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25.03.25
宮城大学大和・太白キャンパス・坪沼農場の森林が、東北地方の大学としては初めて環境省「自然共生サイト」に認定されました
宮城大学は大和・太白キャンパスと坪沼農場を有していて、大きくキャンパス緑地は3エリアに分かれます。これらキャンパス緑地が「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、令和6年度後期-環境省「自然共生サイト」に認定されましたのでお知らせいたします。東北地方における大学・教育機関としては初の事例となります。
令和6年度後期「自然共生サイト」認定結果
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2025年3月17日、仙台第2合同庁舎において令和6年度後期「自然共生サイト」認定証授与式が行われました。今期の認定は全国で75か所、東北エリアでは9か所、宮城県内では宮城大学キャンパス、伊豆沼農産ふゆみずたんぼなど6か所が認定されました。認定証の授与にあたっては、理事長である佐野好昭が出席し、事業構想学群小沢研究室の学生より認定された共生サイト「宮城大学キャンパス」の概要を出席者らに紹介しました。(2025年3月24日追記)
今回の認定を受けて、宮城大学学長 佐々木啓一のコメント
宮城大学は、社会と密接に関連した実学に基づき、地域、そして人々の生活を豊かなものにする教育研究に注力しています。また、県内各所での地域活性化の取り組みには、海や里山を活用したSDGs、ネイチャーポジティブに関係するものも多数あります。一方、本学キャンパスは木々に覆われた丘に囲まれ里山のようです。私はこの環境を私どもの教育研究、地域連携活動に繋げたいと着任当初から考えていました。自然共生サイトへの登録を機に活動の活性化を図りたいと思っています。
認定作業の中心となった事業構想学群小沢晴司教授のコメント
大都市圏でこのような緑に恵まれたキャンパスは望んでも得難い貴重なものと思います。3年程前から学生と間伐を試行し、今年その材で林内に階段も施工してまいりました。県市町ほか近隣の様々な市民や団体がそれらの活動の支援をしてくださったためこういった活動が実現できました。学生の一人は、この緑地が大学全体の脱炭素を現状でクリアできていることを論文にまとめています(要旨)。宮城大学のキャンパスと付属農場の森や池沼・緑地は、生物多様性保全とその活用はもとより、多くの学びと感化を学生に与えるものだと考えています。
ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組み「自然共生サイト」
環境省では、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取り組みを令和5年度から行っています。認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM(Other Effective area-based Conserbation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)」として国際データベースに登録され、30by30目標の達成に貢献します。「自然共生サイト」の対象となる区域は、生物多様性の価値を有し、事業者、民間団体・個人、地方公共団体による様々な取り組みによって、(本来の目的に関わらず)生物多様性の保全が図られている区域です。これまでの認定サイト数は253か所(令和7年1月現在)です。
「自然共生サイト」は、環境省の審査により認定を受けたサイトが登録の対象となります。認定基準は主に「境界・名称に関する基準」「ガバナンスに関する基準」「生物多様性の価値に関する基準」「活動による保全効果に関する基準」といった基準が審査されます。認定後は、5年ごとに認定内容の更新が行われます。
大和キャンパス
太白キャンパス
坪沼農場
森林の適切な管理推進と生物多様性の情報を、教育・地域コミュニティの場として活用
大和キャンパスは宮城県図書館や緑地に隣接しており、太白キャンパスは宮城県自然環境保全地域である太白山からつながる緑地帯に囲まれています。坪沼農場の周囲は鎮守の森を中心に農地などの自然環境が広がり、生物多様性保全上重要な里地里山(環境省)に選定されています。大和キャンパスでは保全のための学生の手による間伐が行われ、太白キャンパスや坪沼農場は「宮城大学チアーズ農園」「リビングこども大学」など、地域の子どもたちが農作業体験をする場として提供されています。これら森林の状況に応じた適切な管理を進め、生物多様性の情報を教育に活用することや、四季を通じた菜園植物の移り変わりや収穫の喜びを学生実習のみならず地域コミュニティの場としての活用することが今回の認定で評価されたポイントです。本件の認定申請にあたっては太白キャンパス・坪沼農場が所在する仙台市よりキャンパス生物多様性調査等でご支援をいただきました。
自然共生サイトに認定された3つのサイト
大和キャンパス
大和キャンパスは、自然と共生し、地域に開かれた大学としてデザインされました。人が自然とふれあう泉パークタウンと、県内有数の工業エリアである大和リサーチパークに隣接しています。近隣には、県立図書館や産業技術総合センターなどの施設もあり、研究に最適な環境です。10haの人工林があり、ほとんどがスギで一部にヒノキやアカマツが生育しているほか、準絶滅危惧種に指定されるヒメシャガをはじめ多様な植生を観察できます。
宮城県黒川郡大和町学苑1-1:対象面積17.5565ha
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太白キャンパス
太白キャンパスは、太白山山麓の住宅街に位置し、学内農場である旗立農場を擁する自然豊かなキャンパスです。近隣の附属坪沼農場を含めた個性豊かな教育施設群の中で、様々な視点から「食」を学ぶことができます。水田や畑など学生が農業実習を行える環境です。
宮城県仙台市太白区旗立2丁目2-1:対象面積14.6126ha
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坪沼農場
太白キャンパスから8kmほど離れた坪沼にある附属農場です。約31.4haあり、豊かな自然にも囲まれた、実習に最適な農場です。子どもの育成の場としての役割も果たす環境があり、森林環境教育や地域発展など文化的サービスを提供する場として機能しています。
宮城県太白区坪沼字沼山35ー3:対象面積30.8663ha
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本リリースに関する問い合わせ先: 宮城大学事務局企画・入試課、広報担当:中木/電話:022-377-8217メール:kouhou@myu.ac.jp |