生として,写真の古典的印刷手法の計算機自然的アプローチを研究しており,今後は,東北の伝統文化や感性が絡んだライフスタイルに注目した学際情報学分野の研究テーマに取り組んでいく予定です。小澤さんのさらなる活躍をご期待ください。

DA-TE APPS! 2022について

DA-TE APPs!は,学生たちの熱い想いがビジネスになる,技術を駆使できる起業家を目指す学生の登竜門です。仙台市とGLSが展開する東北最大級のビジネス&ゲームコンテストとして,2014年から毎年開催しており「仙台から世界基準を生み出す」をミッションとしています。DA-TE APPS! には,ふたつのコンテストがあります。ひとつは「ITコンテスト」GLS for Education IT部門の応募3チームが,地元仙台のゲーム企業,大手ゲーム開発企業の徹底指導を受けて自分たちのゲームを開発。地元仙台のIT企業の徹底指導により,半年間かけて身近な課題をITで解決し,審査員の評価により最優秀賞を決定します。もうひとつは「ゲームコンテスト」GLS for Education部門では仙台市内のゲームを学ぶ専門学校から選抜された3チームが,地元仙台のゲーム企業の徹底指導を受けて自分たちのゲームを開発。学生発信の企画にプロの目線が加わり,現場のゲーム開発を体験。さらに GAMEフリー部門では,東北の学生が1年間かけて学校で開発したゲームを発表。多数の応募作品の中から,一次審査を通過した上位4作品のチームが,プレゼンバトルを行います。

事業構想学群

価値創造デザイン学類

現代社会の諸課題を多角的・グローバルな視点で論理的に捉え,その課題解決に向けた事業を実行可能かつ持続可能なものとして構築する能力を身につけるとともに,地域資源の活用や新たな価値創造を志向し,産業,行政,社会の各分野で先導的役割を担える人材の育成を目指しています。

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