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25.09.12
【宮城県×宮城大学】8/30 DX人材育成プログラム 「Downstream から学ぶDX」事例紹介・導入ワークショップを実施(2025年度)/事業構想学群
宮城大学では、宮城県からの委託を受けて、県内の中小企業において DX 推進を担う方々等を対象とした DX 人材育成プログラム「Downstreamから学ぶDX」リカレント教育プログラムを実施しています。昨年度に引き続き、2025年度も本プログラムを開講し、8月30日にはキックオフとして事例紹介・導入ワークショップを開催しました。本プログラムは、従来の上流(Upstream)からのトップダウン型DXではなく、現場主導のアプローチ、すなわち「Downstreamから」のDXに重点を置いています。身近な課題を出発点に、現場からのイノベーションを促すことで「新たな価値創出」を目指します。
最新技術とPoCを知り、小さな検証を積み重ねていくことの大切さを学ぶ
今回のワークショップには、県内の製造業、教育支援業、建設業など多様な業種から30名が参加しました。参加者の中には昨年度に続き2年連続で受講する方もおり、継続的な学びの場として機能しています。午前の部では、事例紹介やPoCに関する講義、午後の部では生成AI、ビッグデータ、ドローン、VRの4テーマについて、最新技術の体験会を実施しました。講義では、DXに関する事例紹介や、PoC(Proof of Concept:アイデアや技術の実現可能性を検証する実証作業)についての説明が行われました。
事業構想学群の澁田一夫教授は、「アナログなデータを単にデジタルデータにするだけではなく、業務プロセスや製造プロセスといったところに着目し、プロセスのデジタル化をすることがイノベーションにつながる」と強調し、「まずは紙芝居のようにあまり作りこまない形・完璧ではない形でPoCを始め、小さな検証を積み重ねていくことが重要」と伝えました。
生成AIやビッグデータ・ドローン・VRなど最新の技術に触れる
午後の体験会では、参加者が4テーマ(生成AI、ビッグデータ、ドローン、VR)のブースを順に回りながら、最新技術を実際に体験し、具体的な業務への活用可能性を探りました。ビッグデータを担当した事業構想学群の太田賢教授は、生成AIで制作した映像やスライドを利用して講義を行いました。教授の写真がまるで本人のように喋り出す映像には、会場から驚きの声が上がりました。さらに、昨年度のDDX受講生のアンケートデータや、人流データをマッピングした「モバイル空間統計」を紹介。受講生は「自分たちの業務ではどのようなデータを活用できそうか」をグループで議論しました。
株式会社セレンディカが担当した生成AIブースでは、県内企業によるAI導入事例が紹介されました。まずは社員が生成AIに慣れる・使うところから始め、社内で活用アイデアを出し合う「アイデアソン」を実施。その結果、社内規則の検索アプリ、議事録作成アプリ、労働災害リスク防止アプリなど、現場課題に根差した実用的なAIツールが次々と実装された事例が共有され、受講生から大きな関心が寄せられました。
PoCへの取り組みとモジュール講義が本格スタート
受講生は、12月の成果発表会に向けて各自PoC(概念実証)に取り組みます。4〜5名のグループに分かれ、メンターによる支援のもと、進捗や課題を共有しながら学びを深めていきます。ワークショップの最後にはグループ内での自己紹介や、今後の進め方についての確認が行われました。
あわせて、ハードウェア制御系・データ活用系・コンテンツ構築系・生成AI実践系の4領域からなるオンデマンド講義(Module科目)の受講もスタート。特に生成AI分野については今年度から重点的に強化され、9月には対面でのスクーリングも予定されています。対面とオンラインを組み合わせたスクーリングを通じて、受講生が自身のPoCの成果を得られるよう多角的なサポートを行っていきます。
実践的かつ共創的な学びの場へ
プログラムを統括する事業構想学群の中田千彦教授は次のように語ります。
「バーチャルでできることもあるが、本プログラムでは、このように集まり、顔を合わせて学ぶことを大切に考えています。多様な人々が集まって学ぶ大学という場の醍醐味をぜひ楽しんでほしい。12月の成果発表会を楽しみにしています」と話しました。
「Downstreamから学ぶDX」特設サイトでは、修了者へのインタビュー動画も公開しています。
開催概要
イベント名 | 「Downstream から学ぶDX」リカレント教育プログラム 事例紹介/導入ワークショップ |
日時 | 2025年8月30日(土)10:00~16:30 |
会場 | 宮城⼤学⼤和キャンパス 交流棟2階 PLUS ULTRA− |
受講者数 | プログラム受講生30名 |
受講費 | 無料 |
受講方法 | 事前申込制 |
主催・問い合わせ | 宮城大学DDX事務局 電話:022-377-8194 / メール:downstreamdx@gmail.com |
協力 | 株式会社セレンディカ |
宮城県令和7年度産業デジタル専門人材育成業務について
人口減少・高齢化が進展する中で経済成長を実現するには、生産性向上が不可欠であり、そのためには DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要となっています。しかしながら、DX推進の中心的な役割を担うデジタル人材の不足は深刻化しており、中小企業のDX推進を妨げる要因の1つに挙げられています。本事業では、県内産業のDX推進を加速化させるため、専門的な技術力、新たな価値を創造できる企画力を持った人材を育成することを目的としています。
宮城大学について
宮城大学は、グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材の育成を理念の一つとして掲げ、実学を尊重し、実践的な教育に取り組んでいます。具体的には、現代社会の諸課題を多角的・グローバルな視点で論理的にとらえ、その課題解決に向けた事業を実行可能かつ持続可能なものとして構築する能力を身につけるとともに、豊かな人間性を基盤として地域資源の活用や新たな価値創造を志向し、産業、行政及び社会の各分野で先導的役割を担うことができる挑戦意欲旺盛な人材の育成を目指しています。これまでも中小企業を対象とした「Downstream から学ぶ DX」リスキリングプログラム、高校生を対象とした「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」など様々な実践志向の教育プログラムを展開し高い評価を得ています。
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