新着情報
23.04.06
災害時に限られた資材と人材で傷病者を救う方法を、シミュレーションを通して学ぶ/災害活動論/看護学群災害看護プログラム
看護学群の「災害看護プログラム」では、今後、新たな大規模災害が予測される日本において、将来、医療・行政・学校等で活躍できる看護職を育成しています。災害看護プログラムの授業のひとつである「災害活動論」は、多角的な視点で災害について学び、災害看護への関心を高め、基盤となる知識を得る授業です。(全15回)
限られた資材と人材を活用して、災害時の応急手当と安全な場所への搬送を考える
本学では、看護を学びはじめた1年次から、災害看護の学習がはじまります。1年次開講の「災害活動論」は、災害に
ついて、一人の住民として、また、宮城県内の看護系大学生として、日常での備えや災害発生時の適切な行動を考える授業です。災害時には、限られた資源でより多くの人を救うことが求められます。授業のうち「初歩的な応急手当と搬送法」の演習では、災害が発生した時を想定し、持ち寄った身近な物で傷病者の応急手当を行い、安全な場所に搬送する方法を考えます。はじめに、講義形式で災害の種類に応じた傷病者の特徴と、出血や骨折などの外傷の応急手当と搬送に必要な知識を学びます。そして、その後の演習では、応急手当と搬送法の実技演習を行った後、災害が発生した時を想定したシミュレーション演習を行います。シミュレーション演習では、限られた資材と人材で傷病者の応急手当と安全な場所への搬送を行い、災害時に傷病者にどう対応できるか、周囲とどう協力できるか、経験を通して学びます。
地域住民とともに学び合い、異なる立場の意見に触れ、看護学生としての意識を高める
演習では、高森東地区の仙台市地域防災リーダーのご協力のもと、応急手当と搬送法を地域住民とともに行い、学びます。看護学生は習った知識を、住民は経験に基づく知識を、それぞれに交換しながら災害時の対応について学びを深めます。住民からの率直なフィードバックによって、学生は安全・安心・安楽を考え、自らの実践を振り返る機会を得ます。声のかけ方、体の支え方、どの程度介助が必要かの判断、全体の状況の把握、救護者同士の役割分担など、演習前には考えもしなかったことをたくさん考え、その場で改善しながら実践します。異なる立場の意見に触れることで多くの気づきを得ることができ、看護学生としての意識が高まります。
災害活動論
1年次後期の開講科目です。災害の定義、備え、発生時の影響・社会的対応など災害看護の基盤となる基礎知識と関心を強化するため、宮城県における震災の体験と対策を切り口に、多角的な観点から幅広く災害について学ぶ内容を準備しています。また、一住民かつ宮城県内の看護系大学生として、災害が身近な課題・問題であることを認識し、災害に対する適切な行動を考える機会とするため、講義だけでなく、演習やワークショップ形式の授業も行います。(全15回) ※シラバス