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25.10.08

【宮城県×宮城大学】9/20 DX人材育成プログラムにて「生成AIワークショップ」を実施(2025年度)/事業構想学群

宮城大学では、宮城県からの委託を受けて、県内の中小企業において DX 推進を担う方々等を対象とした DX 人材育成プログラム「Downstreamから学ぶDX」リカレント教育プログラムを実施しています。8月30日のキックオフワークショップに引き続き、9月20日には対面での全体スクーリングを実施し、生成AIをメインテーマとしたワークショップを開催しました。

生成AIを実践的に学ぶ

ワークショップの講師を務めたのが、株式会社セレンディカの代表取締役・小野義博さんと執行役員・菅井元晴さん。2人は昨年度本プログラムを受講しており、現在は宮城県を拠点に、生成AIを活用したプロダクト開発など幅広いIT事業を展開しています。ワークショップは個人ワークで生成AIに慣れることから始まり、生成AIの基礎理解、さらにグループワークへと進む構成で、受講生は実際に手を動かしながら生成AIを学びました。

最初に行われた個人ワークでは、受講生は生成AIに自身の仕事の内容を入力し、「あなたは名コピーライターです。私の仕事のキャッチコピーをつけてください」というプロンプトを実行。生成されたキャッチコピーをもとに、周囲の受講生に自分の仕事を紹介しました。受講生からは「AIでこんなにユニークなコピーが書けるなんて驚いた」「プロンプトを工夫することで、より欲しいアウトプットにできることを学んだ」といった声が寄せられました。業種も年代も多様な参加者でしたが、ワークを通じて互いの仕事や考え方への理解も深まり、有意義な時間となりました。

その後行われたグループワークでは、宮城の老舗食品メーカーがZ世代に刺さる新商品を考えるというお題について、生成AIを使いながらアイデアを考えました。参加者は実際に手を動かしながら、AIの能力を最大限に引き出すプロンプトの書き方など効果的な活用方法を学びました。AIを活用することでSNSを活用したキャンペーン施策や企画書案、ホームページのイメージがすぐに形になり、全体共有の場でも参加者からは驚きの声があがりました。

講師を務めた小野さんは、「AIは決して人間の仕事を奪う脅威ではなく、むしろ退屈な作業を肩代わりしてくれる存在。人間にしかできない仕事に集中することは私たちが創造性を発揮することにもつながっていく」と結びました。

プログラムを統括する事業構想学群の中田千彦教授は、「私たちはいま、圧倒的なスピードと情報量に満ちた文明の中に生きており、その恩恵を最大限に享受すべきだと思います。『大きなことを成し遂げよう』という野心はもちろん素晴らしいですが、同時に家族や友人、同僚といった身近な人に『こんなことができるよ』と伝えられるような姿勢も大切です」と話し、日常生活の中でAIに触れる大切さを伝えました。

受講生に提供しているオンデマンド講義(Module科目)でも、新たにGhatGPTの使い方や生成AIの業務活用、プロンプトエンジニアリングなどついての講義が追加され、受講生は生成AIについてさらに学習を深めていきます。

業界の課題を解決するDXに挑戦

受講生は、各業界の課題をデジタルで解決するPoC(概念実証)に取り組んでおり、定期的にオンラインで集まってメンターとともに情報共有を行っています。対面スクーリングの冒頭にはメンターから各グループの進捗について共有があり、紙管理のデジタル化や業務プロセスの効率化、コンテンツ制作の自動化などの受講生のテーマが紹介されました。

また、対面スクーリングの前には任意参加の相談会が実施され、受講生が現在進めているPoC(概念実証)についてプログラムを担当する教員とのディスカッションを行いました。アプリ開発やメタバース空間の実装についての相談もあり、教員から具体的なアドバイスを受けていました。

「Downstreamから学ぶDX」特設サイトでは、修了者へのインタビュー動画も公開しています。

開催概要

イベント名 Downstream から学ぶDX 生成AIワークショップ
日時 2025年9月20日(土)13:00~16:00 (相談会 11:00〜12:00)
会場 宮城⼤学⼤和キャンパス 交流棟2階 PLUS ULTRA−
受講者数 プログラム受講生のうち17名
受講費 無料
受講方法 事前申込制
主催・問い合わせ 宮城大学DDX事務局
電話:022-377-8194 / メール:downstreamdx@gmail.com
協力 株式会社セレンディカ

宮城県令和7年度産業デジタル専門人材育成業務について

人口減少・高齢化が進展する中で経済成長を実現するには、生産性向上が不可欠であり、そのためには DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要となっています。しかしながら、DX推進の中心的な役割を担うデジタル人材の不足は深刻化しており、中小企業のDX推進を妨げる要因の1つに挙げられています。本事業では、県内産業のDX推進を加速化させるため、専門的な技術力、新たな価値を創造できる企画力を持った人材を育成することを目的としています。

宮城大学について

宮城大学は、グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材の育成を理念の一つとして掲げ、実学を尊重し、実践的な教育に取り組んでいます。具体的には、現代社会の諸課題を多角的・グローバルな視点で論理的にとらえ、その課題解決に向けた事業を実行可能かつ持続可能なものとして構築する能力を身につけるとともに、豊かな人間性を基盤として地域資源の活用や新たな価値創造を志向し、産業、行政及び社会の各分野で先導的役割を担うことができる挑戦意欲旺盛な人材の育成を目指しています。これまでも中小企業を対象とした「Downstream から学ぶ DX」リスキリングプログラム、高校生を対象とした「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」など様々な実践志向の教育プログラムを展開し高い評価を得ています。

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